(※おことわり:多分皆様が楽しみにしてらっしゃる『ほぼ日カレー部』のイベントレポはこの項目の後に発表いたします。ですので今しばらくお待ちいただければ幸いです。)
さて、いよいよ『ぷらっとこだま』を利用した格安移動プランの実践編でございます。まぁ正直なところを申し上げますと、安いだけに何なりと問題はあるということです。今一度今回のルートをご説明致しますと、
- 鉄道ルート(行き):京都駅~(新幹線自由席)~米原駅~(在来線普通列車)~名古屋駅~(新幹線こだま・ぷらっとこだまプラン)~品川駅(正確には渋谷駅)
- バスルート(帰り):東京駅(正確には渋谷駅)~(新幹線こだま・ぷらっとこだまプラン)~名古屋駅=(名神高速バス)=京都駅
…という行程でした。行きのプランと帰りのプランが違うのは、鉄路とバスという二つのルートを比較してみようとしたからです。どちらかのプランをそのまま往復で使えば、いわゆるパック旅行のプランを用いなくても最速で楽に移動できるのではないか?でも時刻表上では理解できても、実体験しなければレポートとは言えません。というわけで、舞台は4月25日の午前10時20分の京都駅へと移ります。
1:鉄道ルートの場合

鉄道ルートの場合、本来ならば10時ちょうどに発車する米原方面への新快速を使うことで最安値になるのですが、今回はちょっと贅沢(と言いますか、駅構内の飲食店調査のついで)に新幹線を使わせていただくことになりました。
流石は日本を代表する都市、思わず行きたがるという京都というだけあって駅構内には外国から京都に訪れている方々が沢山いらっしゃいます。しかもその方々は「こだま号」の指定席がある車両の付近に大勢待機してらっしゃいます。ということは『ぷらっとこだま』は結構有名なプランなのかもしれません。

京都駅を出て、ちょっと長いトンネルを抜けると滋賀県の緑豊かな沿線風景が流れていきます。確かにこれだけ緑豊かだったらこの付近に住みたい!と思う方も大勢おられるのではないかと(実際滋賀県は人口増加傾向にあります)。乗ってわずか20数分で新幹線は米原駅に到着します。

(左:ガチャコンでおなじみ近江鉄道、右:JR総研で保管されている新幹線 )

米原駅で新幹線から在来線に乗り換えます。ようやく本来のルートに戻ってきました。青春18きっぷの季節ともなるとこの駅はどえらい騒ぎになりますが、今回はその期間ではありません。ゆったりとした境界駅らしい風景が広がっています。
乗り込む車両はJR東海、しかし117系という関西圏で新快速を運行させるがために製造された車両ですのでどことなくホッとします。でも見上げた広告には『浜名湖』の文字。もう既に関西では無いという雰囲気が感じ取れます。

米原駅で新幹線に別れを告げ、一路列車は大垣駅を目指します。米原駅を離れると窓には急激にカントリーな風景が広がります。パッと見たら本当にこの線路が東京まで繋がっているのか?と思ってしまう位のものです。運行形態としては色々な駅で折り返しを設定しているのであまりピンと来ないのですが、そこはやっぱり日本の大動脈。貨物列車の往来が結構ありました。

(勾配がきつい為に作られた貨物列車や特急列車が主に通る別線)

(ちょうど気分が滅入った頃に出てくる垂井駅。正に西手新九郎)
列車は約1時間ちょっとで大垣駅に到着。18きっぷの季節ともなると『大垣ダッシュ』という行為が見受けられたり、『ムーンライトながら』さんが発着する駅ということである意味有名な駅となっています(大垣駅周辺はちょうどいい街ですので、一度途中下車することをお勧めします)。そこから快速電車でまた40分ちょっと乗車していきます。

(左:いくつもの川を渡っているので車窓が飽きない、右:JR東海の車内文字案内。新幹線のものとほぼ同じフォントを使っている)
で、ようやく名古屋駅に辿り着きました。ここまでショートカットをして約2時間、新幹線の「のぞみ」なら新横浜駅まで辿り着いている時間帯であります。ここからはようやく『ぷらっとこだま』のお出番、真打登場であります。

