2009年5月25日 (月)

Electrical KEIHAN Parade

 京阪電車さんが一風変わったイベントを仕掛けてきました。

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そのイベントの名前は『走る!踊る!五月のダンストレイン』。普段何気なく利用している京阪電車の車内でプロのダンサーさんがダンスをする…というもの。しかもそのダンスを見終わった後、我々が感じた事を表現する…。

文字に認めてみてもどういうイベントなのかよくわかりません。わからない時はこの目で確かめる。立ち止まるヒマも考える余裕なんかもありません。というわけで見てきました。

(どうでもいい話ですが今回の更新、写真が多過ぎです)

 

 

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開催日は平成21年5月10日、初夏の麗かな日曜日の午後。場所は御存知京阪電車さんフリーク御用達(?)の枚方市駅。

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私が駅のコンコースに到着したころには既に黒いジャンバーを着たイベント関係者の皆さんが参加者を誘導しておりました。遅れてはならないとばかりに私も列へ。

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コンコースには変わったイベントを取材しようと「報道」の腕章を付けたカメラマンの方、鉄道を使ったイベントを記録しようと一眼レフを持った駅員さんの姿が。このイベントの注目度が高いことが伺えます。

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参加料の2000円を支払い、手渡されたのはイベント用の乗車券とちょっと変わった形をしたイベント参加パス。このパスの形状は後々イベントで使うとのこと。

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(あまりに堂々としている鳩を被写体に即席写真撮影会勃発)

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待つことおよそ10分弱。期待と興奮が最高潮に達したころに移動の合図が。わらわらと自動改札機をくぐりぬけ、ホームへと駆け上がります。

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(貸し切り列車が入線する5番線ホームに辿り着くと、既に鉄な人々が鈴なり)

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使用される列車は普段一般的に使用されている2600系。正面に「団体」という種別板が付けられているだけなのにこの人の多さ。貸し切り列車がほぼ皆無の京阪電車、今回のイベントの注目度が高い事を伺わせます。

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舞台は本当にいつもの京阪電車。広告もそのままです。「踊り子さんには手を触れませぬように」というストリップ劇場のようなアナウンスが車内に流れ、ダンサーの方も次々と乗車。いよいよイベント開始です。

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今回のイベントで大活躍するのがこの変わった形をした参加パス。電車の中で繰り広げられるダンスを、中央が切り取られているこのパスを通して見ます。

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簡単に言えばこれがフレームとなるわけです。繰り広げられるダンスをこの枠で網膜や脳内に焼きつけ、印象に残った場面を後で我々が表現していく…とのこと。

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(電車の中のイベントなので楽屋が無い。手荷物は全て網棚に置いた)

さて、肝心かなめの「列車内のダンス」。編集していたら「結構な分量」になりましたので、詳細はコチラをご覧頂くとして、ここではダイジェトでお送りしましょう。

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…ダンスに見えますでしょうか。これが車内で行われた「ダンス」です。

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一般的に思われるような音楽に合わせるものではなく、どちらかといえば窓の外を過ぎ去る風景やレールの繋ぎ目の音に照準を合わせたような「ダンス」。かと思いきや…

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突如猛烈に走り去る舞妓。車中の参加者は「この後何が起こるんだろう」という意識が先に来てしまって結構真剣な表情で見ていました。ただこのイベントを客観的に見るとこういう感じでしょうか。

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途中停車した駅のホームで「たまたま見た人」にとって、この車内の光景は「稀有(けう:意味は「滅多にないこと」)」そのものだったのでしょう。芸術というのは「紙一重」な部分があります。その為にどうしても「芸術」という色眼鏡で見てしまうことも多々あります。しかし実は身近な所に芸術というのは潜んでいる、今回のダンスパフォーマンスはそういったことも教えてくれた…ような気がします。

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(左:分かりにくいですが京橋駅を通過、右:フィナーレの体制)

ダンス列車が京橋駅を出た頃、車内の舞台はいよいよフィナーレとなりました。劇場では緞帳がおりますが、ここでは地下へと続く天満橋駅の闇が緞帳代わり。

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列車がなにわ橋駅へ到着するとダンサーの方々も表現者の仮面を脱ぎ棄て、安堵の表情を浮かべます。列車は配線の都合上、ダンサーを乗せて一旦中之島駅まで移動していきます。

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なにわ橋駅の改札口を出て、駅の構内にあるアートエリアB1へと移動。いよいよ第二部の始まりです。

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この場所で先程特製パスを通して網膜に焼き付けたあの踊りを紙の上で表現する。これが第二部のメインテーマです。普段「表現」を故意に行っていない人が「表現」を受けて「表現」する立場に立つ、そこで起こりうる表現の波紋を楽しもう…というのがこの企画の狙いなのでしょうか。

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用意されたクレパスに最初参加者の方々は戸惑いを感じていましたが、徐々に楽しさが広がっていい雰囲気に。紙も通常なら「白」を用意するところ、あえてそれ以外の色も用意されているところがニクいです。参加された方々には芸術に日頃関心を持たれている方が多く、みな童心に帰って書いています。

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もちろん私も芸大出身の身、ある程度「表現すること」に関しては覚えがあります。以前の企画では小さくまとまり過ぎてしまいましたが、今回はあえて大胆な手法でガシガシと一心不乱に「表現」することにしました。

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どぉーだい?アバンギャルドだろ?

…失礼いたしました。左の方は「通常の世界に組み込まれる稀有な動作(ダンス)」を表現し、右の方は「仕組みの中でもがくダンサーの熱意」をぶつけてみました。

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描かれた作品は次々とアートエリアB1の柱に張られていきます。技法はどうであれ同じダンスを同じ空間で感じ取れる様はなかなかいいものです。張り出され始めた頃にちょうどダンサーの方もアートエリアB1に到着、張り出された絵を興味深く見ております。

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その表現に閃きを感じたのか、ダンサーの方々が次々と新たなダンスを披露し始めました。列車という日常の空間から生み出したダンスを受け、紙に書き写した参加者の表現を受けてのダンス、「表現」が広がる様はまるで池に広がる波紋の如く。

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最初このイベントを開催すると聞いた時、正直「どうなることか」と思っていました。ヘタすれば「芸術バカだけが称賛する敷居の高すぎるイベント」になるのではないか…。しかし実際に見るとコレはコレで面白いイベントではないかと。列車という日常とダンスの非日常の感、まれに見る稀有な空間を作り出した今回のイベントはなかなか有意義なものでありました。

これ、意外とくせになりますぞ。

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<オマケ>

お気づきかと思いますが、途中からカメラがデジカメから携帯に変わっています。書くことに熱中しすぎてデジカメの電池が切れちゃったんです。残念。

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Electrical KEIHAN Parade (イベントの写真)

2009年5月10日に開催された「走る!踊る!五月のダンストレイン」、その車内で展開されたダンスの模様をご紹介します。車内には70年代のキャバレーで演奏されていたであろうムード満載の音楽と、音曲さんが奏でる生演奏が常に流れておりました。

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ここからは写真と合わせて私が感じた感想を連ねておきます。私が感じた戸惑いを追体験して頂ければ幸いです。それではどうぞ。

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私が乗車した車両ではダンスユニットのセレノグラフィカのご両人が電車内での恋愛をモチーフとしたダンスを披露。…ただ問題はこれがダンスという概念からかけ離れたものになっていました。

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一般的なダンスというのは音楽に合わせて動きを付けるというものですが、その概念を取り払った動きが展開されています。こんな状態だと笑うしかないでしょ。

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(いーとーまきまき、おもむろにびろーん、さぁそこの貴方もこの糸を持って)

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(びろーん)

ダンスという概念を。

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(ままぁー、あの人電車で何してんの?)(いいから黙って笑っとけ。)

特急の通過待ちで停車した香里園駅での一コマ。普段とは全く違った列車なのですからそりゃあ好奇の視線で見てしまいますよねぇ。

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香里園駅を出たところで全く違うダンサーさんが登場。さぁこれからどんな展開が繰り広げられるか…と思ったところで、

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(しゅたたたたた)

白塗りの着物女性爆走。アメージングという言葉はココで使うのでしょう。

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萱島からの複々線区間では「普通」のダンス。先程と比べると落ち着いて観賞することができたのですが、ソコはやはりアートエリアB1。京橋駅に近づくと猛烈な情熱が。

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(京橋駅通過!終着駅のなにわ橋駅まで残された時間はわずか!どうなる!?)

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(突然隣の車両から最初に踊っていたセレノグラフィカさんが登場)

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「2人のこの手が真赤に燃える!幸せつかめと轟き叫ぶ!」

…って違いますよ。

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(ちゅどーん)

…こうしてダンスイベントは終わったのでした。

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2009年3月 7日 (土)

駅ナカの小僧、スジを試みる。

 山陽・九州新幹線の名前が「さくら」になるそうです。以前当レルコンでは「新しい新幹線の名前を妄想してみた」や「空想浪漫鉄道(逆走編)」で幾度となく「さくら」という名前を出しておりました。

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(こういうのを何も考えずに書いてましたなぁ)

「妄想」が「現実」になる。「ヤッタ!オレが名付け親だ!!」と叫んだ方がイタくていい感じなんでしょうけれども、実際問題ネタとして書いていた以上ある意味気持ち悪いものです。ハァ。まぁいいや。

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(中之島線利用促進策実行中・京阪電車京橋駅にて)

さて、そろそろ本題に行きましょうか。先週時間に追われつつ書いてしまった「京阪電車のダイヤ」の本題へまいります。どうでもいいですが「ややこしいネタを振ったなぁ」と反省しております。新しいダイヤグラムを提唱する前にとりあえず現実のダイヤはどういうものなのでしょうか。

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そこで登場するのが「京阪電車時刻表」です。インターネットが社会を席捲して10年以上、今や携帯電話からでも乗換案内を利用する世の中となりました。日本全国津々浦々如何なる山村離島まで移動するにはJRの大判時刻表が必要ですが「大阪」と「京都」、しかも京阪電車というかなり限定されたエリアを移動する際にはハッキリ言って必要ではありません。

…でも何故か買っちゃうんですよねぇ。これが悲しきテツの性。

さて、時刻表があるということなので例によって例の如くスジを引いてみる作業をするのが定番ですが、そこはソレ。グラフとボールペンを多用したあの項目から幾分か離れ、「文明の力」を多用させて頂きます。っていうか、あんな「行」はしたくありません。

そこで今回は「OuDia」という鉄道のダイヤを作成するフリーソフトを使ってスジを再現してみます。…というか、してくれていたデータがありました。ソレを最大限に利用し、不足する情報は時刻表から読み取りまして、私の妄想を構築してまいります。あらかじめ申し上げておきますが、今回の内容は全て「妄想」ですので、

「淀屋橋駅や中之島駅構内の配線を無視しているぞ!」

「車両や編成を考慮していない!」

「現実に即していない!不便だ!」

ということが多々見受けられるかと思います。どうぞそこら辺は生温かい目でご覧頂ければ幸いです。

  

さて今回の空想ダイヤ。だいたいダイヤ改正(改定)ともなると何らかの目玉が必要になってきます。中之島線開業時は中之島線の開業と共に新種別「快速急行」の登場が話題となりましたが、今回の妄想はどちらかと言えばこのダイヤの手直しというカンジになるかと。

一番の目玉は「昼間30分ヘッド」から「疑似20分ヘッド」への変更です。

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(左:淀屋橋駅の時刻表、右:三条駅の時刻表)

「30分ヘッド」というのは簡単に言えば「30分置きに同じダイヤグラムで運行します」ということです。現在のダイヤグラムはパッと見ると「10分置きに特急がやってくる」ので10分ヘッドだと思われてしまいますが、京橋駅から枚方市駅までの間は「快速急行」や「区間急行」が30分に一本のペースで運行されていますので、「30分ヘッド」と認識することができます。

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(17時台まで30分ごとに同じ列車が運行されている)

そこを20分間隔に縮めます。今まで30分に1本だった快速急行を20分に1本、中之島線における京都方面への利便性をコレで向上させます。

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(淀屋橋駅の時刻表。17時台から20分ごとに快速特急が設定されている)

コレにはもちろん根拠があります。現在夕方の帰宅ラッシュは「30分ヘッド」ではなく「20分ヘッド」。このパターンを昼間にも採用することで、現行のダイヤグラム以上に効率性を追求できます。

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(渡辺橋駅の時刻表・左の平日ダイヤは区間急行の運行本数が多い)

ただ現在のダイヤを踏襲すると中之島線は1時間当たり6本の区間急行が運行されています。これでは供給量があまりにも多すぎるのでコレを半分の3本へ。時間帯によってバラバラだった行先をすべて「樟葉」駅へと統一します。この区間急行と快速急行を等間隔で運行することで中之島線の「わかりやすさ」を追及します。

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…ただ問題なのが快速急行を担当している「3000系」。新しく導入されたこの車両も京阪電車の面白い伝統を引き継いで編成数が結構ギリギリ。しかも平日の夕方ラッシュ時には全編成が出場していることもあるそうです。

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快速急行に使用されている車両のやりくりも大変なので、中之島駅から増発された快速急行3本のうち1本を途中の枚方市駅までとします。専用車両を使わないことで「この列車は途中の枚方市までしか行かない」と乗客の皆様に分かって頂けるかと思います。この途中までの列車を1時間に一本組み込むことで疑似的に枚方市駅から先を20分ヘッドに設定し、途中駅の利便性を向上させてみることにしました。

ちなみにこの妄想ダイヤは現行のダイヤと比較すると幾分か運行距離数が増えるようになりますが、運行本数自体は減少することができます。

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…うーん、ここまで文字が連続するとなんのこっちゃ分からないと思われている方も多いかと思います。そこで空想ダイヤのデータをアップしておきます。本来ならば夕方のラッシュ時や朝の通勤ダイヤなんかも考えようかと思ったのですが、どうもここら辺が私の限界みたいです。どうぞご照覧頂ければ幸いです。

「keihanmouso.oud」をダウンロード ・要OuDia>

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2009年2月21日 (土)

駅前の小僧、スジを思う。

 先々週「とまれコレクション」がある意味「不本意な形」でデイリー道場さんに採用されたこともあり、暴発的なアクセス数を記録しました。面白いことに多くのアクセス数を頂いた一ヶ月間は何故か普段よりも一般的なアクセス数が少なくなります。多分今週来週と少なくなると思いますので、思いっきり趣味的なネタを3週に分けてやっていこうかと思っております。

 さて、今回取り上げるのは「妄想浪漫鉄道・ふたたび」の項目でも行いました京阪電車さんのダイヤグラムです。またぁ?と思われるかもしれませんが、今しばらくお付き合いの程を。

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昨年のちょうど今頃、私は開業前の京阪電車さんのダイヤに関していくつか妄想していました。その内容は面白いぐらいに当たっていませんでしたが、それ以上に京阪電車さんは実に興味深いダイヤグラムを形成して下さいました。

ひとつが快速急行等の新たな列車種別の登場です。主としては「快速急行」」という従来の特急停車駅に大阪方面の急行停車駅をいくつか組み込んだ実に「ちゅーとはんぱ」な種別を創設しました。この他に通勤時間帯の準急や快速急行に「通勤快速急行」「通勤準急」、夕方ラッシュ時には従来の「K特急」を「快速特急」に改称したり、最終の急行に至っては「深夜急行」という小説のタイトルかと思えるような種別を登場させました。

快速急行の設定によって不便が生じるであろう淀屋橋方面に対して、枚方市止まりの特急を新設したり、中之島駅から樟葉駅という長距離間を走行する区間急行を設定するなど、これだけ見ても突っ込みどころだらけ。

そこで今回は改めて京阪電車さんのダイヤを私の偏見で勝手にいくつか妄想してみたいと思います。前回同様実に突っ込みどころは満載ではありますが、しばらくお付き合いください。

妄想する前に京阪電車さんの現在使われているダイヤを検証してみます。趣味的なスジならば誰だって引けますが、ある程度現実に則したものでないと面白くありません。創造する場合、障害を与えることは可能性を阻害してしまいますが、妄想する場合はある程度制限を加えないと単なるヨタ話になってしまいます。今のダイヤの問題点を妄想であってもできる限り解決していかないといけません。そこでなんとなく思い浮かべたのが次の*点です。

1:中之島線の乗降客数が少ないのに平日昼ダイヤでは毎時8本の列車が運行されている。

…乗車の機会が多いというのは便利ですので大丈夫ですが、鉄道を運行して利益を得るにはある一定以上の乗客数が必要となります。ローカル線ではよく言われることですが、都市部であってもそれは同じです。

2:意外と分かりづらいダイヤ設定。

…現在のダイヤグラムは中之島線開業以前の10分ヘッドのように見えて実際は30分ヘッドとなっています。それは快速急行が運行される時間を見ると明らかです。以前の3扉特急のダイヤを樟葉からの京都寄りで再利用し、大阪寄りでは新たなダイヤを引いています。そこを今回はちょこっとだけいじろうかと思っています。

3:乗って見ると便利なダイヤ設定を生かす。

…今まではケチを付けたような状態になっていますが、実際利用してみるとこの新しいダイヤは意外と便利だったりします。緩急接続が絶妙で、これだけよく考えられたなぁとしみじみ思ったりします。妄想する際もその意思をきちんと受け継ぎ、できる限り分かりやすいダイヤグラムを設定していこうかと思っております。

さて、どう変えていきますか。それは次回のお楽しみに。

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2008年12月23日 (火)

テツにまみれる

(※12月24日23時50分:一部表現を変更しました)

 いつもお世話になっているデイリーポータルZさんの「デイリー道場」で、「今年やり残したことをやる」というお題が出ている。先週私は今年書いた記事を振り返ってみた。そこで思ったのが「鉄道イベント」に参加していないということだ。コレは大変だ、急いで参加しなきゃ。

