バイキング、それは甘美な響き。
『まち子先生だ!ボインにタッチ!』
『いやーん、バイキング』
…。いや、それはぜんぜん違うって。
どうしょうもないツカミはあえて無視するとして、今回は私の超個人的な趣味に一つお付き合い頂きたい。
どうも私は他の人と趣味が違うらしい。私自身はそうは思ってはいないけれど、とにかく変わっているそうだ。…変わっていない人間というのはいるんだろうか。いや、今回はそういう暗い話題ではない。とにかく私の趣味の話だ。
その中の一つの趣味が「バイキング巡り」。これだけ聞くと普通。ましてや「シティホテルのバイキング」と言うと「んまぁなんて高級な趣味をお持ちでザマショ」と厭味ったらしく言われるのだが、ただこの単語の前にある文章を付けると世間の見方が一気に変わる。
その言葉は「朝食」。
そう、私はホテルの朝食バイキングが好きだ。
シティホテルのレストランと聞けば誰もが尻込みする。しかし実際朝食バイキングはランチバイキングやディナーバイキングと比較すると安い。ついでに朝食だからと言って手抜きはしていない。そこはやはりシティホテルの意地というヤツだろうか。ホテルで朝食を食べ、窓から降り注ぐ太陽の光を感じながら今日をどのように過ごそう…。そう考えるだけで普段とは違う何か特別な一日になりそうだから不思議だ。まぁ単に「朝早いから」という理由でわざわざホテルに行くのかという抵抗感があるとは思うが、行ってみればわかる。とにかくいいのだ。
まずシティホテルの朝食バイキングというのはどういうものなのか。一般的なシティホテルの朝食バイキングの一例として広島駅の真横にある「ホテルグランヴィア広島」を紹介する。
大抵の朝食バイキング会場はロビーに近いちょっと大きめな喫茶室、もしくはあえて「バイキングレストラン」と銘打っているレストランになっている。グランヴィア広島もその例に沿ってフロントの真上に朝食バイキングの会場となる「ヴァンヴェール」が営業している。
ボーイさんに席へと案内してもらい、自分の手で食べ物を皿に盛りつけていく。目移りしそうになるのは朝食であろうとランチであろうと一緒。空腹から解放されようとしてどの食べ物もおいしそうに見えるのは気のせいか。
どこの朝食バイキングでも和食は結構目立たない個所にある。どちらかと言えばホテルの朝食=パンのイメージが強い。確かに焼きたてのパンだから美味いことは美味いんだけれど、炊き立てのご飯もたまらなく美味いことだけ申し上げておく。
(「ヴァンヴェール」でもかなり奥の方にあるので注意が必要)
ついでに「ヴァンヴェール」では食器が下の棚に置かれている。スペースの都合かもしれないけれど、ここは若干改善の余地ありといったところか。
…さぁて、ここからはちょっと変わっている朝食バイキングをご紹介していこう。
大阪の阪急梅田駅の真横にある「大阪新阪急ホテル」。最近ホテル激戦区とも言われている大阪駅前においてここは「バイキング」で有名になっている。
100種類のバイキング料理が楽しめる「グルメバイキングオリンピア」が館内にある。このレストランは関西圏在住の人間ならば一度は聞いたことのある超有名なバイキングレストラン。
(今年の秋の趣向は約1000人前のモンブラン。美味そう。そしてこっちの方がネタになりそう)
そんな朝食バイキングの会場となる「オリンピア」は新阪急ホテルの地下1階にある。
(関西人ならばワクワクする門構え)
ここで遭遇したのは海外、特に中国からやってきた団体旅行の皆さん。意外かもしれないが朝食バイキングは宿泊されているお客様に合わせてメニューがコロっと変わる場合がある。
(開場。ものすごい勢いで入って行く人々)

そこで目に飛び込んできたのは「関西」を代表する「たこやき」と「うどん」の文字。そして中華系の人々のためにたっぷりと用意されたお粥の数々。朝食で中華系の方々に敬意を示し、そして日本と関西を紹介する。この心意気は見習わなくてはいけません。
あと忘れていけないのがオムレツ。場所によってはバイキング会場にコックさんが常駐し、オムレツを焼いてくれるサービスが。アツアツトロトロのオムレツが食べられるというのはまさに贅沢。
(この「オリンピア」で私が特に気になったのが「カレー」。朝のカレーは確かに美味いが、何を食べても口の中がカレーになるという両刃の剣)
ここまで来ると当然「最高級ホテルの朝食バイキングはどうなっているのか」が気になるのは当たり前な話。ココはやはり身銭を切って行くしかないでしょ。
(誰かボクを呼んだかなぁ・リオン君談)
大阪の西梅田地域にある世界有数の高級シティホテルチェーンの一つ、「ザ・リッツ・カールトン大阪」。ここのフロント奥に朝食バイキング会場ともなるレストラン「スプレンティード」がある。
(ここは日本じゃないだろ)
やはり欧米の方々が宿泊されているケースが多いのか、ラインナップには「和」がほとんど感じられない。ただその食材のどれもが尋常じゃないこだわりがある。
(コーンフレークはむき出し、つまり湿気てもいい状態。焼きたてパンのラインナップがすごい。思わず写真がボケるほど。ほっとステーションにある暖かい料理は全て暖かい、そして美味い)
この中で一番変わっていたのが卵料理。先ほどの新阪急ホテルと同様にコックさんがひとつひとつ丁寧に焼きあげてくれるのだが、ソレがフライパンではなく単なる鉄板。
(鉄板でオムレツ。オムそばではない)
大阪人なら鉄板=お好み焼きという図式が成立してしまうのだけれど、ここでは鉄板=オムレツ。ちなみに大抵の卵料理(目玉焼きからパンケーキなど)もこの場所で調理してくれるとのこと。多分どこかのホテルでやっているんだろうとは思うが、正直私はコレに驚いた。普通オムレツというのはフライパンで作るものだと思っていたらコレだもんなぁ。
(この日の朝食。値段が値段なだけに美味いのは当然)
(ちなみにお値段は税・サ込で3955円)
ついでにプチ情報として「スプレンティード」ではお客様の要望があればご飯やお味噌汁等の和食も用意して頂けるとのこと。でもまぁこれだけ美味いパンや料理があればいいじゃないの。
ホテルでランチやディナーを味わうこともそれは楽しいかもしれない。だけれども朝ごはんはそれ以上の喜びを得ることができる。しかもお手頃と言えば「朝食=外食」という図式が成立してもいいんじゃないかと思ってしまう。みなさんもよろしければ試して下さいまし。