各駅停車であろうと『こだま』の種別は英訳すると『superexpress』、超特急であります。確かに在来線であれば6時間はかかるであろう名古屋から東京という距離も、たった3時間で辿り着けるワケですから『超特急』というのは頷けます。しかしまぁ止まるったらないなぁ。

今回行きは『グリーン席』を奮発して乗ってみました。長時間の乗車ですからそれなりに対処をしておかねばいけません(個人的な事情ですが、この乗車する前前日から結構徹夜に近い状態でした)。さぁ寝るぞ!…と思っていたら『パッ』と読書灯が点灯。太ももが肘掛に内蔵しているボタンを点灯させてしまうのです。
正にこの体型が導いた悲劇。寝れねぇ!
結局東海道の雨模様を見ながら品川まで移動することとなってしまいました。ちょっと疲れはあるものの、座席が広かったりグリーン車に乗車する人がいないということもあって、それなりに快適に過ごすことが出来ました。コレはちょっとお勧めです。
2:バスルートの場合
(宿泊先のホテルから見たトレインビュー)
さて、一夜明けた26日。今度は東京駅から『ぷらっとこだま』の指定席プランと名神高速バスを利用して関西まで移動します。行きが快適だったので帰りも快適…かと思いきや、正直、東京の「こだま」を舐めてました。
以前京都から名古屋までの『ぷらっとこだま』指定席プランを買って乗車したことがありますが、その時は誰も指定席に乗っておらず快適に過ごせました。ですので、『ああこれならば東京でも同じ快適感で移動できるなぁ』等と考えて乗車してみてビックリ。指定席だけメッチャ混んでるでやんの。自由席を見てみるとそれなりに乗車はあるものの指定席の様な混み具合ではありません。どうも三島駅や静岡駅まで利用される方が多くいらっしゃった様子。実際ゆったりと撮影することができたのは指定席が落ち着き始めた三島駅あたり。それまでは過ぎ行く車窓だけが私の拠り所でした。

なんやかんやと約3時間、行きとほぼ同じ時間を使って名古屋駅へと到着。取材をとにかく制限時間一杯まで行って最終ランナーである高速バスへとバトンをつなげます。
(名古屋駅に併設されているハイウェイバス乗り場)

どうしても高速バスといえば夜行というイメージが強いと思われる方が多いと思うのですが、ここ最近は昼間のバスというのも間合い運用的な考えからチョコチョコと登場しています。しかしこの高速バスは1964年から走行しているという伝統色の強いバス路線であります。王者の風格と申しますか、多種多様な交通機関が出てきている昨今でも根強い人気がこの路線にはあります。

走行しているバスの種別は特急と超特急のみ。運行するバスは通常の観光バスとほぼ同じ4列シートのバスとなっています。確かにこのバスは慣れれば快適なのでしょう。しかし、私の場合このバスで結構な疲れが。
(正確にはこの時点で相当疲れていたのかもしれない)
かの『水曜どうでしょう』で出演者の鈴井貴之氏が「長時間の移動は辛い」とぼやいていたのが今ようやくわかったような気がします。高速バスは確かに快適でした。しかし鉄道と比較するとやはり鉄道の方に若干の有益性があるのではないかと思うのです。しかも京都~名古屋間は在来線だと2520円、バスは2500円とそんなに差はありません。時間に余裕がある、確実に座って移動したい!というのであればバスを利用した方がいいのではないか…と。
…それにしても、今回そんなに長時間移動をしたというつもりはなかったのですが、乗換えを連続で行うというだけでこんなに疲れるものだとは思っても見ませんでした。まぁ今回は名古屋駅で取材をするという名目があったので仕方ないのかもしれません。次回東京へ行く時は黙って普通にきっぷを買って「のぞみ」に乗っていきたいと思います。もちろんおサイフに余裕があればのお話ですけど。