2010年10月 5日 (火)

九州新幹線のCMに私が推薦する曲

 前回の内容で「説明を求める」なんて偉そうな事を書いちゃいました(テヘッ)。

大抵そういう文面を読むと「じゃあお前はどんなのがいいんだよ」と言いたくなるのは世の常であります。本当はオリジナルの楽曲を作った方がいいのですが、私は芸術系大学の出身でありながら楽器関係は全滅という世界一不器用な男。

楽器が弾けたとしたら、思いのたけを歌にして貴方に伝えていることでしょう。新しい雨が降るとそこにあなたがいる、新しい小節が浮かんだらそこに貴方がいると。そんな男なので、今回は私の中で「コレいいんじゃね?」という楽曲を幾つか皆様にご紹介いたします。

以前当ブログでは「新しい新幹線の名前を妄想してみた」という記事の中でコマーシャルの絵コンテを掲載しました。そこで最初に「いいんじゃね?」と思ったのが槇原敬之さんの「遠く遠く」でした。

(Youtubeから引用。画像はかわりません)

「冒頭部分の歌をそのまま15秒使う」という「シンプルさ」、歌詞中にある文面で「九州新幹線の存在意義と密かな決意」を表現してみました。

沿線地域の方々には「九州という土地にも新幹線が走り出す」「新幹線が乗り換えなしで大阪まで行く」と理解させ、沿線以外の方々には「こういう新幹線が走っている」と覚えてもらえる。そして寝台特急時代「さくら」を長く愛してくれた長崎の人々には「今生の別れ」と決意した姿と、これから活躍する姿を見守ってほしいというさくらからの「願い」……それを15秒に要約。コレは軽く奇跡。

同時に流される映像も映像も出来る限り新幹線の画像を使わず、桜の花を多く使う事で「なんだろう、コレ」と視線を集める……という意味合いがあります。シンプルなのが一番なんですよ、本当に。

新たに「これいいんじゃね?」というのが北海道のキラ星ことにょういずみにょう大泉洋さんとミスター残念戸次重幸さんが歌う「見上げてごらん春の空を」です。

(大泉さんの画像だらけですが気にしないように)

元々はチームナックスという劇団の「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム」という舞台で使われた楽曲です。各個人や劇団の名前は比較的知られていても、このような歌を彼らが歌っているのは意外と知られていません。そんな北海道出身の彼らの楽曲を選んだのは歌詞の中にある

「日はまた昇る」

「例え生まれ変わっても 例え離れてしまっても」

という一文でした。

「さくら」は春に花が咲き、夏に葉が日陰を作り、秋に自らはを赤く染め、冬に新たな芽生えを迎えるため全てをゼロにするという日本人の心の中を代表するような樹木です。

「さくら」と「みずほ」は共に九州へと向かう寝台特急の名前だった事は皆さんも御存知でしょう。その名前が九州新幹線の名前として復活するワケです。「おかえり」を表現しない手はありません。

そして、九州新幹線の開業と共にもう一本「はやぶさ」が東北新幹線の名前として復活します。九州新幹線だけでなく、「頑張れよ、はやぶさ」という思いもコマーシャルの中に詰め込めるんではないかと思い選んでみました。

コレぐらい説明できるんです。あり物の歌でも強引な手法でも説明はしました。これ以上の明瞭な説明をあの方はできるんでしょうかねぇ。

さて、イベント行ってきます。

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2009年12月25日 (金)

Do they know it's CHRISTMAS?

 皆様、メリークリスマス。

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(リッツ・カールトン大阪のクリスマスツリー。写真はタダで撮影できます)

…まぁ、私はここ数年間「恋人って何?」「クリスマス?それってケーキを得方に向いて無言で食べる日だよね」な状態ですのであまり触れたくはありませんが、とにかく今日は鶏肉を焼いたりケーキを食べたりする日だそうです。

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(今年はそういやこういうイルミネーション見てないなぁ)

そんな中、今回お届けするのはひとつの「音楽」であります。まずはYouTUBEで掲載されているこちらの映像をご覧ください。

 

 

 

新幹線のチャイムの後、映像に載せて流れるのは荘厳な洋楽。しかも冒頭には「クリスマス」という言葉が羅列しています。今月京阪なにわ橋駅構内で開催された「鉄道カフェ」というイベントで、私はこの映像を紹介(というか強制)しました。その映像を流した際に