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鉄道のイベントといえば「車庫の一般開放」「新路線・新車」「さよなら運転・廃線」に分類される。その中で一番盛り上がってしまうのが「さよなら運転・廃線」。つまり明日から見れなくなる、乗れなくなるというものだ。この盛り上がりは一種異様で、鉄道ファンの間ではそのイベントに出る人の事を「葬式鉄」と呼び、軽蔑する人達がいる。

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12月は何故か「お別れ」がキーワードとなるイベントが私の回りで沢山あった。0系新幹線もそのうちのひとつ。当日は0系新幹線よりも大切な人を西方浄土へ送り出すため、見送ることができなかった。ただ新大阪駅に立ち寄ってイベント前のちょっとした風景をこの目で見ることができ、後に親戚宅でその模様をニュースでじっくりと見た。遠くなる姿に私はそっと語りかけた。ありがとう新幹線。

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(当日の新大阪駅はテツだらけで、国賓以上の警備体制だった)

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その日から6日後、レルコンでは高い頻度で登場している「京阪電車」でも同様の「さよなら運転」イベントが開催された。今回はこのイベントに参加している「テツ」になろう。そうだ、私はこれから「テツ」になるんだ。

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さよなら運転の主役は京阪電車の1900系。私がレルコンで最初に書いた「京阪電車・匠の技」でも取り上げた由緒正しい車両だ。実際には京阪中之島線の開通時に運用から外れていたのだけれど、この車両が12月20日をもって正式に引退する。

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(ちょっと過去の写真を探してもこれだけ出てきた)

この1900系は思えば実に京阪らしい車両だった。新しく作られた車両と元からあった車両を同じ系統に、特急型として作られたが一般型へと運用を変更、その際にドアを新しく一つ追加、冷房化する際に車体を補強したら思った以上に費用がかかった…等々、調べれば調べるほど京阪を如実に感じられる面白い車両だ。そんな京阪を代表する1900系がいよいよラストランとなる。

そこで冒頭の写真に戻る。

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少し前に三脚を直そうとして貨物列車と接触した人身事故があった。そのことから安全面を考慮し、駅構内で脚立を利用しての撮影を禁止したのだろう。実際こういう「さよならイベント」の際は脚立がトラブルの火種となる場合が多い。京阪を代表する車両が引退するイベント故、トラブルを避けるためのルールを明示しておくのは有効な手段なのかもしれない。

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実際に枚方市駅へ向かうと、既に「テツ」はホームにいた。到着した時にはもうイベント列車が走りだそうとしていた頃なので、ホームは「何故カメラを抱えた人がこんなにいるんだ」という不思議な空気が漂っていた。これに違和感を感じてはいけない。何故なら私はこれから「テツ」になるからだ。

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(個人的には9000系のリフォームも捨てがたい)

今回はこの枚方市駅だけでなく、京阪電車を撮影する人々、つまり「撮り鉄」な人が集合する駅に移動してみることにする。そこで私は完璧な「テツ」へと変貌を遂げるのだ。

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(車中流れる風景にはどこかに「撮り鉄」がいた)

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まずは大阪市内にある「森小路駅」。

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この駅は京阪の複々線では特異的な配線となっている。他の駅は各駅に停車するタイプが走行する線路(B線)にだけホームが設置されているが、この駅だけは通過列車も走る線路(A線)にもホームが設置されている。

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その為迫力ある写真を間近で撮影することが可能。同様の形状である守口市駅ではホーム端に業務用の施設が設置されていて見栄えが悪い。しかも駅の京都側には速度制限があるため迫力ある写真を押さえるにはこの森小路駅が最適なのだ。

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現に私が森小路駅に辿り着くと、ホームの端寄りには撮影する人がいた。しかし絶好のポイントとはいえ駅の規模が小さいことが遠因となってか思ったほど多くはなかった。流石にきちんと節度を守って行動している。素晴らしきかな「撮り鉄」の皆様。

…しかし、この現場で私が「テツ」になるというのは他の人々に大いなる迷惑がかかる。狭いホームに巨体は邪魔なだけだ。そこで私は出町柳方面へ向かう各駅停車へ乗り込み、一路西三荘駅を目指した。

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森小路駅から引き返し、西三荘駅へ向かう。過去「駅のベンチで彼女にアウディ」という項目で取り上げたこの駅も撮影ポイントとして有名だったりする。駅に到着すると既に「撮り鉄」の皆様が準備の真っ最中。

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西三荘駅は他の駅と違い、ホームの幅に余裕がある設計となっている。しかもこの日は土曜日。最寄にあるパナソニックの本社へやってくる人も多くなく、ファンと駅員さんの間に流れがちな殺伐とした空気も感じられず、鉄道への愛に満ち溢れていた。そうか、これを「アットホーム」というのか。

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(大阪行ホームも「撮り鉄」な方々が満載)

その時私は気になったことがあった。何故か軽い疎外感が私の中にあった。過去幾度となくこういうイベントがあったが、その時よりも疎外感を肌で感じてしまう。西三荘駅ではなく古川橋駅の方がよかったのか。

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(車内から見た古川橋の写真)

どうしてだろう、なんでだろうと思いながら私はラストランを見送った。

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最後の走行を見送った「撮り鉄」な人々は即座に撤収作業を始める。いつも思うことだけど、世間の人達が想像するよりもマナーが良く、そして手早く撤収をする。この潔さをこの目で見て、そして気づいた。私はまだまだ「テツ」としてはひよっ子なのだということ。「鉄道」は一つの趣味ではなく「道」、「剣道」や「柔道」の様に自己を鍛練し、極めて行くものではないのかということ。来年は弛んだ心(および体)を引き締め、精進していこう。そう私は心に決めた。

 

最後に今回のイベントを企画してくださった京阪電車の皆様(しかも最後の列車には登場当時のような化粧を施すという実に芸が細かい!)には心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

<オマケ>

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最後に私の尊敬する「てっちゃん」の写真を。絶対オレ怒られる。

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2008年10月15日 (水)

月光に向かって走るあの列車を見送ろう

  10月です。神無月です。レルコンを長い間ご覧になられている方ならお分かりかと思いますが、また一つ年を取りました。

「おめでとう、オレ」

「ありがとう、オレ」

…というわけで、今年も自分で自分をお祝いします。ええ、ものすごく強がりです。

さてお祝いするとしても何をすればいいのか。私自身物欲や金銭欲、性欲や独占欲といった欲望が殆ど無い人間なのでこういう時どう自分自身を祝えばいいのかが困ってしまいます。ただ今回は違いました。誕生日を迎える数日前に

「寝台特急『富士』『はやぶさ』が来年3月で廃止」

というニュースが飛び込んできました。残念なニュースではありますが、誕生日前にこのニュースが飛び込んできたというのは何かの縁。残り少ない彼らの活躍をこの目に焼き付け、それを今年の誕生日プレゼントしよう。今回はその一部始終をご覧戴きます。

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(これが寝台特急のマーク。デラかっちょいい。)

 その前に「ブルートレイン」をご説明申し上げます。高度成長時の1958年に夜行列車専用車両として製造された20系客車。この客車の車体は青一色に統一され、その姿が美しいところから「夜行列車」=「ブルートレイン」という図式になったようです。

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(ブルートレインの写真を探したら約10年前の写真しかなかった)

私が子供の頃はブルトレブームがあり、鉄道雑誌を見ては「ブルートレイン、かっこいいなぁ」なんて思っていたものです。その後生活様式の変化や車両自体の老朽化等様々な要因が重なり「ブルートレイン」は次々と廃止され、寝台車両のみで構成される夜行列車は10本に満たない状況となりました。

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(左:東へ向かう優等列車の時刻表、右:西へ向かう優等列車の時刻表)

 来年の3月に廃止になる「富士」と「はやぶさ」は東京と大分・熊本を結ぶ通称「九州ブルトレ」であり、現在東京から九州方面へと走る唯一の寝台特急です。20系客車を使った夜行特急が設定された当初は京阪神地区を深夜に通過するダイヤでしたが、現在は九州方面へ向かう列車のみ京都駅と大阪駅に停車しています。

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(23時頃の大阪駅コンコース)

 「富士」と「はやぶさ」が東京駅を発車するのは18時3分。スピードを出せない寝台客車ですので、大阪着が次の日の1時。テレビ業界でいうところの25時、つまりはド深夜になるというわけです。そんな時間だとよい子は眠っているでしょうし、恨みを晴らしたい人はそろそろ五寸釘と藁人形を抱えて神社へ移動を開始していると思われます。自宅から大阪駅は意外と距離があります。私は大阪駅近くの格安ホテルに寝床を確保し、深夜の大阪駅へと出向きました。

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(左:パタパタには夜行列車しか並んでいない。右:桜橋口のバスターミナル)

新幹線の最終も出て、急いで帰宅する人々が多い23時の大阪駅。桜橋口の真横にあるバスターミナルでは各地域に発着する夜行バスが次々と発着していきます。深夜の移動という需要を満たしているのは残念ながら列車よりもバスになってしまいました。…とはいえ夜行列車は数が少なくなっていてもまだまだ運行しています。「富士」と「はやぶさ」を見送る前にホームに上がって見てみましょう。

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(駅構内に入るには入場券が必要なので購入)

まずは北陸方面と新潟を結ぶ急行「きたぐに」。

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(フラッシュ撮影厳禁なので映像からトリミングしました)

夜は寝台、昼は座席に変えることができるという特殊な客室構造を持った583系が「きたぐに」には使用されています。

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(左:寝台をセットした車両。窓の上にある丸は寝台時に使う窓。右:座席状態の車両)

その特殊な構造故に一方には寝台、もう一方には座席という使い方をしています。大阪駅から滋賀県へ向かう最終列車の意味合いもあるのか、シーズンオフなのに結構な乗車率となっています。

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(入場券は発売から約2時間までなので新たに購入)

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(夜行列車が運行しているのでみどりの窓口は営業中。でもモニターの表示は終了)

次にやって来たのが東京へ向かう寝台特急「サンライズ瀬戸・サンライズ出雲」。

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(こちらも映像をトリミングしました)

東京行きの最終列車ということもあってか、結構大阪駅から乗車される方が多いのが印象的です。私も何回か利用させて頂いてますが、寝ころびながら朝早くに東京へ到着できて結構便利です。

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(「サンライズ」は厳密に言うと寝台特急ではありません。編成中央に「ノビノビ座席」というカーペットが敷かれた部屋があるため。運賃+特急指定席料金で乗れるのでここは便利です)

 

サンライズ瀬戸・出雲を見送り、ここからいよいよ本番です。

 

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(誰もいないホーム)

サンライズが出てから約10分後関西地域の最終列車も次々と出発し、駅から人が次々と去っていきます。

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来る列車は全て大阪止まり。降りる乗客は黙々と改札口へと向かいます。

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乗客がいなくなる一方、ホームには大阪駅の改造に伴う工事関係者が次々と現れました。新しい駅ビルの工事も始まり、いよいよ部外者という立場が明確になってきた感じがします。

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コンコースには誰もいなくなりました。普段は人で溢れかえる大阪駅も、こんな時間があったのかと思えるほど。静寂だけが駅に佇んでいます。

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(傍目から見ると猛烈に寂しい人)

大阪駅に私は独りぼっち。はた目から見ると深夜の駅で何をやっているんだろうと怪しさ満載です。そこに追い打ちをかけるアナウンスが構内に響き渡ります。

『本日の運転は終了しました。お降りのお客様は改札口までお越しください。シャッターを閉めます』

深夜とは思えないボリュームでホームに響きます。そして私が見送ろうとしたホームにも改めてアナウンスが。

『間もなくシャッターを閉めます。改札口までお越しください』

明らかにこのアナウンスは私向けのもの。私はその言葉を素直に受け入れ、改札口に向かうことにしました。

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…今回は見送ることを断念せざるを得ない状態となりました。まだ3月まで時間はあることですし、その際は実際に大阪駅から乗って最後のブルトレを味わおうかと考えております。まぁ誕生日の目的としては成立しませんでしたが、それ以上の興奮を味わえただけでもヨシとしますか。

2008yako0b(こういう表示はある意味絶望を表しているよね)

 

 

<オマケ>

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(「シャッターを閉める」と言っていたアナウンスは本当だった。改札口を出て正直焦る)

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2008年6月 7日 (土)

エコの大罪

   今月は環境月間ということもあってかテレビ番組などでエコロジー関連の特集を多く見受けます(このところのエコに関しては色々と言いたい事が山ほどあるのですが、レルコンとはあまり関係有りませんので割愛します)。エコロジーと言われて必ず『善玉』チックに扱われるのが鉄道です。

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確かにLRTに代表されるようなシステム作りや二酸化炭素を他の交通機関と比較したら排出しない、低エネルギーで大量輸送ができる等々利点はたくさんあります。しかしながらその利点の一方で鉄道は採算コストが高いという点はあまり知られていないような気がします。

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近年よく聞かれる「夜行列車の運行取り止め」や「地方ローカル線の廃止」。これらは運航することで生まれる利益より費用がかかりすぎる事が一端となっています。もちろん鉄道会社も単に指を咥えて時が過ぎていくのを待つのではなく、様々な努力をしています。そこで今回はコスト面をどのように解消しようとしているのか見ていきましょう。

まずはこの2枚の写真をご覧ください。

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一見違うように見えるこの車両、実はどちらも同じ『113系』と呼ばれる近郊型の車両です。JR西日本さんは経営努力の一環として国鉄時代がら受け継がれてきた車両をリフォームすることで車両を長持ちさせる方針を取っています。窓の構造を整備しやすい形状に変えるだけでなく、客室内を時代のニーズに合った形に変化させています。

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大阪環状線を走行している『103系』と呼ばれる車両にも同じような手法が用いられています。こちらもリフォームすることを前提としていますが、その一方で大型の窓を採用することで窓に使う窓ガラスの量を削減、メンテナンス性を向上させた構造となっています。

…ただこれだけ見ると「JR西日本はなんてケチな会社なんだ!」と思われるかもしれません。でも古いからといって蔑むのは間違った考えだと私は考えます。その運行する路線の事情を考慮せず新型車両を運行すれば自ずと故障や運行障害等が多く発生することに繋がってしまいます。その地域に応じたやり方が一番だと思います。

さて、その一方で私鉄はどういうやり方でコスト面を解消しようとしているのでしょうか。こちらの写真をご覧ください。

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この2つは近鉄電車さんと阪急電車さんの代表的な車両です。一見すると「だから何?」という言葉で終わってしまいますが、実は近鉄電車さんと阪急電車さんにはこれと同じような形の電車がたくさんあります。鉄道ファンならわかりますが一般的な方だとどれがどれやらわからないハズです。電車の形状をある程度統一することで部品を共用でき、大量仕入れすることでコストを下げていくという技法を取っているようです。

もちろん近鉄さんや阪急さんは各々自社系列の鉄道車両製造会社を持っているから作りやすいやり方で作った等様々な要因が考えられますが、私はあえて統一したのではないかと考えています。その考え方が最近の電車にも取り入れられています。

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JR西日本さんが所有している207系、こちらの妻面側の窓は真横の窓と同じ構造になっています。どちらも同じ寸法で同じく換気用として上下することができる窓です。そう考えだすと一見違う車両でも実は同じ部品を用いているのではないかと勘繰りたくなるのは人の常。

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例えばJR西日本さんが導入している321系と207系、どちらも用途が通勤用なので運用面も似通っています。両者とも外観は違うように見えますがよくガラスの部分を見てみますと…

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ほぼ同じ形状をしているではありませんか。ただでさえ電車の先頭部分というのは損傷しやすい個所です。なので新しい車両を導入する際に新しい形のガラスを用いるのではなく、あえて今までの車両と同じ形状のガラスを採用したのではないかと考えられます(まったく違う車両だと思わせる、デザインの力はすごいです)。

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そう考えると近郊型の車両もありえるのではないでしょうか。特にJRになってから導入された221系と223系は用途も同じであり、なおかつ両方とも多数。共通化していればコストが下がって万々歳なハズです。

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ただ223系の場合は下の部分が狭くなっているのに対し、221系は流線形のフォルムを強調するかのように上の部分を狭くしています。もしかしてこの部分を上下逆にすれば…!さっそく検証してみましょう。

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写真に入っている窓の部分を切り出し、同じ寸法に仕立て直します。そして221系の画像を上下逆転し、輪郭だけを取り出します。今回はこの輪郭と223系の写真を組み合わせて本当かどうか確認します。さて、どうなることでしょうか!

 

 

 

 

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…怪しい。この状態では怪しすぎます。それならばいっそのこときちんと合わせてみましょう! 