「ああ、季節に沿った歌ですねぇ」

なんて関係者の方が言うので私は少し曖昧な笑みを浮かべてしまいました。果たして彼が言ったように「季節に沿った歌」なのでしょうか。ちなみにこの曲のCDはこういうジャケットだったりします。

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(このジャケットは「BAND AID 20」のモノです)

…まぁ、見ていてお分かりかと思いますが、あまり気持ちのいいものではありません。私もコレをアマゾン経由で買った時「なんだコレ?」と思った位です。元々はこの楽曲、エチオピア飢餓に対するチャリティとして作られたもので、歌詞を訳してみると

「この歌をクリスマスに流していいのだろうか」

と考えさせられます。生憎当ブログは権利者に使用料を支払っておりませんので、歌詞の詳細を書き記すことはできませんが、少なくとも日本における「お祭り騒ぎ」としてのクリスマスに相応しい曲とは思えません。

(再度YouTUBEから引用)

今はもう流れる事のないこの東海道・山陽新幹線の「チャイム」。この旋律が奏でる僅かな時間の中には人々の信念や思い、感情が込められていると言っても過言ではないでしょう。

今日はクリスマス。宗派や国、考えや風習は違えど人に優しくする絶好の機会です。残り少ない時間ではありますが、優しくしませんか?ねぇ。

 

…ところでこの「Do They Know It's Christmas?」という曲、調べてみると「東海道・山陽新幹線」で使用されていたあのチャイム(冒頭で紹介した動画に収録されています)の原曲ではないそうです。作曲した人もそういう曲があるとは知らず、「いつの間にか似ちゃった」というものだそうで、コレといって繋がりは無いそうです。それにしても似過ぎですよねぇ。

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2007年11月24日 (土)

さよならと言われる時に聴く歌(テツノート)

一時期「テツノート」と題して音楽と鉄道の融合みたいなことをしておりました。この時はCDの装飾を撮影して、ジャ○ラックに文句を言われぬよう歌詞を使わず表現していた結果、2つの項目だけ書いて飽きてしまいました。頑張れオレ、負けるなオレ。

しかし、時代というのはすごいものです。レコード会社がその楽曲をブログに掲載できるシステムを構築してくれていました。気分はムーンペタの老人です。思わず訪れた冒険者に対して「なんとここでもふっかつのじゅもんがきけるのじゃ。べんりなよのなかになったものよ」と言ってしまいそうになりました。…まぁ実際に言ったら確実に鉄格子のついた病棟行きでしょうけど。このシステムを私が今まで知らなかったということもありますが、いやコレすごいです。コレさえあれば「テツノート」をもう一度やれるんじゃないかと。…良かったぁ、ネタ切れの時に逃げ道が出来た。

…と、言う訳で今回は久々に「テツノート」でご機嫌を伺います。

先日、某一流日刊紙にて「夜行列車大幅削減」という記事が出ておりました。もちろん某一流日刊紙ですので、流行語の如く「アサヒる」ことになる場合もあるかとは思います。しかしながらこういうのも時代の流れというものなんでしょうか。

例えば大阪から東京間を結ぶ「寝台急行銀河」。現状では開放型A寝台車と開放型二段B寝台車の2つしか選択肢がありません。例え急行料金ということで速達料金が低く押さえられていてもB寝台は6,300円、A寝台の下段は10,500円…。こんなことを言っちゃあ悪いですが、現在の開放型寝台でこのお値段は高すぎます。その状態をわかっていて放置、そして廃止という考えはかなりバカげています。

夜行列車には夜行列車の利点があります。そして昨今ツアーバスや深夜高速バスに代表されるように夜行移動のニーズというものは探せば確実にあります。料金体系とシステムを見直せば、まだこれらの列車が再度脚光を浴びて新たな層の利用者を開拓することが出来ると私は考えます。

ただ私は一利用者であり、フツーの何処にでもいるような鉄ヲタです。鉄ヲタは鉄道事業者の懐や考えを一番理解しなくてはいけない立場だと思っています。口惜しいことではありますが、今回の状況は「SunSet Swish」さんの「ありがとう」という歌がピッタリ合います。こんなことで取り上げられるというのは間違いなのかもしれません(Sun Set Swishさんも不本意だと思います)。しかし数十年後、夜行列車が資料映像の中、博物館の中だけで生き残った状態になった時、私の頭にはこの歌が流れるのでしょう。

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2007年7月 6日 (金)