 

 

 

 

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…ぜんぜん違いました。いやあ、予想と現実は全く違うものなんですねぇ。まぁ製造時期が221系と223系の間はかなり離れていたということもあって新たな形状にしたのではないかと考えられます。まぁそんなにうまい話はないということで。

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2008年5月25日 (日)

たまと苺と時々おもちゃ

 和歌山電鐡(わかやまでんてつ)貴志駅の「たま駅長」がスーパー駅長に昇進したそうです。ちょうど時間ができたので「たま駅長」の仕事っぷりを確認するために和歌山電鐡の貴志駅へと行ってきました。

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 確認するその前に和歌山電鐡という会社はどのような会社なのかご紹介致します。以前『貴志駅とビートルズの関係』という項目の中でも触れましたが、赤字で廃止寸前だった南海貴志川線の路線を継承するために和歌山電鐡は設立されました。この和歌山電鐡は一時期よく見受けられた「第三セクター」ではなく、純粋な民間企業です。そのため収益を上げるための試みが随所に見受けられます。

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(例えば「貴志川線一日乗車券(一枚650円)」。往復するだけで元が取れる)

 その試みの中でテツ的には和歌山電鐡といえば『いちご電車』。

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(2270系電車、元々高野山へ向かう列車を改造している)

長年住民の足として支えた決して新しいとは言えない車両に新たなる命を吹き込んで仕上げたのがこの『いちご電車』です。JR九州の485系特急車両のリフォームを担当した水戸岡鋭治氏がデザインしています。

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(従来の列車とは違ってかなり存在を主張している)

「日本一心豊かなローカル線になりたい」という目的を達成するために『鉄道の存在を沿線の人々にアピールする』作品と言っても過言ではありません。可愛さは時に大きな武器となります。

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(車内に木材など自然素材を多用している点はJR九州の車両と同じ)

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(すだれと暖簾を設置したところもJR九州の車両と同じ)

 さて、話を「たま駅長」に戻しましょう。貴志川線や和歌山電鐡のことは知らなくてもこの「たま駅長」は結構知られています。鉄道業界初公認の駅長就任、ちび助役の職場放棄(そして復帰)、そしてここ最近では何故か銀幕デビュー…。そんな状況を見てか現在和歌山電鐡さんは「たま駅長」をモーレツに押し出しています。

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(車内にはこの広告しか掲載されていなかった)

ちょっと賑やかな広告や町並み、豊かな自然を眺めていること約30分、電車は貴志駅へと到着します。さて貴志駅はどうなっているのでしょうか。

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(たま駅長さんただいま勤務中)

いました、たま駅長です。

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(左:たま駅長のうしろにいるのがちび助役、右:ミーコ助役)

ちび助役、たま駅長のお母様のミーコ助役もおられます。

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(貴志駅には和歌山電鐡で唯一の駅長用個室が備え付けられている)

古い駅舎の一室を改造して作られたたま駅長の駅長室には英気を養うためのネズミ型フィットネス器具等が完備されるなど至れり尽くせり。そんなたま駅長の活躍ぶりを見学しようと駅の構内にはひっきりなしに人々が訪れています。

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(どんなに注目されていてもたま駅長は自然体)

この貴志駅に併設されている小山商店さん(たま駅長の飼主)の店内には多くの猫グッズと共にたま駅長・ちび助役・ミーコ助役に届けられた辞令書などが展示されています。

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(商品の一角にはたま駅長のコーナーが用意されている)

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(左:駅長勤務に対する報酬が書かれた目録。右:スーパー駅長賞の賞状)

さて気になるのはたま駅長の「招き猫」ぶり。さすがに招き猫といわれていますが本当に人を招くのでしょうか?確かに人はたくさんいるのですがそれはまるでいつもの風景にしか見受けられません。スーパー駅長なのですから、そこらへんはきっちりとして頂きたいところです。そこで2006年4月に撮影した貴志駅の写真がありましたのでそちらの写真と現在の写真を比べて本当に招いているのかどうか比較してみましょう。

 

 

 

 

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うわ、本当に招いてる!

確かにたま駅長は人を招いていることは明らかです。立派です。スーパー駅長という称号は大正解です。小さな体に大きな集客率、これは和歌山電鐡さんにとってみても喜ばしいことではないでしょうか。たま駅長をきっかけとしてこれからも貴志川線が沿線の人たちに愛される鉄道になることを私は遠い空の下から応援しております。

 

、、

、、、

 

…あ、忘れてた。

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(和歌山電鐡さんにはおもちゃ電車も運行されています。残念なことに取材当日運休してました。おもちゃ電車のご紹介はまたの機会に)

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2007年11月16日 (金)

空想浪漫鉄道(逆走編)

 さて、ここまで熱にうなされるとなると何処までもうなされてやろうと思うのが私のいい面であったり悪い面であったりするワケです。こうなったら極限まで妄想してやろうと思います。

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(まだやるの?)

 新しい列車が出来る、しかもJRで特急となると新たな『名称』が必要となります。本来ならば別にこういう名称は必要ではありません。ですが日本には現在数百本単位で列車が運行されています。その全ての列車が単純に

「特急」

という括りとなると結構問題が出てきます。人それぞれに個性や考え方があるように、列車にも「ゆふいんの森」や「リゾートしらかみ」のように観光的な列車もあれば、「のぞみ」や「はやて」の様に速達性を求める列車もあります。その個性を現す意味でも『名称』というのは必要だと思われます。

(もちろん名称をつけることは運輸上の列車特定や指定席販売の便宜など色々とあります。この点はいずれ改めて発表させていただきます)

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(名前が付いた列車が沢山走っている。交通新聞社刊JR時刻表2007年7月号より)

…でもって、今回は妄想シリーズ最終章です。なので、もちろん今回も九州新幹線と山陽新幹線の直通用列車に付けられる名前で色々と遊んでいきましょう。ウィキペディアの『列車愛称』の項目を見ると、名称の付けられ方には分類すると次のようなパターンになるそうです。

  1. 鳥類に関する名前…「つばめ」「かもめ」「しらさぎ」「雷鳥」
  2. 鳥類以外の動物の名前…「はくと」「かもしか」
  3. 植物の名前…「さくら」「いなほ」「はまなす」
  4. 人の名前…「シーボルト」「いざぶろう・しんぺい」「かいおう」
  5. 山の名前…「あさま」「富士」「あかぎ」
  6. 海の名前…「有明」「日本海」「あしずり」
  7. 川の名前…「ふじかわ」「くまがわ」「あずさ」
  8. 湖の名前…「たざわ」「かわぐち」
  9. 島の名前…「利尻」「やしろ」
  10. 景勝地・史跡・旧跡・公園名…「はしだて」「なすの」「かすが」
  11. 神話など…「やくも」「くにびき」
  12. 地名(都道府県名、都市名、地域名、旧国名等)…「ひだ」「まいづる」「北近畿」「きたぐに」
  13. 空・天体名…「おおぞら」「北斗星」「銀河」「にちりん」
  14. 物体・現象名…「ひかり」「こだま」「やまびこ」
  15. 列車の目的…「ハウステンボス」「成田エクスプレス」
  16. 願望…「のぞみ」「きらめき」「はるか」
  17. フィーリング…「サンライナー」「セントラルライナー」

(以上「ウィキペディア『列車愛称』」の項目より引用)

…いやあ、たくさん種類があるものです。コレだけ種類があるということは、それだけ列車が走っているということ。ヘタすればネタが被るという事だって考えられます。この中のパターンから『九州新幹線直通の列車名』を勝手に発想していきます。

…とはいえこのネタでここまで引っ張ってくると『お腹いっぱい』な状態だと思われます。そこで今回は私が勝手に列車名を考え、そして勝手に予想してみます。ええ、今回はとってもいい加減です

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競馬新聞チックに仕立ててみましたが如何でしょうか。この予想は結構いい線行くと思います。ええ、勿論自画自賛ですが。これにて「空想浪漫鉄道」はおしまいです。来週からはまた間違った方向性で皆様に笑われるブログになるよう精進してまいります。どうぞこれからも末永くお付き合いください。

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2007年11月 9日 (金)

空想浪漫鉄道(妄想編)

 さていよいよ私の妄想がスタートします。あらかじめ申し上げておきますがこの『九州新幹線』のダイヤは発表されている事柄と私の希望が折り重なって出来上がった妄想。英語で言えばフィクション、言い方を変えたら『妄想』です。コレがそのままダイヤになるとは一切思っていませんし、なったらなったで『お前何を考えとるんだ』とダイヤ担当者を猛烈な勢いで叱り付けます。

 まず、基本的なダイヤ。新幹線も他の地域の在来線同様にある程度「パターンダイヤ」になっています。

このダイヤグラムを一気に変えるとなると東海道新幹線にもある程度影響を与えかねない状態となってしまいます。もちろん妄想なのでそこら辺はどうにでもなりますが、あえて原稿ダイヤを下敷きに行ってまいります。そこで現在の新大阪駅発博多方面行きの出発時間を検証してみましょう。

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ダイヤを見ますと岡山行き『のぞみ』と博多行きの『のぞみ』の間、岡山行き『ひかり』と博多行きの『のぞみ』の間には若干の余裕があります。実はこの間十数分の間に20番ホームを利用する列車が下り線を逆走して入線するというダイヤになっています。

JR東海の駅だからJR西日本が冷遇されているとか色々言われていますが、単にコレは運用の都合。しかし、九州新幹線が開業した後もこの様な運用だと支障が出るのは明らかです。2012年には新大阪駅のホームが一面増えるという情報を踏まえますと、開業後はこの20番ホームでの折り返しではなく、一旦鳥飼にある車庫まで入線するのではないかと思われます。そこで新しく出来るホームは『九州新幹線・山陽新幹線内完結列車の降車専用ホーム』という形に位置付け、折り返しによる線路の閉鎖時間を利用して列車を増発させる事とします。これによって新大阪駅の事情はある程度解決できそうです。

 しかしながら問題は需要と供給のバランスです。確かに増発は可能です。でも増発しても乗っていただけるお客様がいなければ話になりません。そこで意外と重要になってくるのが「列車の運行時間」。例えば東海道・山陽新幹線は東京駅から博多駅までの間を走行しています。しかしながらこの東京・博多間のシェアはほぼ航空機が圧勝しています。新幹線が最速で4時間50分、航空機はたった2時間。幾ら鉄道好きであってもコレだけ時間が掛かるとなれば私だって飛行機に乗ります。これに準じるかのように東京から広島間、東京から岡山間、名古屋から福岡間は圧倒的に航空機のシェアが高くなっています。

現在のダイヤを見ますと新大阪駅から博多駅までの間は『のぞみ』が2本、『ひかりレールスター』が2本と毎時最大4本の直通列車が運行されています。ただこの現状をそのまま流用して九州新幹線開業ダイヤとするにはちょっと列車の数が想定される乗客数と比べると多すぎます。そこで私はあえて博多に直通する『のそみ』をあえて一本広島止まりにして対応しようではないかと思うのです。その広島止まりになった『のぞみ』が設定している博多までのダイヤを利用して鹿児島中央駅に乗り入れる新幹線を設定します。

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(ダイヤの概要)

さて、ここからサクサクと参りましょう。『ひかりレールスター』は全て九州新幹線に乗り入れますが、全列車「熊本駅」までの乗り入れとします。本来なら鹿児島中央駅まで乗り入れても構わないと思われますが、東北新幹線のように行き先別で列車名を分けておくことで乗客の混乱を避け、対北半九(熊本以北)は『ひかりレールスター』、対南半九は新設する名前として営業戦略をしやすくするためです。

またJR九州の社長が『熊本以北は毎時4本の列車を運行したい』とコメントを出していました。そこから妄想すると九州新幹線内だけで完結する列車も出てくるのではないかと推測されます。現に800系は九州新幹線内のみで運行すると言われていますので、そうなればこの800系を利用したダイヤを考慮する必要性が出てきます。

…さぁ、お待たせしました。私が妄想した『山陽新幹線・九州新幹線開通時のダイヤ』。どうぞその目でご覧下さい。

 

 

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:のぞみ、:新設列車「Nつ」と表現、:ひかりレールスター、:つばめ)

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(何度も言いますがこのダイヤはフィクションです)

 このダイヤの特徴としてあえて『ひかりレールスター』は九州新幹線内を各駅に停車する設定にしたところ。簡単に言えば「商売になりそうなところは完全に押さえておきました」ということでしょうか。また九州新幹線内で完結する『つばめ』は博多駅発着の『のぞみ』と接続する設定にしました。これには鹿児島中央駅に直通する新設列車を補完するのと、南半九一帯をフォローする意味合いがあります。

また直通する新設列車は新幹線としては珍しく広島駅で数分程度の停車時間を取っています。元々は広島発着の『のぞみ』に連絡するためですが、多客時にはこの『のぞみ』を博多駅まで延長運転、つまり『のぞみ』に追い抜かれる設定にしてみました。コレによって対北九州・日豊方面の乗客と対熊本・南半九方面の乗客を住み分けを促し、新設列車に集中しにくくします。

 このダイヤ、如何でしょうか。空想といいつつかなり現実を考慮した内容になっていると思います。趣味的にはちょっとアレですが、実現性は高い…そんなダイヤを目指してみました。「こだまはどうするんだ!」「岡山止まりのひかりの存在意義は!」「JR東海がんなもの許すと思っているのか!」等々多種多様な突っ込みどころはあるかと思われますが、そこは妄想ということでお許し願いたいと思います。

…しかしながら、後ちょっとだけ続くんだなぁ>このネタ。

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2007年10月30日 (火)

空想浪漫鉄道(実践編)

 さて、空想で鉄道を楽しむと言ってもいきなり何も無い場所に線路を作って…という『A列車で行こう』を地で行くような事を紹介しても判りづらいかと思われます。そこで今回は前回も御紹介しました2011年に開業する『九州新幹線熊本ルート』を題材としてダイヤを空想してまいりましょう。

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 まずダイヤを決めるに当たって重要なのは路線。駅の詳しい設置場所などは自治体のサイトなどにお任せしまして、路線だけを単純化してみました。

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一般的にこのような図のことを『配線図』と言うそうです。新大阪や東京にある『CTCセンター』ではこの配線図を元にした路線図が設置され、その図を見ると列車が何処を走行しているのかが一発でわかるようになっています。

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(熊本駅の構造は想定です。実際とは違います)

現在開業しているのが鹿児島中央駅と新八代駅の間、新八代から博多までが2011年に開業を予定している区間です(今回の図では赤い文字で記載されているのが開業区間の駅となっています)。現在新八代駅では在来線で走行している『つばめリレー号』と同じホームで乗り換えることが出来るようになっていますが、将来的には『つばめリレー号』が利用しているホームも新幹線の線路として転用されるそうです。そして熊本から先の開業区間。

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この2つの図面を見ていますと九州新幹線独特の特徴が見えてきます。『九州新幹線熊本ルート』は東海道・山陽新幹線のように各々の駅に列車を追い抜きさせるような設備が設置されていません。強いて挙げるなら新水俣・新八代・熊本・船小屋・新鳥栖(仮)の5駅だけ。このような配線を考慮してダイヤを設定していかねばなりません。

 次に重要になってくるのは既存の施設がどのような対応をするのか。まずは博多駅

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現在博多駅の新幹線ホームはこのような配線図です。各社から発表されている情報を総合しますと博多駅には九州新幹線用のホーム、そして九州新幹線内で完結するものと山陽新幹線の乗換えをスムーズにするためにもう一つホームが増えるという計画が発表されています。

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一般的にこのような情報を考慮するとこういう図面になると思われます。が、それだとあまりにも堅実すぎます。遊び心が感じられません。また現状の博多駅のスペースを考慮しますと新しく出来る16両用ホームの東京寄りが通常の新幹線ホームより細い状態になってしまいます。

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(ゆたか線の横に新しい新幹線ホームが作られる)

細いホームに階段やエスカレーター、エレベーターを設置するとなるとかなりの難工事になると思われます。また細いホームに乗降客が集まった場合、車両運行の安全確保がしにくい場合も考えられます。また利用者はどの列車がどのホームから出るのか即答できない状態となり、利用客が混乱を引き起こしてしまうことも考えられます。そこで今回はあえて公式の計画や発表を無視してこういう駅になると仮定してみました。

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現在使用されている11番線に隣接するようにもう一つホームを作ります。例えるならば阪神甲子園駅、名鉄新名古屋駅みたいなカンジです。これによって階段を使って乗降することなく九州新幹線と山陽新幹線の乗換えがスムーズになります。もちろんこの様な構造になることでダイヤ上はかなり大変な目になることは明らかですけれどソレはソレ。気にしない気にしない

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また九州新幹線開業と同時期に新大阪駅のホームが一つ増えるというお話もあります。 阪急が確保していた土地を流用するそうです。そうなるとダイヤの自由度も増えてきます。

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現在『ひかりレールスター』や山陽新幹線内で完結する『こだま』はほぼ20番線を利用して運行されています。このホームに博多方面から入る際、下り本線を逆走して入線する為その間列車を走らせることは出来ません。九州新幹線が乗り入れる際に増えていくダイヤに自由度を持たせる為にもこの新しいホームは必要と思われます。もちろんこのホームも好き勝手に利用させていただきましょう。

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 次に使用する車両です。現在公式に発表されている情報を整理しますと

  1. 山陽新幹線・九州新幹線相互乗り入れ車両はN700系をベースに作られる。
  2. 各々8両編成。
  3. JR西日本側は19編成、JR九州側は10編成。
  4. 現在走行している800系は山陽新幹線には乗り入れない。同様に700系や500系は九州新幹線に乗り入れない(現在走行しているN700系は地上設備の都合により九州新幹線に乗り入れることは出来ない)。

この点から推測するに、次に登場する九州新幹線対応型の新幹線の最高速度はN700系同様時速300キロであることは間違いありません。しかも導入する車両の本数がJR西日本だけで19編成、現在『ひかりレールスター』として使用されている700系E編成が16編成ですので、単純に考えると現在の『ひかりレールスター』と同じ運用効率を考えているのではないか、そこにJR九州が10編成追加で導入するというところから考えると、JR九州の車両を主体として使ったものと、JR西日本の車両を主体として使ったものが明確に分かれてしまうのではないかと思われます。またこれら発表された車両の本数は開業直後の導入として考えられていますので、今後状況によってはこの編成が増える可能性も捨て切れません。

…さて、お待たせしました。いよいよ次から妄想…もとい、私の空想を発表してまいります。

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2007年10月26日 (金)

空想浪漫鉄道

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(九州新幹線に導入された800系新幹線・つばめ。カッチョイイ)

 2011年、九州新幹線が山陽新幹線を通じて新大阪駅まで直通運転を開始すると報道されました。予想されていたことではありますが、やはり東京方面への直通運転は叶わないことが確定。まぁ現在でも東京・博多間が約5時間掛かるワケですから致し方ないところ。交通機関は独占するのではなく、各々の得手不得手を上手くカバーしながら運営をやっていくのがベストだと思います。その観点から考慮しても、今回の直通運転の範囲は理に叶ったところではないでしょうか。

 こういった新線開業を一番喜ぶのはやはり我々『テツ』な人だと思われます。一番列車の切符を買って乗り込んだり、新線開業とともに売り出される御土産物(特に電車の絵が描いてあるもの)などを買ったり、新線開業にあわせてデジカメを新調、もっと気合を入れた人ならば自家用車を購入して沿線のどのポイントからでも写真を撮れるようにしたり…。ああ鉄道という趣味はなんてお金を使う趣味なのでしょう。

 しかしながら『テツ』は開業だけでなく、開業以前、いや計画段階から『テツ』は盛り上がることが出来るのです。あまり知られていませんが日本にはいたるところに鉄道を敷設しようという計画があります。国の「交通政策審議会」や「全国新幹線鉄道整備法」などによって敷設される範囲が広いものもあれば、貨物用の線路が転用されて旅客用になるという単純明快なものもあります。

 新線の開業は地域に対し大いなるインパクトを与えることは間違いありません。しかしそれ以上に『テツ』は新線開業に関して妙な盛り上がり方をしてしまいます。それでは『テツ』はどういうところで盛り上がるのでしょうか。この盛り上がりの理由、私は3つの仮説を立ててみました。

1:路線

 簡単に言えば「どの場所に駅や線路が出来るんだろう」ということです。線路の配置だけでなく、駅の構造(列車の追い抜きが出来るのか等)がどういう形になるのか、折り返し電車の設備が追加されるのかどうか…ということだけで好きな人だと半日ぐらい語れると思います。また未成線や廃線によって現実に至らなかったり、「もしこの場所に鉄道が走っていたら」という架空の設定を元に盛り上がる『架空鉄道』という一種の『遊び』もこの分類に入ると思われます。

2:車両

 これも簡単に言えば「どんな車両が走るんだろう」ということです。新規事業者による開業の場合ほぼ新車が導入されますが、既存の区間から延伸したり会社の経営状態によっては従来の車両が使われるケースも多々あります。また路線が地下空間を走行したり、急カーブなどが連続している場合はその地上設備に対応した車両を導入することも考えられます。…どの様な車両が走るということを想像しただけでも楽しくなってきます。

3:ダイヤ

 この項目の中で一番ケンケンガクガクの議論が戦わされるのがこの分野ではないかと思われます。何せ1と2の項目を組み合わせた上に需要と供給と愛と願望を織り交ぜて形にするのですからそりゃあ一番違いが出てきます。一枚の方眼紙に幾つかの直線を書き記し、そこから始まる頭脳道楽。傍目から見るとおかしな風景ではありますが、やってみるとアッサリ2時間は時間を潰せてしまいます。

 

…以上3点、これだけ文字を使って説明してもサッパリわからないというアナタのためにこの後私が考えた『空想鉄道』をお楽しみ頂きます。さぁディープな世界へ参りましょう。

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2007年8月24日 (金)

JR九州がすごい2

 以前「JR九州がすごい」というタイトルでJR九州さんの特急車両を取り上げたことがありました。車内の装飾に木やガラスといった通常使われないような素材をたくさん用いている様を皆様に御紹介したところ、一年以上経った現在でも結構なアクセス数を頂いております。やはりこういう車両がいいなぁと鉄道車両メーカーさんが考えたのかどうかはわかりませんが、このところ車内の装飾に木材やガラス等の自然素材を多用したり、アルミや再生可能なプラスティックを車内の内装で使うというケースが多く見られるようになりました。

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(木材を多用しているJR九州817系。この規模で近郊型)

ただJR九州さんの車両の場合、自然素材以外にも注目してしまう点があります。それはは車体に書かれた文字の多さではないでしょうか。従来の鉄道車両は周囲の空気や雰囲気に溶け込もうと考えた色彩やデザインを用いていましたが、JR九州さんの場合はあえて他のものと同化せず派手な色彩や文字によって自己主張することで周囲に鉄道という存在をアピールしました。

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(文字だけの部分を抜き出してみた。いやちょっとオシャレ)

その結果民営化直後の利用客数から格段に伸び、鉄道という交通機関を沿線住民に再認識させることに成功しました。この頃から比べると現在運行されている車両は色彩という面から見るとかなり落ち着いてきたように思えます。快速用の近郊型車両の一部にコーポレートカラーの赤が使われていますが、一時期の赤一色で塗られた485系の『赤い特急』が多く見られた時代の博多駅とはかなり印象が違ってきたようです。

…今回は『鉄道』を紹介するブログであるという基本に立ち返り、博多駅で活躍しているJR九州、九州旅客鉄道株式会社の特急用車両を御紹介してまいりましょう。

 

 

 

 まず御紹介するのはJR九州さんが他のJRグループに先駆けて製造した783系という車両。

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(Tsubame meets HYPER SALOON)

ハイパーサルーンという名称で呼ばれるこの車両、車両の真ん中に出入り口を配置しています。その為片一方の部屋を指定席、もう片一方の部屋を自由席と柔軟に対応できる設計となっています。

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(Tsubame meets HUISTENBOSHI and MIDORI <HYPER SALOON>)

当初は熊本方面にも使用されていましたが、現在は宮崎方面への『にちりんシーガイヤ』と『ドリームにちりん』、長崎方面の『かもめ』、佐世保方面への『みどり』と『ハウステンボス』に使用されています。また『かもめ』と『みどり』、『ハウステンボス』は博多駅から途中の肥前山口駅までの間併結されて運行していることもあり、最大13両で運行している場面を見ることが出来ます。正に圧巻です。

 

 次に御紹介するのがJR九州を代表する787系。

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(Tsubame meets TSUBAME)

 「JR九州がすごい」でも御紹介しましたが、鉄道車両という概念を取り払い、動くホテル空間をイメージして設計したのがこの車両です。鉄道のイメージを覆したデザインと空間の提供は他の鉄道車両に大いなる影響を与えました。この車両は元々長距離運用を前提に考えられていましたが、九州新幹線の「つばめ」が開業した際、新幹線へと繋がる新たな特急『つばめリレー』となって博多駅(一部は門司港駅)から新八代駅まで運行しています。また一部車両は小倉・博多~熊本・肥後大津駅間で運行されている『有明』や博多駅から直方駅間を運行する『かいおう』、車両数の多さを生かした臨時列車等多種多用に運用されています。

 

 一方デザインとして全ての鉄道会社に革新的な影響を与えたのが883系。

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(Tsubame meets SONICFAMILY 883)

路線の悪条件を克服するために「振り子」機能を搭載したこの車両は登場直後沿線住人に大いなる衝撃を与えました。客室とデッキを隔てる壁にはガラスを用い、コモンスペースという立席空間を設けることで多客時でも快適に過ごせるようにしました。鉄道の事情を知っている人間からすると『振り子型車両』でありながら狭さを感じさせないデザインに仕上げているところは『さすが空間の使い方を知っている建築家ならでは』といったところでしょうか。 現在この883系は全ての車両が『ソニック』という名前を名乗って博多駅から小倉駅経由大分・佐伯駅間を走行しています。

 この883系を発展させたのが「白いかもめ」や「白いソニック」で運用中の885系。

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(Tsubame meets KAMOME and SONIC 885)

室内がフローリング、ガラスや牛皮の座席等自然の素材を多用したことで鉄道の新たなる可能性を提示したこの列車、現在は長崎本線を走行する『かもめ』や前出の『ソニック』で活躍しています。ただし、この車両は共通運用が組まれており、時に『白いかもめ』仕様なのにも関わらず『ソニック』として運用されたり、同様に『白いソニック』なのに『かもめ』として運用されているケースが時々見受けられます。まぁ、そこは愛嬌ってことで。

 

…そして忘れちゃいけないのが『観光』分野。

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(今から約10年程前のゆふいんの森用キハ71系、奥に寝台特急が見える)

JR九州さんは発足直後から運輸形態を『都市圏』『都市間』『観光』の3つに分類し、その分野に似合ったダイヤや車両運用を展開してきました。その中で登場したのが『ゆふいんの森』。地味な存在だった湯布院を一気に観光都市へのし上げた陰の立役者です。美しい緑色の色彩と景色を見るために造られたハイデッカーの車体。そこに付随するのは「ゆふいんレディ」と呼ばれた客室乗務員達のハイレベルな接客…。正にJR九州さんを代表する列車であります。

ただこの『ゆふいんの森』、『鉄』としては若干面白みが少ない車両でして、そうなるとどうしても同じ路線を走る『ゆふDX』に注目してしまいます。

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(Tsubame meets YUHU-de-luxe)

古代漆色を身に纏い、『ゆふいんの森』の緑と対比の美しさを示しているこの列車、現在は博多駅から日田・天ヶ瀬・湯布院を沿線に持つ久大本線経由別府行きとして運行されています。 先頭車両はパノラマ型の特別座席、目の前に広がる雄大な由布の山々はこの車両に乗るともっと楽しめるようになっております。しかし『鉄』的に見るとこの車両、まぁ苦労人です。

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『ゆふDX』に就任する以前、この列車は『ゆふいんの森2世』と名乗って同じ路線を運行しておりました。キハ71系と同じ緑の色彩だったワケですが、元々はそうではありません。実はこの『ゆふDX』、気動車でありながら電車と併結して運転できるという画期的な機能を持っているのです。その機能を生かして電車特急と併結する『オランダ村特急』として門司港駅から長崎県の佐世保駅間を運行していました。が、ハウステンボス完成と同時に全区間電車で運行する『特急ハウステンボス』号にバトンタッチ。改造されて『ゆふいんの森2世』として運行されたものの、キハ71系とイメージを統一するために製造されたキハ72系が登場したため再度長崎へ。『オランダ村特急』と同等の色彩となって『特急シーボルト』として運行を始めたものの利用客がそれほどいなかったためあえなく廃止。またこの久大本線の特急として、この場所に戻ってきたのです。移動の歴史を活躍した路線で表しますと…

長崎本線→久大本線→大村線→久大本線

この列車、安住の地は一体何処になるのでしょう。実験的要素が強かったにせよ、今度こそこの『ゆふDX』がこの列車にとって安住の地であることを祈ってやみません。

 

 

…今回、このような形でJR九州さんの車両を私なりに御紹介させて頂きました。改めて感じたのは、やはり他の鉄道会社に比べて自己主張があるということ。そして、鉄道車両という工業製品でありながら芸術性にも秀でている点です。『グッドデザイン イズ グッドビジネス』という言葉が導くように、JR九州さんの鉄道収入は民営化直後と比べて格段に伸びています。近い将来、九州新幹線が山陽新幹線と共に歩む頃、どの様な列車が登場するのでしょうか。今からちょっとドキドキしてます。

 

Jrq14(その時もコレで見に行こう)

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2007年8月14日 (火)

見つめあうふたり

 前回『妻』を見つめましたが、今回もまた見つめます。「おはよう」から「おやすみ」まで見続けるジャングル大帝の哺乳類ではありませんが、今回もジーッと見つめさせていただきます。…とはいっても、今回は見つめるのは私ではありません。

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(221系電車、確か種別は丹波路快速だったと思う)

今回は「鉄道車両同士が見つめあう」、つまり先頭車両同士が連結しているところをウォッチします。このところ運行形態の複雑化や利用客数の増減、地上設備等の諸条件が影響して、一編成に車両を多数連結するやり方から少ない両数を連結した編成を組み合わせて運行するやり方が増えました。

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(左:JR九州787系「リレーつばめ」、右:JR西日本223系「新快速」)

例えばJR九州の「リレーつばめ」、こちらは博多駅(一部列車は門司港駅)から新八代駅までの区間を運行する車両ですが、観光シーズンや多客時には「有明」用787系を連結した11両編成で運行する場合があります。またJR西日本の新快速は敦賀駅まで運航を開始した際、利用客数の観点から通常の8両編成で乗り入れることはせず、途中の駅で4両に切り離されます。

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(783系ハイパーサルーン、既に分割した後。博多駅にて撮影)

 また切り離すことで有効活用している場合もあります。「かもめ」「ハウステンボス」「みどり」の3列車を一つとした「多層立て列車」。各々の列車を各々ダイヤ設定すると線路の許容量が足りなくなり、ダイヤ自体に余裕が無くなってしまいます。特にこの列車の場合は鹿児島本線という日本で有数の特急頻発路線を走行するため、通常の状態でも余裕がありません。また各々独立して運行するとその分だけ運転手さんや車掌さんなどの乗務員の数が増え、非効率極まりない状態となります。なので途中の駅でひとつの列車に仕立てて、同じ目的の駅(この列車の場合は博多駅)まで移動しています。

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(左:783系ハイパーサルーン併合用連結部分、右:JR東日本211系)

 本来こういった車両の場合、増結した際乗務員などの移動や安全の確保などの観点から貫通路を設置し、双方の列車を行き来することを可能にしているのですが、このところ貫通路が設置されていても行き来をさせないやり方が増えています。ココ最近乗務員室の機器が破損しているケースが多く見受けられますので、それもまた致し方ないのかもしれません。…それにしても、この向き合っている列車を見ていると何かこの車両が語り合っているような感じがしませんか?例えば上の221系の写真。

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仲のいい双子同士が意見の食い違いが原因で喧嘩が勃発しかかっている様に見えません?『お前なんでアレがいいんだよ!』『いいじゃねぇか、オレの勝手だろ!』って言う感じ。各々の写真もちょっと勝手に妄想してみましょうか。

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見つめあっていても、角度が緩くなれば緩くなるほど妙に仲のいい双子っぽく見えません?どちらかと言えば先頭車両同士の間が狭くなればなるほど男性的になり、離れれば離れるほど女性的なイメージが強くなっていくように思えます。

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一方直線的なものであっても貫通路があるだけで喧嘩というイメージから『友情』・『調和』というカンジになっていきます。また一方は普通の妻面で、片一方だけに運転台があるパターンはやるせない恋か、はたまた大いなる勘違いを想像させてしまいます。これもまたデザインの不思議なところです。

 …とまぁ、今回もちょっとワケのわからない方向性に行ってしまいました。まぁこのところのアクセス数を見るとこんなことをやっちゃあいけないなぁと思ってはいますが、こういうのもまた一興。次回は旅から戻ってちょっとマトモな記事になると思われます。それまで今しばらくお待ちいただければ幸いです。

 

 

 

<オマケ>

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(古田監督、見つめちゃイヤン)

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2007年8月 8日 (水)

妻を見つめる

 妻が好きだ。

…もちろん、『鉄道を「色々な方向」から楽しむ』ブログですので、大胆かつ繊細な恋愛を経て得ることになる生涯の伴侶のことではございません(というか現在募集中です)。鉄道車両の端、普段は注目されない『妻面』のお話でございます。

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 普段鉄道ファンならずとも注目するのは鉄道車両の運転席や車掌室、展望室等がある突端の車両。デザイン性を追及するのかそれとも経済性を優先するのか、汎用性を高めるのかはたまた独自の規格を導入するのか…。この場所には時代背景のみならず各鉄道会社のポリシーも垣間見えてきます。しかしその一方の通路側、通称『妻面』は太陽と月、日向と日陰、天使と悪魔、トミーズの雅と健のように存在は認められているもののあまり注目されていない状態となっています。

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(両方ともJR西日本所有の485系の妻面)

 通常『妻面』にはこの車両が何処の会社が所有し、何処の会社が作ったのかが刻印されています。その反対側にはこの車両がどこの車両基地の所属で、車両の検査日時、この車両にはどれだけの人数を乗せることが出来るのか等のデータが記載されています。

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しかしホームからの転落を防止するため最近では『外幌』と呼ばれるゴムの板が設置され、この項目を即座に確認することは難しい状況になりました。まぁ何処の会社が作ったのかは車内に記載されている場合が多いのでそれほど気にすることはありませんが、やはりそこはテツ。この外幌付近で怪しい動きをしているのは確実にテツです。

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(左:485系妻面、右:281系妻面。交直流車両と直流車両では設置方法が違う)

しかしこの場所が快適な車内環境を支えているという事実は意外と知られていません。特急用車両にはJRになる以前から『車端ダンパ』と呼ばれる緩衝器が妻面の上部に取り付けられています。この部品が高速運転時に各車両で発生する横揺れを吸収し、乗り心地をよくしています。

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(左:223系2000番代、右:103系、どちらもJR西日本所有)

もちろんこの装置が設置されているのは特急用車両などの『長時間高速で運行する』ことを前提とした車両だけで、高速で移動する区間の短い近郊用に区分されている車両や、通勤型に区分されている車両には設置されていません。

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(車体間ヨーダンパ。左:未設置の300系、右:設置している700系)

 一方特急用車両よりも高速で走行する新幹線用の車両の『妻面』には、先ほど紹介した『車端ダンパ』の他に『車体間ヨーダンパ』と呼ばれる装置が設置されている車両があります。高速走行時に発生する揺れをこのダンパで吸収し、車内環境を快適にするために設置されています。

妻面にはこのように安全且つ快適に過ごすための装置や、出生の秘密などが隠されています。皆さんも鉄道を利用される際は『妻面』に注目してみては如何でしょうか。

 

 

 

…と、これで終わったら普通の記事。冒頭の『妻が好きだ』という文章の意味が出てきません。ここからが当ブログのヘンなところ。様々な方向から楽しむという言葉に恥じぬ一面を御紹介しましょう。

 ちょっと昔話を一つ。私がまだ大阪の片田舎にある某芸術大学に入学したての頃、歪んだ性格が仇となったのか当然というのか、友達と呼べる存在の人が一人も出来ませんでした。本来ならコンパだデートだ恋愛だと容易に想像できるようなキャンパスライフではなく、講義や課題、芸術大学特有の実習が連続して用意されており、日々疲れだけが溜まっていったのです。そんな私をそっと勇気付け、心を癒してくれたのは『妻面』の存在でした。。