九州の列車と共に聞く音楽<テツノート>

 テツノート2回目でございます。以前やろうとして頓挫…もとい、現在も執筆中の『大阪モノレールの美術品たち』のような状態になるのだけは避けていきたいと考えていますが、いやはやこういう鉄道とは関係ない話題を続けると周囲から

「もっと鉄道ネタをやりなさいよ」(ごもっともです)

「そろそろ旅に出なさいよ」(お金があればいつでも徘徊します)

「つばめ被って徘徊しなさいよ」(何故かあの被り物人気あるよなぁ…)

…という実に愛のあるご意見を頂戴することが多くなります。それでもまぁいいや、ちょっとの間この「テツノート」で楽しんでいただきましょう。

 今回は私の思い出の場所でもある『九州』。まだ鉄という意識が無かった大学生時代、この場所に走っている787系という電車は電車の概念を越えたデザインになっていると知りました。その当時一応芸大生だった私は、洗練されていたデザインをこの眼で確かめたくて、思わず一人で九州に行っちゃったのが始まりでした。…ただし、そのきっかけは鉄道雑誌やデザイン雑誌ではなく『欽ちゃんのシネマジャック』であることはトップシークレットです。

 で、今回その『九州』の列車たちに乗っている際聞いていただきたいのが『RAMMER』の『Wild Flowers』という曲。

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 ご存知の方もおられるかと思いますが、この曲は元々『ゾイド』というアニメの主題歌として使われていた曲でした。歌詞が実に初期の雰囲気とマッチングしていたのに、途中で何故かヒロインが妙に色っぽくなっちゃったことで違和感が出てしまい、私の中ではある意味翻弄されてしまった歌だったりします。この歌、何が一番九州の列車たちに合うのかと言えば『歌詞』。コレが本当に素晴らしい。歌詞を思わず文面に書き記したくなるのですが、それをすると小林○星がどこまでも追いかけてきそうなのでニュアンスとして抽出しますと、

 『誇りを持った若者達が自らの信念を掲げ、歩みを進めていく』

…というもの。特にこのサビの部分がJR九州の特急車両たちを表現しています。歴史に名を馳せた『つばめ』を筆頭に、各々の特急のエンブレムを描いた旗を掲げた人々は、数々の笑顔とその陰に隠れた悲しみを引き連れて進んでいく…。いいじゃないですか。しかも2番の歌詞(テレビアニメで使われていた部分)はJR九州とJR西日本の関係性、九州新幹線と山陽新幹線の関係を示しているワケです。そのひとつひとつが泣きたいくらいに私の中でJR九州とリンクしちゃってます。

 その一方で客観的にJR九州を示す音楽もご紹介しておきましょう。歌の場合どうしても『歌詞』に感情移入してしまって、メロディラインを聞くという行為が少なくなってしまいます。その点音楽だけだとメロディが純粋に脳へと辿り着き、作曲者の感性が脳髄へ直接訪れます。そこで紹介したいのがコチラ。

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『クライズラー&カンパニー』の『ルネサンス』という曲です。元々はこれも『ザ・ニュースキャスター』という放送終了決定と同時に視聴率が向上してしまったというある意味かわいそうな番組のテーマ曲でした。シンセサイザーの音色の間から登場するヴァイオリンの音色、文明開化という時代を象徴するような『ルネサンス』ではなく、本当に音も無く突如やってきた変化に同調する人間を表現したような音楽に私は度肝を抜かれました。この衝撃は私が787系をこの目で見たときとほぼ同じです。是非中古CD屋で見かけた際は手にとって下さい。かなりいい曲です。

…今回の記事を書くためだけで久しぶりにこのCDを引っ張り出してきましたが、いやあ葉加瀬さん痩せてらっしゃる。今は長時間の演奏に対応するかのような体型になっていますが、この当時はまだまだフュージョンバンドを意識した体型…というカンジがします。実際この曲を生で聞いたら、ちょっと泣いちゃうだろうなぁ…。でも葉加瀬さんの顔を見たら大爆笑しちゃうだろうなぁ…。

 

Tetuon05 (カップリングが「燕」というのもまた一興)

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2007年7月 4日 (水)

夜行列車と共に聞く音楽<テツノート>

 テツノート一発目、やっぱりマイナーなシチュエーションが好きなので、音楽もマイナーな方向性でやっていきましょう。そろそろ時期的には夜行列車の季節、タダでさえドラマチック、暑い夜をもっと熱くするような展開が車掌に広がっていく、そんな夜行列車に似合う曲といえば…