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(左:JR西日本201系妻面、右:京阪電車2400系車内、妻面に窓があるので開放的)

通勤用の車両の一部には『妻面』に窓が設置されているタイプがあります。通勤ラッシュが激しい区間、ちょっとでも閉塞感を無くすという目的で設置されたであろうこの『妻面』の窓、長い通学時間『妻面』の傍にある座席に座り、設置された『窓』から空を見る。ここから垣間見える空が実に美しいワケです。

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(左:大阪市営地下鉄御堂筋線10系、右:京阪電車2400系)

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(阪急電車京都線3300系)

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(左:JR西日本103系、右:JR西日本207系)

智恵子は東京には空がないと言う。智恵子の言葉を言い換えれば都市部には空が無い…ということになります。雄大な風景を小さな眼に受け止めた彼女にとって都市部の空は空ではないと感じたのでしょう。しかし私はこの小さな隙間から見える空がいとおしい。流れ行く雲、季節や時間によって変わっていく空の色、電化区間なら時々見えてくる架線柱がアクセントとなってついついジーッと見てしまいます。

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(左:近鉄電車のシリーズ21、右:JR西日本321系)

しかしながら車体の強度や社会情勢などを反映してか『妻面』の窓は減少傾向。私鉄であれJRであれ新造された車両には『妻面』の窓はほぼ設置されていません。国鉄時代に製造された103系も『妻面』の窓は設置されていました。が「メンテナンスを容易にする」という趣旨で次々と塞がれています。

Tuma21 (車体改修時に妻面の窓を塞いだ103系)

壊れた窓理論の上を行く「窓を無くしちゃえば問題も無くなっていいじゃん」と考えるやり方は企業にとって正しいと思います。利益を追求しなくては企業は成り立ちません。しかし窓が一つ無くなっただけでどうしてこんなに味気なく感じてしまうのでしょう。ふさがれた窓を見るたび寂しい…と思うのは私だけでしょうか。

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2007年5月21日 (月)

鉄色に染まれ・実践編

 『実践する』と言っても先ずはモチーフが必要となります。でもアンディ・ウォーホールのように映画のワンシーンを切り取って…ということは現代社会の制度上なかなか実現することは出来ません。となると、身近なものをモチーフにすればいい…。その瞬間思いついたのが

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私の肖像です。ま、単純に私の証明写真をモチーフにします。この写真は元々『カレー部例会』に参加する際、パスをで必要になるのではないか?…という妙な心配から撮影したものであります。で、この写真を画像編集ソフトで編集していきます。

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写真からカラーを削除し、コピーをかけたかのような加工を施します(それにしてもこれだと二重アゴが目立ってるなぁ…痩せなきゃ)。この画像に鉄道に塗られている色を画像から抜き出し、被せていきます。

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本来なら鉄道模型で使用されるような画材や『国鉄車両関係色見本帳』で指定されたマンセル記号、各鉄道会社が説明した色を元にすればいいのですが、今回は私鉄限定であえて『私が過去撮影した鉄道の写真』から抽出するという技法を用います。結果肉眼で見た車両とは違った色彩になっている場合があります。(『国鉄色』の概要ならびに色彩はウィキペディアに説明が記載されています。リンクは此方

  では、今回『画材』として活躍してくれる列車たちをご紹介しましょう。…ま、ご紹介といっても過去当レルコンで掲載したものや取材の合間に撮影した写真だったりしますが、色々と過去の記事をなんとなく思い出しながらご覧ください。

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 さて、お待たせいたしました。この車体から導き出された色彩と私のインパクト性が強い肖像が織り成す現代芸術の結晶(?)、アンディ・ウォーホールをリスペクトした恐ろしい結果をご覧ください。

 

 

 

 

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…どれがどれやらわからないゾ!という方が大多数かと思われますが、まぁソレはそれでいいんじゃないでしょうか。現代芸術というのはそんなモンです(キッパリ)

<オマケ>

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今週からデイリーポータルZさんの『コネタ道場』がリニューアルするそうです。黒帯は逃してしまいましたが、それなりにお世話になっていますのでデイリーポータルZさんのマスコットキャラクター『Zくん』もついでにリスペクトしておきましょう。

 

 

Andy_dpz …ああ、怖いぞコレ。

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2007年5月19日 (土)

鉄色に染まれ

 財政の非常事態宣言が発令されてから早1ヶ月。ちょっとした宴の後にやってきた大恐慌、日本経済と同じ様に『失われた10年』となってしまうのでしょうか。取材に行きたくとも取材に行けないという不自由を感じております。しかし、不自由があるからこそ工夫をするというもの。今回は取材に出向かなくとも発表できるある意味お気楽な企画でお付き合いいただきます。

 

 当『レルコン』に掲載する目的で撮影した写真をセコセコとCD-ROMに焼き付けておりました。将来引き出す際便利なように写真を分類して焼いた時、電車の写真をあまり撮影してないという大事なことに気が付きました。…っていうか遅すぎです。線路や駅の看板、周囲を徘徊している写真などは沢山あるのですが肝心要の車両の写真が殆どない。いや、これで鉄道のことを語ろうなんて

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(こういう写真は沢山あるんですけどねぇ…)

 その少ない写真を見ていますと、あることに気づきました。この約20年の間鉄道の世界で変わったのは車両や社会背景もそうですが、最も大きく変化したのは『色彩』ではないでしょうか?

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(過去の写真を振り返って見ると、結構賑やかになっていると思う)

元来鉄道車両の色というのは、煤煙や鉄錆、自然現象などから発生する損傷から鉄道車両を守る為に塗られていたそうです。そのため戦前の鉄道車両というのは実に地味な色合いでした。戦後いわゆる『湘南色』『横須賀色』と呼ばれるようになった独特の色使いや、競合している路線を明確にする為に色を使って誤乗を防ごうという意味合いも追加され、鉄道車両の色彩が一気に広がっていきました。

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(ラインカラーがあるとはいえ、最近は銀色の方が強い気がする)

一方関西の私鉄ではその流れと平行するように昔ながらの色彩を守っている会社もあります。代表的なのが阪急電車のマルーン色。

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『電車の色を変えよっかなぁ』と阪急の上層部がポロっと発言しただけで鉄道ファンだけでなく沿線住民や会社内部からも猛反対を受けてしまったという位『阪急電車=マルーン』という図式が成立してしまっています。現に車両の運転方法が違うという意味合いで屋根に白い帯を入れようとするだけで喧喧諤諤の大論争まで発展したそうですから、阪急電車にとってこの色彩というのは非常に大事なものとなっています。

その一方、古いイメージから脱却しようとして電車の色を変えていく会社もあります。

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阪神電車は既存の車両を『リニューアル』する際に今までの色彩を変更しています。従来のベージュと赤のデザイン(この色合いから急行用車両を『赤胴車』と呼ばれているそうです)からオレンジ色とアイボリーの二色。阪神なのに巨人のイメージカラーを身に纏って登場しています。

…で、ですね。この色彩、単に紹介しても面白くありません。この鉄道の色彩を『画材』の一つとして昇華することはできないでしょうか。そこで思い出したのが『アンディ・ウォーホール』が施したシルクスクリーンによる大量生産の技法を用いた『マリリン・モンロー』。あんなカンジで鉄道車両の色彩を鮮やかに示すことはできないのでしょうか?

…さぁ、いよいよ本番です。

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2007年4月24日 (火)

東海道の移動あれこれ

 今回『カレー部例会』に参加するという事が決定してから、私は延々と考え込んでしまいました。天下の大スター、タモリさん(しかも鉄道ファン)や「東京タワー」のリリー・フランキーさん、「吉本ギャグ100連発」のみうらじゅんさん、ジャズの大家の山下洋輔さん。そして「何かあると山を掘っている」と親戚の叔父に言われているダーリン(糸井重里)さんに逢える、そんな有名な方に私みたいなチンケな男が何を聞いたらいいのか…

と、いうわけではなく、

『東京までどの交通機関を使って行こうかなぁ』ということ。

今回イベント参加が正式に決定したのが18日深夜。つまりイベント開始まで一週間を切っていました。この時期になるときっぷや宿の手配となるとちょっと大変だったりするんです。本来こういう一泊旅行の場合、安く移動することができて尚且つ東京での宿泊も可能という『出張パック』というものを利用するのですが何分決まったのが一週間前。旅行代理店を通じて購入する『出張パック』は格安という事もあり、その時期になるとそう簡単に予約が取れません。そうなると自分で動いて宿や交通機関を押さえた方が手っ取り早くて安い交通手段を得ることが可能となります。

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(我々のバイブル、定刻通り只今登場)

そこで時刻表を開いたり、自分の知識を総動員して色々とルートを組み立てていくことになります(結構こういう作業が楽しかったりするんですよねぇ)。組み立てていくと『結構東京大阪間って色々な交通機関があるんだなぁ』という事に気づきました。今まで撮影した写真と共にその交通機関を紹介していきましょう。

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(左:700系新幹線・JR西日本所有、右:0系新幹線・こちらは小倉駅で撮影)

まずは日本の大動脈と言われている『東海道新幹線』、のぞみだと新大阪駅から最速150分(2時間30分)で東京駅へと到着します。一編成あたり1323人もの大量人数を高速で移動させるという交通機関は多分日本だけでしょう。

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続いては空、『航空機』を見てみましょう。関西から東京(羽田)へは関西空港・伊丹空港・神戸空港の3路線が就航しています。そのどれもが約1時間で到着する速さ、大阪市内への立地条件のよさ、そして割引サービスの多様化から最近利用客が増加しているそうです。

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(左:メガドリーム号、右:通常の二階建てバス・但し広島行き)

最近ジリジリと利用客を増やしてきたのが『高速バス』、時間は掛かるものの格安で移動できる手段として学生や熟年の皆様に大好評だそうです。現に大阪からはJR系列のバスだけで夜行最大15往復、昼行最大10往復という一大勢力となっています。

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(寝台列車の写真がなかったので模型とグッズで。パンフレットは車内にあったもの)

最後はサラリーマンにとって「寝ながら移動できる」「翌朝の時間を有効活用できる」「意外と疲れが取れる」ということで利用されている『寝台列車』です。写真の「サンライズ瀬戸・出雲」の場合、大阪駅を深夜の0時34分に出発し翌朝の7時8分に到着、寝台急行の銀河でも22時22分に大阪駅を出発し、翌朝の6時42分に到着することが出来るナイスなヤツです。寝台料金は掛かるものの、変えがたい経験を夜の車窓から得ることが出来ると私は思っています。

 これら交通機関を如何に駆使して楽しく移動できるか、ソレばかりを今だ考えております。ちょっと今回は特殊な移動でもありますので、その部分を如何に上手く解決できるか!個人的にはそこが重要になっちゃって、カレーが時々霞みそうになります。コレも偏に『鉄』の悲しき定め、お許しくださいませ。

…でも、今回は普通の人とは違うルートで行こうと思ってます。それは今後のお楽しみということで。

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2007年4月20日 (金)

YouがLonelyならここにINしちゃいなよ

 この頃『レールウェイコンシェルジュ』を始める『きっかけ』を最近よく聞かれるようになりました。色々と複雑な事情が沢山あって話すと結構な文字数になります。ただ端的に申し上げますとやはりこの座席を見たからではないでしょうか。

200605171544001_1(反省を活かし大きくしてみました)

最初にこの座席を見た時、直感で『ああ、コレは面白いネタになるな』と思いました。ましてや調べてみると次々と面白く、人に伝えてみたい事柄が次々と出てきたのです。そこで以前『@nifty温泉』さんで使用していたココログのシステムを使って発表してみました。それが「京阪電車・匠の技」という項目だったのです。

このネタを『デイリーポータルZ』さんの中にある『コネタ道場』さんに投稿してみたところ、運良く入選してしまいました。そのことがキッカケとなり、鉄道の『面白さ』というのをあまり理解されないようなマニア的な視点ではなく、普通に生活している人が「それ、面白い」と言われる情報をお届けしていくことを考えるようになりました。その試行錯誤の結果、今日までいたることとなったのです。

 現在『コネタ道場』の道場主様からは「黒帯リーチ」といわれております。今回は一回目の採用作品である『京阪電車・匠の技』を発展させた視点で色々とお伝えしてまいります。どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください。

 

 

 さて、『京阪電車・匠の技』という項目が入選した際、道場主の石原様は私の投稿に対してこういう一文を添えて説明してくださいました。

>何はともああれ、お1人様用シートがかわいかったので入選! 群れるのがキライな人はここに座るといいよ。

…確かにアレはかわいいかもしれません。実際に群れることが苦手な私もあの座席は大好きです(ただ狭すぎて脱出できない可能性がありますので座ることは致しませんが)。ただこの頃はこういった『一人だけ』になれるスペースというのが鉄道の中にも多く設けられるようになりました。例えば関空快速・紀州路快速で使用されている223系。

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この車両、元々関西空港へ向かう乗客向けの運用を前提としているために車両のいたるところに海外へ向かう方々が楽なように設計されています。それが一番よくわかるのが座席です。

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(新しく導入された223系2500番台も同じ座席配置)

一人用の座席がズラリと並んでいます。もちろん個人向け、一人になりたい人向けという座席ではなく、元々は大型のトランクをこの横に置けるように設計されたものだったようです。現在では当初設置されていたトランクを拘束するバンドも外され、単に一人がけ用の座席としての存在ではありますが、でも孤独を愛するような人には最適ではないかと。

 その一方で、鉄道会社が意図していなかったものの、思わぬ形で一人になれるスペースというのも鉄道の中には存在しています。例えば近鉄電車さん。

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近鉄電車さんは需要と供給に応じて車両編成を細かに変えていくやり方を行っています。そのため運転席が付いている先頭車両の両数が多く、それらを連結していくと必然的に常務スペースの空間が空いてしまいます。その空けられた空間が「ひとりになれる」ということで結構大人気だったりします。コレと同じようなことは近鉄だけでなく、支線を所有している他の鉄道会社にもちょこちょこ見受けられます。

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阪急電車さんの場合、宝塚・神戸・京都本線とそれ以外の路線ではホームの有効幅(何両止められるかどうか)が違います。本線用の車両と支線用の車両を明確に分けることが出来ればいいのですが、そうするとなると無駄というのが結構発生してしまいます。

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突発的な支線への運用や何らかの原因による車両運用の変更などを考え、一部車両には運転台を残して連結しています。運転台が残っている大抵の車両は運転席側を車両の扉によって封鎖し、車掌側を開放。そこが「一人になれる」スペースとなっています。例えるとするならば『CDのボーナストラック』的な個人スペースといったカンジでしょうか。

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(左:阪急電車の乗務スペース、右:近鉄電車の乗務スペース)

…ただ元々は業務用ということもあって、このスペースには元来我々の様な一般の人間が本来触ってはいけない部品がいたるところに鎮座しています。もちろん鍵をかけるなどの対処はなされていますが、やっぱりイタズラが多いのでしょう。最近近鉄電車さんに導入されたシリーズ21の車両はその点を上手に処理しています。

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(シリーズ21の一般型車両。どちらも大阪阿部野橋駅にて撮影)

本来の直線的なルートをあえてクランクにし、滞留しそうな場所を通路としました。この場所で留まるということは通路でたむろするという事につながり、あまり居心地のいいものではありません。コレを見たとき私は『スゲエ!』と思う反面、ちょっと寂しいという感じてしまいました。

 

 で、コレをもう少し発展させたのが『運転台を取っちゃった』というもの。

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(左:阪急電車さん、右:京阪電車さん)

先ほど『支線運用』のお話をしましたが、その支線運用を前提とした運転席のある車両といえども運転席があるだけでメンテナンスが結構かかります。ぶっちゃけ『手間』ですし、税金面などで結構支障があると言われています。『やっぱり運転台はいらない、でも将来的に使うかもしれないので運転席のスペースだけは開けておこう』という鉄道会社の考えが見え隠れするのがこのパターンです。

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運転台は取りましたが、まだまだ何らかの形で再度使うかもしれないという『勿体無い』精神、これはワンガリ・マータイ氏が国連の会議で発表する前、『鉄道は環境に優しい』ということを交通政策審議会陸上交通分科会が会議で取り上げる前から鉄道会社はやっていたのです。

 

 最後にご紹介するのは、時代の波に翻弄されて忘れられようとしているスペース。

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いわゆる『電話室』です。新幹線などの車内にいますと昔は『**県からお越しの**様、お電話がかかっております。近くの公衆電話までお越しください』という車内アナウンスがあったものです。現在では各々が携帯電話を持つ時代となり、今や風前の灯。鉄道会社によっては撤去したり、携帯電話用のスペースとしてリニューアルされたりしています。そして、この項目にも我らが京阪電車さんが登場してしまいます。

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特急用車両の3000系と呼ばれる車両です。一部車両は富山や大井川の方へ栄転しておりますが、京阪電車さんの中でも現役バリバリで活躍しております。

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どうしても京阪の3000系といえば『自社工場で部品を調達して、自らの手で改造したダブルデッカー』 であるとか、『運転台のある場所を撤去して、後から違う車両の端をくっつけたNゲージばりの車両』が注目されてしまいます。しかし注目しなくちゃいけないのはこの編成に設置されている電話室。それがコチラ。

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…テレビの横に大きな部屋。そう、これが京阪特急の電話室です。

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本来なら電話室として使われなければいけないのですが、京阪電車の沿線ではあまり電波の状況がよくありません。大阪・京都のターミナル部分は地下ですので使えません。ましてやテレホンカードを使わないといけません。そんな状況から最近ではこのスペースを本来の目的で使用する人がほとんどいらっしゃいません。

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(ほぼ正方形の寸法になっている。読書も快適)

まして3000系の電話室は元々4人分の座席があった場所(同じ特急用車両の8000系が2人分の座席スペース)。そのために結構な広さだったりします。 そのためラッシュ時はサラリーマンの有意義な読書スペースとして、また日曜日はカップル喫茶のような使い方として本来意図した以外の使われ方をしています。この場所に入ってみましたが、確かにこれはボーナススペース。何人にも迷惑をかけることなく滞在することが出来ます(もちろん本来の用途とは懸け離れていますので、利用する際は迷惑をかけないように)。

…ただ、一人用のスペースがあってもそれは孤独ではありません。我々は独りじゃありません。あるサイトのトップにはこう書かれています。

『Only is not Lonely.』って。

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2007年4月 6日 (金)

牛若丸に乗って

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 京都市の北、通称『洛北』と呼ばれる地域にある名刹『鞍馬寺』。ここには参拝者の便宜を図るために『ケーブルカー』が設置されています。

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正式名称を『鞍馬山鋼索鉄道』というこのケーブルカー、実は日本で唯一の『宗教法人が運営する』鉄道だそうです。名刹への参拝者に配慮し、公共交通機関が設置されるというケースは日本各地に存在しています。お遍路さんの足として活躍されている四国ケーブルさん、京阪電車さんの男山ケーブル、南海電車さんの高野山ケーブル等が該当されます。しかしこの『鞍馬山鋼索鉄道』の場合、設置されている場所がすべて境内の中。そのため宗教法人である鞍馬寺さん自らがケーブルカーを設置することになったようです。

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(鞍馬寺の模型。写真中央の直線部分をケーブルカーが走行している)

このケーブルカーが完成したのが1957年、当時は一般的な鉄道方式のケーブルカーだったそうです。現在はゴムタイヤ方式のケーブルカーとなり、鉄道車両特有のレールの繋ぎ目の音というのは無くなりました。ゴムタイヤなので比較的揺れず、そして静かに走行しています。

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ただ『宗教法人』といえどもれっきとした『鉄道事業者』であることには変わりありません。作務姿の乗務員さんがケーブルカーに乗務され、運行の安全をきちんと見守っています。

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鞍馬鋼索鉄道の山門駅は普明殿と呼ばれる建物の横に設置されています。一見すると駅舎とは思えない佇まいです(といいますか、本当に宗教の施設なのでこの扉を開けると仏様が鎮座しています)。

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一方の多宝塔駅は名前の由来ともなった多宝塔の存在に配慮した簡素なつくりとなっています。こちらは休憩所の中に設置された階段を降りるようになっており、ここにも奥ゆかしさが感じられます。

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(左:山門駅、右:多宝塔駅。どちらの駅舎も柱や梁は朱色に染められて独特な雰囲気)

営業距離は約200メートル、時間にして約2分少々という運行時間の合間には車内放送で女性の声による説法の様なアナウンスが流れます。美しき緑の中にポツリポツリと現れる灯篭の朱。今回春先に訪れたのですが、ここは秋になると紅葉がとても美しいでしょうねぇ。

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 そして今回最も重要なポイント。このケーブルカー、実は運賃という制度がありません。『鞍馬山鋼索鉄道』は日本で現在唯一運賃を徴収しない鉄道なんです。ただし、乗車する際には鞍馬山内の施設を維持するために『寄付』していただくようお願いしているそうです。寄付はその人の心添えなので幾らでも構わないそうですが、片道100円出して頂くとありがたいそうです(注意:これは鉄道事業として料金を徴収する運営を行うと税務署に『収益』として計上しなくてはいけないからなんだそうです。その点『寄付』ならば収益とはならないので頂いたお金はすべて施設維持などにまわすことが出来ます)。寄進するとお礼として「はなびら」が贈呈されます。この「はなびら」を提示することでお寺の施設であるケーブルカーを使用できるというシステムとなっています。

 

ま、「はなびら」って俗世間でいう「乗車券」ですな(ボソ)。

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鞍馬寺さん自体は『参拝は己自身の足で行う』ことを推奨しており、ケーブルカーの案内看板の傍には『おすすめ』と書かれた看板があります。ケーブルカーを使うのもいいかもしれませんが、お時間と天候がよければ木漏れ日の下を歩くというのもなかなかオツなものではないでしょうか。

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…私はヘルニアと花粉症の為登りだけ使いましたが(泣)。

 

 

<オマケ>

Kurama20 「はなびら」のウラには牛若丸の絵。萌え。

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2007年1月16日 (火)

輝きは君の中に

 時代が変わるときというのは唐突にやってくる。最近そんな気分がしています。歴史の教科書を紐解いてみても、『ああここからこういう感じで時代が緩やかに…』なんていうのはほぼ見当たりません。(語弊はあるかもしれませんが)明治維新もそうでしたし、平安時代から鎌倉時代に変わるときもそう。唯一混乱していたのが『戦国時代』…だったような気がします(この点色々と言いたいことがある方もいらっしゃるかもしれません。何せ私日本史は高校時代に最高で3しか取ってません。何卒御容赦ください)。鉄道に関してもそうです。昨今はメンテナンスフリーという言葉に代表される『銀色の電車』が各鉄道会社で次々と登場しています。

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昨今株式問題で話題になりました阪神電気鉄道も西大阪線が難波へ延伸することもあり、その乗り入れ対応車両として1000系を導入しようとしています。自社系列だった武庫川車両という車両製造会社がメンテナンス業務に特化したこともあり、この車両は近畿車輛という会社で製造されました。ちなみにこの近畿車輛という会社、偶然かどうかはわかりませんが乗り入れ先の近鉄電車の系列会社だったりあします。

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阪神電車といえばあの独特な色使い。ちなみにこの色使いにも理由がリまして、青色系統の車両を『青胴車』、赤色系統の車両を『赤胴車』と言われて主に『青胴車』は各駅停車、『赤胴車』は優等種別と用途を分けて運用しています。これは阪神電車の各駅間が短い、つまり短距離でトップスピードに登りつめる為の工夫を『青胴車』に施しているからなんです(一時期あるテレビ番組で話題になりましたが、個人的には…)。今回導入される1000系も暖色系統を車体に施していますので、優等種別優先の運用となるようです。

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ただ難波延伸時に乗り入れるのはこの1000系だけではありません。もう一つ阪神電車には光り輝く車両が在籍しています。それが9000系という車両です。

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銀色に輝く異彩を放った車両、シンプルでありながらも阪神らしさを所々に兼ね備えたデザイン、この車両は現在阪神梅田駅から山陽電車の姫路駅までの長距離を走行する『直通特急』にも使用されています。本来ならば普通の人にとって「ああ、新しい電車できたんやね」程度で終わってしまう新車の投入も、この9000系に関しては格別の思いを感じる方々も多いかもしれません。

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この9000系が導入されたのは1996年、沿線にある川崎重工という鉄道車両製造会社に6両5編成(30両)が一括して発注されました。発注したという事は、それだけの車両が廃棄処分されたということです。その原因は1995年1月17日、阪神・淡路大震災です。

 阪神電車は都市部に路線を敷設したという事もあり、なかなか大きな車庫を設置することが出来ませんでした。そのため沿線の各地に留置線というものを作って、そこに電車を留置しています。そのため地震による車両の単独での脱線が多数発生しました。また、車庫も高架上に敷設していたため地震によってその高架が崩壊、廃棄せざるを得ない車両が多数発生する事態になってしまいました。阪神電車の車両を製造していた武庫川車両の規模は小さく、一気に多数の車両を製造することはできません。川崎重工さんに一括して発注し、製造されたのがこの9000系という車両なのです。震災当時、阪神地域在住だった私の友人が言っていました。

「この電車を見ると、色んなことを思い出すんや。それにこの電車銀色やろ?電車待っててこの電車来て止まったら、ボンヤリ自分の顔が見えるねん。今のオレってなんやろうな、助かってよかったんやろうか。あの時の人らはどう思ってんねんやろうか…って。」

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その9000系、難波延伸用の車両として様々な改造されるそうです。震災の悪夢を振り払うかのように登場した9000系は、また新たなる時代をその銀色の車体に映し出そうとしています。

 

 

追伸:それにしても1月17日にメンテとは。ちょっと粋じゃないなぁ>ココログ。

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2007年1月13日 (土)

時を書き写す・実践編

 市販の時刻表からダイヤを読み取って書き写す。…文章に直すとたった21文字の行動なのに、何故か問題が沢山ありました。まずは書き写す路線をどの路線にするのかという事。単線区間だとものすごく楽になりますが、それだとあまりにアッサリと終わってしまいます。また複雑すぎるのも考え物です。ダイヤグラムというのは単純な構造ゆえ簡単に書き記す事が出来ますが、パッと見ただけで理解されなければ役に立ちません。複雑さの原因は首都圏や関西地域などに存在している『複々線』という路線形体にあります。

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(JR西日本東海道線の複々線)

これらの路線は高速で走行する種別の車両と各駅に停車する車両を別の線路に用意し、運行系統を分けることを目的として敷設されています。確かにこれだとダイヤの設定も楽になりますが、これらを一つの図面に書き込んでいくと一見ではなかなか理解しにくい状態となります。また関西地域の鉄道会社はこの複々線をラッシュ時など有効に利用している場合があります。京阪電車の場合、本来各駅停車用として敷設されている路線に通過する列車を走行させ、他の優等種別の列車を次々と通過させています。これは大胆且つ画期的な方法として一部の方々の間では有名なお話となっていまして、そのためにダイヤグラムはますます複雑になっています。

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(私を悩ませた複々線の信号所・写真は吹田信号所)

違う面で有名なのが京都駅から関西空港・紀勢本線へと走行する系統の列車です。利用客に便宜を計る為、かなり複雑な運行経路を示している場合があるのです。例えば関西空港へ向かう『はるか』という特急、この列車の運行経路を文章で説明しますと

『京都駅~嵯峨野線(山陰本線)・貨物線~向日町駅~JR京都線(東海道本線)~吹田信号所~貨物線~新大阪駅』(青字の部分だけ本来の複々線・これは関西空港行きの場合だけで、京都行きの場合新大阪駅からそのまま複々線に乗り入れる。)

…ね、ややこしいでしょ?このあと『はるか』は梅田貨物線と大阪環状線、関西本線を通過してようやく関西空港へと繋がる阪和線へと走行していきます。これらの列車も考慮してダイヤグラムを書き込みますと、そのダイヤグラムを判読する行為そのものが『神の領域』に入り込む可能性があります。私はちょっとおかしいところもありますが、どこにでもいるようなタダの味気ない人間です。そこまで高望みは致しません。でも、色々な列車が走っているところのほうが見栄えもいいですし、書いていてちょっと面白いかも…。そこで思いついたのが…。

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(交通出版社発行・JR時刻表2007年1月号より)

JR九州鹿児島本線・博多~鳥栖間。この区間は現在の日本の在来線の中で最も高頻度の特急列車が走行している区間であり、車両も電車・気動車・客車と多種多様な状態。これはく私に『ダイヤグラムを書き起こすのだ』と命令しているかの区間であります。それでは早速ダイヤを書いてまいりましょう。現在パソコンでは時刻表の数字を元にダイヤグラムを製作してくれる『WinDIA』なるフリーソフトが配布されていますが、今回はあえて

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方眼紙、つまり手書きで再現していくことにします。1ミリの隙間を縦軸は距離、横軸を時間と設定します。1ミリで100メートル、1ミリで1分にしたところA4サイズの紙では足りないという事態に。急遽紙を継ぎ足し、書き記す際のことも考えコンビニでコピー。B4サイズとなった方眼紙を一気に貼り付けていきます。

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…長いなぁ。24時間分になったのでほぼ2メートル分の長さとなりました。あとはここに記載していくだけです。…そう、ここまでは楽しかった。夢の様な世界、私が中学生の頃体験していたバブル経済を思い出すかのような順風満帆の世界がこの時広がっていました。しかしその世界は即座に打ち砕かれることとなります。

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書き始めたのは1月の8日、世間では成人の日として大人の世界へ一歩踏み出した若者を祝う日です。その祝う席で酩酊した少年が起こした事件を『未成年だから』という理由で「19歳の少年」と伝えるテレビの報道はどうなんだろう?…なんて思いながら赤いペンを紙に走らせます。ちなみに赤いペンは熊本方面へ向かう『リレーつばめ』・『有明』号を示しています。そう、この頃はまだ『大変だけど頑張るぞ!』という思いがありました。

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1月9日、順調に見えたラインの記載が徐々にヤバい状態になってきました。よく考えれば『リレーつばめ』だけで片道31本、これに『有明』が15本。単純に往復したとして92本の線を書き連ねなければいけないワケです。好きで始めた行動なのに何故か思い浮かべるのは『行き当たりバッタリ』で進めてしまったという後悔の念。それに追随するかのように過去の過ちが脳内に溢れ出します。…ああ、あの時きちんと告白しておけばよかったとか、あの会社に入社しておけばこんなことにはならなかったとか。

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1月10日、作業の進展を加速させた途端に間違って記入。ああなんて事をしたんだ、とまた自分を責める始末。しかし責めていても始まりません。まだまだこのダイヤグラムに書き込まなければいけない列車は沢山あります。長崎本線へと向かう『かもめ』に佐世保へと向かう『みどり』、森の家へと向かう『ハウステンボス』、久大本線経由の『ゆふいんの森』『ゆふ』『ゆふDX』、そして忘れてはならない夜行列車の『あかつき・なは』と『はやぶさ』…。

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煌々と照らされる明かりの中、私は何時の間にか眠っていたようです。『思わず手元にカメラがあったので撮影してみた』と兄に言われ、画像を確認。その時苦悶に満ちた表情からは一体夢の中で何があったのだろうかと思えるほど。

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そして1月11日。ここで大いなる決断を私はすることにしました。『今回は普通列車の記載を取りやめて優等列車のみの記載にする』…。事実上のドクターストップです。

やられました。JR九州にコテンパンにやられてしまいました。

特急王国と言われて久しいあの鹿児島本線に。K-1に例えるならば『曙』、紅白歌合戦に例えれば『DJ OZMA』。思えば無謀な戦いだったのかもしれません。しかし、無謀な戦いとはいえまだ終わらすわけにはいきません。『例え倒れる時でも、必ず前のめりに。』勇者特急隊もそう語っています。そして深夜23時24分…

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九州旅客鉄道株式会社鹿児島本線・博多~鳥栖間優等列車用ダイヤグラム、堂々完成!

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…長かった、本当に長かった。思いつきが元で始めたこの行為、誰からも褒められるわけでもなく、ただ純粋に書き連ねた行為が今ひとつの形としてこの世の中に現れました。形にして気づいたのですが、この一本のラインには必ず人が携わっています。乗客の皆様だけでなく、運転手さん、車掌さん、客室乗務員さん、そしてお客様…。そう、このラインは人生に関わる大きなラインなのだということ。鉄道会社のダイヤ担当者の方々はその思いを乗せてこのラインを引いているのかと思うと何故だか急に胸が熱くなってきました。

…人の英知が結集されたこのダイヤグラム、私は彼らの思いを感じつつ今年も『鐵の道』に精進してまいります。

 

 

(オマケ)

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あのままだとジャマなので、とりあえず丸めてみました。なんだか卒業証書みたい。

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時を書き写す

ご案内:2007年1月26日19時38分に「時を書き写す実践編」へのリンク、ウィキペディアへのリンクを追加しました。

   鉄っちゃんの『バイブル』と言えばもちろん時刻表。

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鉄道の情報のみならず、国内外の航空にバス、フェリーの時刻、そしてホテルやレンタカー会社などの電話番号に舞台芸術のチケット情報等々様々な情報がぎっしりと詰まっている情報の玉手箱。情報量の多さと反比例するかのような1050円(税込)という低価格ぶりと適度な厚さによって急場の枕代わり…と、まぁ色々な使い方があります。私なんかはこの時刻表一冊あれば2時間程度は遊んでいられます。一人ぼっち、し放題です!おーい、誰か助けてくれー。

 しかし最近伝え聞いた情報によりますと、時刻表を読めないという人が増えてきているそうです。確かに現在は携帯電話をピピピッといじって乗換え案内を導き出しますから、それなりに読む機会というのが無くなってきたのかも知れません。時代の流れと言ってしまえばそれまでなのですが、ちょっとそれは寂しすぎます。そこで今回は時刻表を取り上げます。

 市販されていたり、ダイヤ改正(会社によっては改正ではなく改定や修正など色々な言葉で表現しています)する度に配布される路線を限定した時刻表、そして駅構内などに用意されている到着時刻が記載されているボード、これらは本来業務用として使われているものを判りやすく標識化したものだというのは意外と知られていません。

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(左:大阪駅で配布されていた時刻表、右:南海電鉄住吉大社駅構内の時刻表)

その業務用のダイヤ、本来の名前は『ダイヤグラム』と言います。その時間にどの列車がどの位置を走行しているのかが一目瞭然、とっても明快に判るものになっています。(ウィキペディアのダイヤグラム説明はこちら)。しかしプロでも鉄ちゃんでもない人間がいきなり渡されて、どこにどの電車が走っている?と聞かれたってサッパリわからないのがオチです。ちょっと解説していきましょう。

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ダイヤグラムは縦軸で路線全体の距離と各駅間の距離、横軸で時間の経過を表しています。その間にラインを書き入れる事によって該当する列車がその時刻にどの場所を走行しているかを示しています。鉄道会社や列車の運行本数、路線の駅数によって間隔はバラバラになっていますが、どの鉄道会社も基本的な構造は同じです。それでは実例を挙げて詳しく説明してまいります。

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この図面では2時間に3本の列車が走行しています(えらいローカル線やなぁ…)。そのうち②の列車は各駅の間が水平になっています。この状態を『停車』と表します。また①と③は全ての駅を通過している設定ではありますが、同じ距離でありながら走破する時間が違います。これはそのダイヤで走行している列車の性能や路線の特性、単線区間での行き違いなどを考慮してのことです。ちなみにこの状態のことをプロは『(スジを)立てる』『(スジを)寝かす』と表現しています。④の駅間は①と②の列車が交差していますが、こういう表記は路線が複線でなければ出来ません。単線の場合だと正面衝突を引き起こしてしまいます。