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『セガサターン「NIGHTS」オリジナルサウンドトラック』の中に収録されている『DREAMS DREAMS』という曲。ジャケットの色彩がまぁと夜行列車と微妙にリンクされているではありませんか。曲が始まると夢の訪れを表現したような優しげな調べ、その後に突如やってくるジャズの音色。楽しげな『夢』を演出してくれているようです。全体的にディズニーの映画っぽい構成内容になっていますが、そこはソレ。ゲーム版では子どもの声で歌われていたのですが、こちらのサウンドトラックに収録されているのは大人バージョン。

「あれ?これってゲームの音楽だったっけ?」

と思わせるような芳醇な香を漂わせた少しビターな声。ソレが夜行列車にピッタリです。歌詞もまたいいんだ。英語なのでちょっと聞いただけでは『ゲームの歌』っぽくありません。いやあ、ジャ○ラックが文句を言わなければこの場所で全ての歌詞を引用したくなるほどいい歌だったりします。

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一方新しい夜行列車として登場した『サンライズ瀬戸・出雲』に乗車する際聞いてほしいのが『kids Return/久石譲』の中に収録されている『KIDS RETURN』。このアルバムの中に収録されている音楽には印象に残るフレーズが多様されていますが、その集大成とも言えるのが『KIDS~』ではないかと。映画の最後に主人公の2人が言う

 

『俺達、もう終わっちゃったのかな』

『バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ』

 

…という台詞がサンライズエクスプレスの存在意義に何となくダブってしまうのは私だけでしょうか。映画では監督が気に入らないとされていたこのメロディも、私の中では何故かシックリしています。

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2007年6月29日 (金)

テツノート

 空梅雨だといわれていても、時に雲を広げて大空よりやってくる雨。音がパラパラからザーッという音に変わる頃、耳を澄ますと微かに

ガタン、ゴトン

と聞こえてきます。そんな音を感じつつ、今日も鉄道の「知っていそうで意外と知られていないこと」を探すためにパソコンの前に座って、日夜試行錯誤しております。色々と考えてはネタ帳に書き始め、やっぱりネタとして纏められない。気づけばよくわからない文字の羅列だけが広がっていく…。でも、その時よくわからない、無意味だと思っていた文字の羅列は後に光り輝くモノへと変化していくことがあります。今回はその中からご紹介してまいります。

 

 このところ、鉄道の現場に『音楽』がたくさん乗り入れ始めています。特に最近注目されているのが発車時・到着時に流れる通称『発車メロディ』。以前『桜に包まれて』という項目でご紹介しました「さくら夙川駅」で使われている到着メロディにコブクロの『桜』、JR東日本恵比寿駅の『第三の男』、そして最近導入されたのが京阪電車の「つないだらひとつのメロディになる」というもの…。しかし、そのどれもが人生の中に響くというところまでは浸透していないような気がします。

 

まだ発車メロディというのが導入されてから時間が浅いというのもありますが、どちらかといえばまだまだ私にとっては『発車ベル』の方が「旅立ち」を感じてしまいます。大学卒業直後に訪れた秋田駅、さぁこれから夜行列車に乗って寝るぞ!…という雰囲気の中、流れてきたウォータークラウン(注:曲名)に違和感を感じまくったことをつい最近のように思い出してしまいます。

 ただ『音楽』の乗り入れというのはココ最近顕著に見られていますが、実際かなり前からあるそうです。古い文献を紐解きますと、静岡県の歌として認識されている『ちゃっきり節』や、イタリアの民謡『フニクリ・フニクラ』は実は鉄道がきっかけとなって生まれた歌だそうです。ちょっと昔ならば山口百恵さんの『いい日旅立ち』、小柳ルミ子さんの『私の城下町』、ヒロミ郷の『2億4000万の瞳』を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ココ最近ならばTOKIOの『AMBITIOUS JAPAN!』、鬼束ちひろさんの『いい日旅立ち・西へ』などが代表格として挙げられます。

 

…が、当レールウェイコンシェルジュとしてはメジャーな曲をご紹介してハイ終わり!ということは致しません。昔から私は旅行の際には勝手にテーマソングを決めてその歌にあった旅行を楽しむといったことをしておりました。どちらかと言えばマイナーな部類に入る歌と、その歌に似合った路線をピックアップ。その楽しみ方を提唱する…ということをちょっとの間だけやってまいります。暫くの間お楽しみ頂ければ幸いです。

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