…このようなダイヤグラム、作り出すのは結構大変な作業になるそうです。今回、このネタを調べている最中にふと思いました。…私の様なアンポンタンな人間はダイヤ制作者の方々の苦労をまったく理解していないのではないか。その苦労を知らず頭ごなしにアレだコレだと言ってはいないだろうか…と。それならば現場の人たちの苦労を理解する為に、一度ダイヤグラムを書き起こしてみよう。書き起こす事によって彼らの苦労を分かち合えるのではないだろうか。

…さぁ、いよいよ本題に突入です。(実践編はこちらをクリック)

Diadoor (思えばこの時が一番楽しかった)

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2006年12月 1日 (金)

電車が走る風景

 今回もまた京阪電車のお話でご機嫌を伺います。

この京阪電車、名前どおり京都と大阪を結んで今日も走っているわけですが、これ以外に琵琶湖で有名な滋賀県にも線路を所有しています。その路線は通称『大津線』と呼ばれていますが、一部の人たちからは『京津(けいしん)電車』と呼ばれています。京都と大津を結んでいるから『京津』。…わかりますね?もちろん独自規格満載の京阪電車ですから、この路線もとってもネタの宝庫だったりします。まずは鉄道マニアでないと意外と判りにくい場所から。

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この京阪大津線の線路、よーくジックリと見ますと線路の勾配を示す標識が所々に点在しています。その数値がハンパじゃないんです。

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この数字だけを見ると「なんだろう」と思われる方がいらっしゃるでしょう。この数字の単位は「パーミル」(記号は『‰』)。簡単に言えば1000メートル走ったら何メートル上昇するのかを示しています。左の写真ならこの坂は1000メートル走行したら38.8メートル登ります、右の写真だと40メートル登りますよ…と説明しています。実際問題として鉄道は摩擦係数が少ないレールの上を走行している為、こういう勾配が苦手だったりします。この路線の過酷さを例えるならば、スケート靴で登山しているようなものです。そう理解すると「なんてすごいところを走るんだ!」…と思われるでしょう(※)。その勾配に対応するべく、この路線を走行する車両は皆勾配に対応した設備を搭載しています。

また、この傾斜を緩やかにするためか沿線のいたるところに急カーブが設けられていまして、そのカーブに電車が差し掛かるとカーブを円滑に通過させるために水が自動で散布されます。

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(散布される水。カーブがきついところは必ず設置されている)

通常なら油を塗るのですが、それだと環境に悪いじゃねぇか!と言わんばかりに水をザンザンと散布しております。その姿はまるでスモークの中から登場する演歌歌手。うーんステキ。

(※:こういう傾斜で有名になったのが信越本線横川駅の『峠の釜めし』であり、奥羽本線峠駅の『峠の力餅』。どの駅も傾斜を解決する為に駅へ長時間停車していた際売られていたもの。もちろん美味しいから名物になったんですけどね。)

そういう斜面やカーブがある一方、京都市内はなんと地下に潜り込んでおります。

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(ホームドアで見えにくいですが車両は京阪大津線の車両)

元々この京阪京津線は京都市内に併用軌道区間がありました。しかし、その併用軌道が渋滞の原因となったことや、ちょうど同じ場所に地下鉄を建設するという計画ができたということも重なりまして、現在はその地下鉄(京都市営地下鉄東西線)の路線に乗り入れるという形体になっております。

でも、これだけならどこかで見た風景。カーブがきついというのも関西の私鉄であればどこかであります。斜面がきついというのも神戸電鉄や箱根登山鉄道では日常茶飯事。最もこの大津線で変わっているのは浜大津駅に辿り着く際、いよいよ終着駅にたどり着くという時です。

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(この写真は合成ではありません。浜大津駅周辺ではこれが日常)

ご覧の通り、『地下鉄』であり、『登山電車』でもあるこの車両、最後の最後には『路面電車』となります。この上栄町駅と浜大津駅の間は併用軌道となっており、車と共存して走行をするという区間となっています。

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改めてご紹介いたします。この『地下鉄』と『登山電車』と『路面電車』という三役を柔軟にこなす車両の名前は800系。京阪電車の公式大津線サイトでは『新幹線よりも(制作費が)高い電車』として紹介されています。

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(ちなみに電車の中から見ると併用軌道区間はこんな感じ。スリルが満載)

地下鉄の京阪三条駅から乗って、僅か30分の間に『地下鉄』から『地方私鉄』になったかと思えば急に『登山』を始め、急カーブを潜りぬけ最終的に『路面電車』になるというこの電車、冷静に考えれば所謂『LRT』というのはこういうものを挿すのかもしれません。だけどもこういうインパクトが強すぎる路線が日常に溶け込んじゃっているって大丈夫なんでしょうか。(まぁ大丈夫だから走らせているんですけど)

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(もちろん併用軌道区間ですので車と同様に信号を守って停車。)

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(左:電車専用の進行信号。右:地下鉄に対応するべくちょっと速度計の周囲が独特)

実はまだまだ大津線にはネタが沢山隠されています。この大津線に接続している路線の名前は『石山坂本線』、「いしやまざかほんせん」ではなく、「いしやまさかもとせん」と読むちょっとややこしい名前であったり、集客アップを目指して冬季に『おでん電車』なるイベント列車も実施していました。また石山坂本線の沿線には雄大な琵琶湖と寺社仏閣、そしてデカ盛りで有名になった美富士食堂もございます。そんな大津線、皆さんも一度訪れてみては如何でしょうか?

最後にあまりにも日常的になっているけれどやっぱりインパクトのある『併用軌道上を走り抜ける800系の映像』をご紹介してこの項目を終了させて頂きます。またのご閲覧、お待ちしております。

 

 

<オマケ>

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日本一『細長い美術館』…、大阪モノレールの方が長いんだけど。

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2006年11月17日 (金)

保存館へようこそ。

 このところ「レールウェイコンシェルジュ」のアクセス解析を見ておりますと、色々なブログにて当ブログをご紹介頂いているようです。本当にありがとうございます。これからも皆様に鼻で笑っていただけるような内容を目指して邁進してまいります。ご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

 …ただ、流石に「高速そば」を食べに行ったり、大福駅で大福を食べたりしているという記事がメインになるというのは鉄道を趣味とする人間としてではなく、人として如何なものか?…と悩むこともある次第でして、今回はちょっと息抜きと言いますか、基本に帰ると言いますか、まぁ単純に鉄道に関するイベントを見てきましたのでソレをちょっとご報告させて頂きます。あ、今回は地べたに寝転がったりしません。あしからずご了承ください。

さて、そのイベント。先月はちょうど『鉄道の日』がありましたので、各鉄道会社さんはこぞってイベントを開催しました。普段は見ることが出来ない貴重な資料を見たり、乗るだけだった電車の違う側面に触れることが出来るので、開催される日は小さなお子様から大きなお友達まで沢山の人々で賑わいました。…ただ、『鉄道の日』というのを意識している為、どうしても同じ様なイベントが同じ日に重なってしまうのは残念なところもあります。実際それを意識したのかどうかはわかりませんが、大阪市交通局さんは今月(11月12日)に車庫を開放するイベントを開催しました。

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イベントが開催されたのは緑木検車場。路線で言いますと四つ橋線の北加賀屋駅が最寄駅になります。普段は四つ橋線などで活躍している車両が佇むこの場所、実はこの検車場には大阪市営地下鉄の車両と路面電車の保存館が併設されています。

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普段はあまり見る機会の無い鉄道車両の精巧な模型に大切に保存されているゼブラに色分けされた昔の大阪市営バス、そして市電保存館には過去の栄光をそのままの形で残している車両と停留所の場所を示していた電照ポールが保管されています。市電の中には2階建ての様になっている車両もいい状態で保管されております。その一方で普段私の様な鉄道を弄…もとい、携わらないような人間にとっては保存館と同じ位魅力的なものが展示されています。多分工事用の車両なのでしょう。ただ、ソレがどのような用途で使われるのかが一発でわからないところもまた魅力。

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 しかし、これらの歴史的価値が高い車両よりも私の目に魅力的に映ったのが新30系と呼ばれる車両です。

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大阪で万国博が開かれる際に製造されたこの電車、私が幼少の頃画用紙に『地下鉄』と言ってはこの車両を書いていた覚えがあります。独特のビートと銀色に輝く車体に新しい時代を重ね合わせていたのでしょう。当時は扉に付いていた窓が小さく、背の低かった私は親にせがんではこの車両の小さな窓から大阪の街並みを見ていました。その車両も盛者必衰の理を表すかの如く、活動の範囲を狭めていきました。今は時代に則した改造(冷房の取り付け、バリアフリー対応)を行って谷町線を軽快に走行しています。

さて、どうしてこの車両に釘付けになってしまったのか。今回この車両は今年開通します地下鉄今里線のPR展示用として使用されていましたが、そのPRよりももっと目立ったモモのが車内にありました。それがコチラ。

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…そう、車内の広告です。廃車された当時のものをそのままにしているから驚きです。本来こういう保存車両の広告は撤去されるか自然と朽ち果てていくかのどちらかですが、何故か大阪市交通局の場合そのままにしています。

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…クレヨンしんちゃんの顔を御覧ください。まだ「丸い」です。現在の様に人間の骨格を成していない形ではありません。一方の雑誌広告には大きく『国産で悪いか!』の文字。現在日本の自家用車が世界を席捲していますが、この当時はまだまだ若者の憧れと言えば外車。国産車に乗っている人間はダサいとまで言われた時代、おもいっきり時代がわかりますねぇ。

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NOVAの広告にはウサギではなく「敦夫さんに聞いて」と言うおばさん、『白鳥麗子でございます』がちょうどドラマ化したのもこの時代でした。  大阪らしい広告の代表格『551の蓬莱』もコンビ時代のなるみさんが掲載されています。

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一方では時代の流れによって過去形でのみ語られる企業の広告もあります。現在は「もっこりもこみち」な会社のCMキャラクター、昔は「どっしり敏行」。ファッション専門で営業していた量販店も名前を変えてしまいました。路線図もかなり過去のもの。横に微笑んでいる広告も「どっしり敏行」の会社のもの。掲載されている女性のファッションに時代を感じます。せっかくのPRブースだったのに、大人は「あの頃を思い出す」、こども達は「運転台まで入れる車両」、大きいお友達にとっては「原型の30系だあ!」…と全く違った用途として活用されてしまっています。

この<広告をそのまま保存する>という行為、実は路面電車でも行われております。廃止直前まで使われていた市電の車内には、廃止になる旨の広告と記念式典の案内がそのまま展示されています。

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市電が走っていたことを知らない私にとっては新鮮に映るこの広告。撮影していた時初老の男性がお孫さんらしき子供を連れて来られ、その子に語りかけていました。

「この間天王寺の駅前から乗った電車と一緒やで。おじいちゃんはな、この電車に乗ってここからここの学校に通ってたんやで。遅かったし混んでたけれどな、なーんかよかったんやなぁ。この電車に乗ったらホッとした。何で無くなったんやろなぁ。」

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…。私も将来あの30系の車内に掲載されている広告を見て、こども達にこういう会話をすることになるのでしょうか。歴史として残している車両が、このようにあの頃を思い出させる装置となっている。ちょっといいなぁ…と思う秋のイベントのヒトコマでした。

 

 

<オマケ>

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(人気者のぴたポン!さん。行動力バツグンの大阪のこどもに襲撃されていた。)

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2006年10月14日 (土)

予想外な吊革

  当ブログが開設された直後に掲載した『京阪電車・匠の技』にて『京阪電車は本末転倒な会社』だと書かせて頂きました。モノは試しとばかりにデイリーポータルZさんの『コネタ道場』に投稿してみますと、なんとそのコネタが採用されてしまい、多数の皆様にアクセスして頂きました。本当にありがとうございます。

で、今回もその京阪電車のお話です。当ブログでは『本末転倒な心意気』と京阪電車のことを称していますが、私は京阪電車のことが大好きです。他には見られない独特の個性と拘りが生み出す風情は、残念ながら他の鉄道会社には作り出せないと思っています。しかし、その個性が最近薄くなってきていると思うのです。その顕著な例が京阪電車の車内にあります。

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…そう、吊革です。吊革なんてどれも同じだよと思われる方も多いでしょう。ちょっと過去の写真から吊革だけ抜き出してみましょう。

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(左:広島電鉄グリーンムーバーさん、右:近鉄電車シリーズ21さん)

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(左:国鉄201系さん、右:JR西日本223系2000番台さん)

…パッと抜き出してみても普通の吊革です。しかし、京阪電車の吊革は他の鉄道と違い、普通の吊革ではないんですね。それがこちら。

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(写真は9000系)

…お判りでしょうか。右と左の吊革。扉付近にある吊革の形状をよーく御覧ください。左の吊革の形状がちょっと変わっていませんか?それでは左側の吊革を違う角度から見てみましょう。

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…この吊革、本来ならパイプの真下に付けられなければいけないのに、何故か真横に突き出て設置されています。実はこの吊革。

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…なんという事でしょう!吊革を握ると自動的に下へ降りるではありませんか。使用時には従来の高さまで下降し、通常の時は乗降の妨げにならぬよう上へと上昇する仕組みとなっていたのです!職人が織成す心遣いと京阪電車の乗客へ対する愛情が見事形となって我々の前に形となって現れたのです。

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…このギミックは京阪電車の通勤型車両(黄緑と緑の車両)全てに設置されていました。しかし、ここ最近車体の全検と共に取り外されており、この吊革があった場所には他の鉄道にありがちな小さい吊革が鎮座しています。もうこのギミックは過去のものとなってしまったのでしょうか。確かにこの吊革も『本末転倒』なところはあります。でもこういう小さな『拘り』こそが京阪電車ではないかと思うのです。

当レールウェイコンシェルジュは、これからもこういうギミックを採用する京阪電車を応援します。

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2006年10月 6日 (金)

世界一長い芸術

いよいよ10月に突入しました。後半戦のスタートです。当「レールウェイコンシェルジュ」もお読みになられている皆様方に鼻で笑っていただけるようなモノを目指してこれからも精進してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、皆様方にはお伝えしておりませんでしたが私、大阪にあります某芸術大学の出身だったりします。しかも在籍していた学科というのが「芸術全般をプロデュースする」という趣旨の元設立された学科でした。もちろん己のプロデュースすら出来ない人間がどうして他人をプロデュースできるのか?…という自虐的なお言葉も頂戴しておりますが、そこはソレ。今回は秋の気候に誘われて「芸術探訪」へと参りましょう。

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(駅には美術展の宣伝ポスターが。こういうのを見ると秋だと感じる)

皆様は「芸術」という言葉を聞いて『格調高いもの』『美術館にあるもの』と認識されておられるのではないでしょうか。確かにそう考えられるのも無理はありません。美術館という特殊な場所で、格調高くポンと置かれている段階でちょっと敷居が高いと感じられる場合もあるかと思われます。今回はもっと身近に芸術に触れられる場所をご紹介いたしましょう。

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というワケでやってきたのが大阪空港へのアクセス路線として利用されている『大阪モノレール』の門真市駅です。大阪空港から千里中央、万博記念公園を通って茨木市・摂津市、そして門真市へと走行しているために『世界一長いモノレール』としてギネスに登録されています。昨今は東京モノレールから直接きっぷが買えて利便性も向上、第3セクターの鉄道でありながら単年度黒字を計上するなどなかなか明るい鉄道会社だったりします。で、実は各々の駅全てに芸術作品が展示されているというのを皆さんはご存知でしたでしょうか?

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(左:大阪モノレール万博記念公園駅、右:大阪モノレール蛍池駅)

大阪府が収拾していた芸術作品を温存しておくのはもったいないと、広く一般の方々に鑑賞してもらえるよう大阪モノレールのコンコースに置いた…という経緯があります。確かにこれらの作品はモノレールの味気ない駅舎にとっても一つのアクセントとして有効活用できていると感じます。今回大阪モノレールの駅を全て回りまして鑑賞させて頂きましたが、その作品のどれもが私の感性を豊かにさせてくれました。本来ならば移動するだけの交通機関であるモノレールが、一つ一つの画廊へと移動させてくれる回廊のような役割を担ってくれていた…と思うと、この大阪モノレール美術館という制度は実に有益ではないでしょうか。…しかし、残念な事に作品の大きさや駅舎のスペース等の都合によって芸術作品そのものが他のものと混在してしまった結果、密やかに設置されてしまっている駅があったり、設置されている箇所が美術品にとっていいのか?という駅がありましたことだけ付け加えておきます。

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(さてどこに作品があるのでしょうか?)

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(左:漠然と芸術作品が置かれている万博東口駅、右:ディフォルメされた太陽の塔の広告が作品より目立っている千里中央駅)

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(大阪空港駅構内にあるモノレール美術館。「美術品をただ空いていた通路に置いただけ」と言われても反論できない。中央の赤いオブジェは埃だらけの上にオブジェの中にゴミまで捨てられていた

ただ、調べれば調べるほどこの大阪モノレールは芸術的な要素がたくさんあります。北欧のある国の地下鉄を「世界一長い美術館」と紹介していた記事がありました。その国の地下鉄の駅構内を芸術家達が装飾を施したためにそういう名称になったそうですが、こちらは駅構内の美術品だけではありません。この大阪モノレールの全てが「芸術」と言っても過言ではないと思われます。正に「世界一長い芸術」なのです。その芸術の中で一番我々の眼に飛び込んでくると言えば、この大阪モノレールの車体ではないでしょうか。

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…いわゆる「ラッピングトレイン」という広告を施した車体です。まぁこれが大阪らしい色彩感覚を施したものでして、宣伝効果はバツグンと言っていいでしょう。元々モノレール自体高い場所を走行する場合が多いので、このような広告を施そうと考えるというのは見事!としか言いようがありません。もちろんそれで芸術だ!なんて言ってはいけません。大阪モノレールの駅と駅を繋ぐ路線も芸術的な要素がたっぷりとございます。

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(左:淀川に架けられた橋桁、右:近畿自動車道を跨ぐ為に架けられた橋桁)

美しきアーチではありませんか。元々この大阪モノレールが計画されていた路線は、高速道路や主要幹線道路とほぼ同じルートを平行して計画されていましたので、どうしても道路や架線に影響が無いように設計を施さなくてはなりませんでした。その結果、このようなアーチがアーチコチに作られるようになってしまいました。…誰ですか?ダジャレが寒いと言った人は?跨ぐだけではありません。スペースに余裕があるのならば!…と、建物ギリギリな場所をすり抜けている場所もあります。

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(南茨木駅直前。線路の傍にビルがあるためこの部分だけは時速を落として走行する)

モノレールが出来る事を甘味して建物は設計されていますから、建物にモノレールが接触する事はありません。でもなんとなく当たるんじゃないか?というスリルを味わう事ができます。生と死を無意識のうちに感じ取れるというのも芸術性に溢れている!素晴らしいではありませんか。しかもこの建物の横を通り抜けて駅に到着しますと、目の前に我が目を疑うような光景が現れてしまいます。それがコチラ。

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目の前には大阪貨物ターミナル駅へと向かう貨物線がドンと鎮座しております。一瞬これだけ見ると「モノレールが貨物線にぶち当たる」と思われるかもしれません。本来ならこういう構造物が目の前にある場合、モノレールの特性である粘着性を利用して最初に下がってから目の前の構造物を避けるように設計します。しかしこの南茨木駅の場合、大阪モノレールが開通した直後は終着駅でした。終着駅である以上折り返し用の設備(簡単に言えばポイント)を設置しなくてはいけません。その設置スペースを確保しなければいけないためにあえてこういう目線になるような設計になってしまった…と思われます。もちろん設計上安全が確保されているのですが…、これがまた通過する時ちょっとだけ怖いんです。今回この模様を「動画」(要Quick time player)でご用意致しました。列車が柱に近づくと、『チーン』という音が鳴ります。これが『速度制限解除』のサインでして、この瞬間からモノレールは速度を出し始め、柱の真横に当たるのではないかと思わせる位の速度で通過していきます。映像ではわからないかもしれませんが、実際に乗っていますとジェットコースター並。ヘタすればソレより怖いかもしれません。

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(大阪モノレール沿線にある万博記念公園。万博といえば太陽の塔でしょう。Be TARO!)

まとめ。

芸術を探しに今回大阪モノレールを取材しましたが、芸術というのは何も芸術性を意図した創作物だけではなく、身近なところに潜んでいるというのがよくわかりました。今回2日間かけて大阪モノレールの全ての駅を巡り、全ての芸術作品を鑑賞した結果、私の心に潤いが戻ってきたような気がします。皆様も今年の秋は身近な芸術を探求してみては如何でしょうか。

<今回のオマケ>

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(…万博行く前に美術品を見てあげてください。イヤこれマジで。)

追伸:近日中に大阪モノレールの駅構内に展示されている現代芸術の作品をご紹介いたします。お楽しみに。

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2006年9月13日 (水)

珍車・419系~等価交換の法則~

 10月21日、北陸本線の敦賀~長浜間、湖西線の永原~近江塩津間の電化方式が交流から直流に変更されるそうです。その工事の為に9月23日・24日列車の運行時間変更などが予定されています。当該区間をご利用される方はご注意ください。とはいえ、これによって敦賀駅に新快速列車が乗り入れるようになり、敦賀から関西方面への通勤通学が便利になるだけでなく、観光に行くなんてことも容易になります。ああ、水ようかんが私を呼んでいる…ダイエットの障害になりそうでちょっと怖いです。

 しかし、某錬金術師ではありませんが、「人は何かの犠牲なしに何も得る事はできない。何かを得るためには同等の代価が必要になる。」…という理を表すかのように、この直流化によって運用範囲が縮小していく列車があります。

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 近郊型列車・419系。元々は世界初の寝台電車として開発された583系という特急用の車両でした(この車両が改造された背景はウィキペディアのこちらをお読み頂ければ幸いです)。「寝台電車」を無理やり改造して作り上げたという事もあってこの車両、近郊型の車両にしては珍しい箇所がたくさんあります。

珍しい箇所その1:無理やり運転席を付けている。

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元々長い編成だった583系を短い編成し直し、新たに運行させるのですから、必然的に運転席が少なくなるという状態に陥ります。それを解消させる為にこの当時量産していた通勤型車両の103系のデザインを流用したものを作り上げ、新たに運転台として設置させています。一方では昔ながらの特急用の運転席であり、一方では通勤型。そして運用は近郊型という実に「急ごしらえ」感バッチリなものになっています。

珍しい箇所その2:無理やり窓も付けている。

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これは御覧になって頂いて一目瞭然。寝台を格納させるため小さくなった窓に無理やり外気を取り入れるための窓が取り付けられています。子供が顔を出さないよう工夫したといえば工夫したのでしょうが、元々特急用だったこの車両は冷暖房完備。この窓は何だか圧迫感だけ与えているような気がします。

珍しい箇所その3:乗降口も無理やり付けている。

元は特急用車両だったので乗降口は一箇所、しかもいわゆる「デッキ」と呼ばれる部分が用意されていました。寝台電車として活躍していた時代は普通の寝台客車とほぼ同じ程度の静かさを実現していたそうなので、登場当時の乗客にはかなり好評だったそうです。しかし今は『近郊型』。特急用車両は原則としてデッキを一つしか作らない方針でしたので、この419系を作る際新たに乗降口を作るという事になりました。しかし増設する事は容易ではありません。この車両を導入するに当たって当時国鉄内で叫ばれていたのが「経費削減」というお言葉。その結果、デッキ部分の扉を温存しそのまま転用、客室内には新たにデッキで使用されていたものと同じタイプの扉を設置する(というか、どう考えても温存していた機材をそのまま転用)という手段を講じています。

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(旧来のデッキ部分にはゴミ箱がそのまま温存されている)

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(客席に無理やり設置された乗降口。デッキ部分と同じ形を用いている)

その結果客室内にこの扉からビュンビュンと風が入り込んでしまうという状態にまでなってしまいました。利用していた知り合いによると、前出の窓よりも風が入ることもしばしばあったそうです。しかもこの扉、扉が開く際に内側に織り込まれるというシステムなので、床の部分が特異的な形状となり、乗降する際に注意が必要となってしまいました。もちろん特急用の車両で使われていた扉なので『ラッシュ時』の対応は一切考えていない様子。当初導入された路線区から徐々に撤退し、今現在では閑散した地域でのみ活動をしている状態です。その結果、珍しい電車を見る機会が地方都市でも無くなってしまって余計に珍しい車両として認識されるようになってしまっています。

珍しい箇所その4:デッドスペースが多すぎる。

この車両は何度も言っていますが『特急用車両』でした。しかもソレは『寝台列車』として使用できるように設計されたものですので、昼間に走行するような列車ではありえないような設備もありました。そのひとつが「サニタリースペース」。

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見てお分かりかと思われますがこの扉に囲まれた場所、両方とも「トイレ」です。元々寝台列車にはトイレを二つ設置していますが、昼間の近郊型にトイレは二つもいりません。そのためひとつの扉には「業務用」と大きく書かれ施錠されています。我々としてはこの業務用という部屋の中がどうなっているかは判りませんが、多分改造された時のまま担っているのではないかと思われます。トイレがあるという事は、洗面所もあります。従来の夜行列車で使用されている際は洗面所がトイレと同じく二つ用意されているのですが、今回取材した車両ではこの部分が綺麗に取り外されていました。

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(綺麗に取り外されている洗面所があった場所)

改造された直後は撤去するのも面倒だと思ったのか、水周りの上に化粧版を配置し隠すだけという実に男前な封鎖を行っていたそうです。もちろんその場所は完全なるデッドスペース。元々は特急用の車両(何度言うんだろうこのフレーズ)でしたので、通常座席のある部分の通路が居住性確保の為狭くなっています。後年この車両では立席スペースの確保を目的として撤去されたのではないかと思われます。

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(写真で見ると広そうに見えるが、それは天井が高いから)

珍しい箇所その5:使用者を無視した改造。

とにかくこの車両を作り上げた時代の国鉄は、とにかく近郊型の車両がすぐに欲しかったのでしょう。予算も少なく、制作期間も短い間で作り上げた結果、車内には本当に「とりあえず」という言葉で表せるようなものばかりが鎮座しております。前出の増設された扉も、室内に段差がある上に寸法が狭いのでラッシュには向かない構造になっていますし、トイレが2つあるというのも全く無駄です。ましてや洗面所を取り外すことなく単に隠しただけとは。この惨状を加藤みどりが見たらどうコメントを付けるでしょうか?。大きく見てもそれだけ珍しい箇所があるワケですから、細かいところだともっとあるんですね。ソレを全て紹介するとなると大変ですので、ひとつだけご紹介しておきます。それは吊り革。

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設置箇所によって丸型と三角型になっています。これは従来の通勤型車両や近郊型車両でも見受けられていますので、何ら不思議ではありません。しかし不思議なのはこの三角型の吊り革がおかれている位置にあります。この吊り革が付けられているパイプの位置、これを通路から見てみましょう…

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座席の真上ですやん。普通こういう吊革というのは座っている人に対して邪魔にならない場所に設置するものなのですけれども、思いっきり真上。何を意図してこういう場所に置いたのかこの車両のリフォーム設計を担当した匠がもしいるのならば三日見晩掛けて問い詰めてみたいものです。

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 閑話休題。

これほど突っ込み所が満載のこの車両も、北陸本線の直流化と次のダイヤ改正と共に同区間に投入される新型車両によって、いよいよ桧舞台からお暇を頂戴する…かもしれない状況になってきました。世界初の偉業だと褒め称えられて誕生し、身勝手な人々に翻弄され続け、そして数奇な運命によって改造された彼ら。本来の目的を解除させられ、特急街道の片隅で地域の足を支え続けてきた彼ら。…果たして幸せだったのでしょうか?

それでも彼らは彼らの仕事を今日も黙々とこなし続けています。彼らが彼らの仲間の元へ旅立つその日まで。

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2006年8月31日 (木)

立ち止まらない、振り返らない

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初めに、今回は少々言葉使いが『かなり』悪くなる事を予めお断り申し上げます。また多少私の考えも入っておりますことをお許しいただければ幸いです。まずはコチラの記事をお読みください。

遂に東海道・山陽新幹線の「のぞみ」用車両として活躍していた『500系』が東海道新幹線から引退するそうです。記事によると『快適性も強く求められた為』というコメントが掲載されていますが、私はこれに関し、JRの公式見解に対して異を唱えます。

本当に『快適性』だけでしょうか?

確かに500系は高速化を追求した結果、居住性を犠牲にするようなフォルムになりました。それでも居住性を何とかしようと試行錯誤していた矢先、何処かの会社が『座席数を既存の300系と一緒にしないと東京に乗り入れさせない』と言い出したそうです。涙ぐましい設計を行い、300系よりも1名座席を増やして対応することにしました。…実はこの「座席」に500系が東海道新幹線から引退しなければいけない理由が隠されています。

 前出の300系と700系、この2つの車両の乗車定員・座席の配置は『同じ』なんですね。台風や地震等の突発的なダイヤの乱れの際、同じにしておけば同じ乗車位置で、同じ座席を確保する事が容易になります。そうなると300系と700系の違いはダイヤ上だと単に『最高速度』の違いでしかありません。東海道新幹線区間内は山陽新幹線区間と違い、どの車両も最高速度は時速270キロまでと決められていますので、もしダイヤが乱れたとしても、山陽区間に乗り入れる車両に700系を優先に入れればいいだけ。しかし、500系は座席の配置も定員も、何もかも違うワケです。だからダイヤが乱れた時は車両のやり繰りをしなければいけなくなり、相当大変な作業になります。

それを何処かの会社は嫌がったワケです。

定員も違う、ダイヤも違うとなれば、運営側が邪魔者扱いするのは目に見えて明らかです。JR西日本としてはどうしても東海道新幹線へ乗り入れないと営業の面から考えると厳しい面もありました。だから、何処かの会社の言い分を聞いて、ああいう室内をデザインすることになってしまったのです。

快適性だけを理由にするのであれば、改善する方法はいくらでもあります。座席を減らせばいいんです。座席の幅を広げればいいんです。断面が狭い500系であってもこの方法を行えばそれなりに快適な車内にすることが可能です。この記事によると『スマートな先頭の形を維持するため、最前、最後部の乗降扉を犠牲にした。』とあたかも『速度のために』と速度重視傾向を批判するような内容になっていますが、居住性を犠牲にするよう指示したのは定員の数を守らせる為に要請した何処かの会社であり、JR西日本はその指示に従わざるを得なかった…と解釈するべきです。

…盛者必衰の理を表すというのは何処の世界にもあることです。今回の500系撤退及びN700系導入によって東海道新幹線の増発や山陽新幹線区間のスピードアップ等色々と利便性も向上することだろうと思います。…ただ今回のマスコミに対する説明は頂けなかったなぁ。多少ではあるけれども、もう少し沿革なども説明して頂きたかった。

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2006年8月29日 (火)

天井コレクション通勤編

 はい、前回の続きです。前回は特急用の車両がメインでしたので、今回は通勤用(山手線・大阪環状線などの車両)・近郊用(新宿湘南ライン・新快速用の車両)の天井を今回もまた見ていきましょう。まずは国鉄時代に作られた車両から。この頃作られた車両は「大量生産」を主題としていましたので、どちらかというと機能性のみ重視した室内になっています。

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(左:国鉄型103系通勤電車・右:国鉄型115系近郊型電車。どちらも冷房装置が同じ)

…大きく違うのは冷房装置の中央に扇風機が有るか無いか。流石は機能性だけを追及した国鉄という印象が強いです。でも冷房があるだけマシだと思うのは私の世代だけでしょうか?この他に国鉄時代に製造された車両をちょっと見てみましょう。

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(キハ40系の車内も蛍光灯剥き出し。後日設置されたクーラーの設置方法が結構男前。ちなみにリニューアルされたキハ40系の室内はこんな感じ 。レトロっぽく仕上げているけれどもやっぱりクーラーの設置方法が男前)

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(常磐線でも活躍中の415系1500番台。JR九州では下関・小倉間をメインに活躍中。室内は国鉄末期に製造されたという事もあり、冷房設備はある程度現在に近いものがあるものの、無駄な装飾が一切無い。ある意味潔い。)

 これらの車両が機能性を重視したのは乗車時間が特急型と比べ短いから…だと思いますが、これだと『旅客』というより『輸送』といった言葉がよく似合う状態であることは否めません。ただ国鉄がJRに変わってからはこのような一般用の車両にも『蛍光灯カバー』を取り付けた車両が登場しています。もちろん単にカバーをかけるだけでなく、ついでに網棚や冷房機器などのデザインも新たに設計されており、先ほどの国鉄が作った車両と比較すると見栄えが綺麗になっています。

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(JR西日本223系。ズラリとつり革が並んでいる。判り辛いけれど、空調の設置デザインを吊り広告ごとに幅を変えている。)

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(JR九州813系。左側の画像はRailstation.net様からお借りしました)

前回ご紹介しましたJR九州さん、特急型だけではなく近郊型の車両にも力を入れています。例えばこの写真の813系という近郊型の車両。この車両の外側のデザインもなかなか結構な色使いですが、一歩足を踏み入れると目には鮮やかな赤色が目立つ扉、そして上を見上げると…

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…丸です。つり革を配置するパイプが丸。それだけでなく、蛍光灯とつり革を保持する部品を上手に共存させています。ぱっとこれだけ見ると、この車両が欧米のどこかで走っているような雰囲気がするのは私だけでしょうか(筆者注:813系は導入時期によって写真の客室と違う場合があります。)。しかし、この813系よりも遊び心とデザイン性が溢れた天井を持つ車両がありました。それは私の地元、大学に通学している際いつもお世話になっていた近鉄の通勤電車であります。

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近鉄電車が2000年より提唱している『シリーズ21』のひとつとして製造された9820系。環境や人に優しくしつつもコストダウンを追及したこの電車、外観も従来の近鉄電車と違い新世代を予感させる淡い色彩。同じ近鉄電車の中でも異彩を放つ存在です。もちろん外観だけでなく内装も素晴らしい。それがこちら。

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…判り辛いでしょうか?このシリーズ21の最大の特徴が「蛍光灯カバー」と冷房機器、そして天井の見事な一体化。 本来の通勤電車ならば『機器の殆どが剥き出し』であり、細部になればなるほど『目立たないところは手を加えない』という考え方が目立っていますが、このシリーズ21では見事それらをデザインの力によって解消しています。60年代アメリカで流行したストリームっぽい曲線、しかも天井の素材を強靭なものにするため、トタン屋根の様に細かな曲線を取り入れています。正に美しさと快適性と経済観念を同居させた見事なデザイン!

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(ちょっと判りづらそうなのでラインを引いて曲線を強調してみました)

…ただ、このデザインも鉄道車両の難燃性基準改正により今後製造される車両には採用されなくなってしまいました。蛍光灯カバーの素材として使われていた樹脂が使用不可となったからだそうです。これから製造されるものは蛍光灯が剥き出しになったものになりますが、シリーズ21のこの造形美だけは鉄道業界に一つのマイルストーンとして燦然と輝くものになることでしょう。

それにしても、なんとまぁマニアックな項目になってしまいました…。

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2006年8月27日 (日)

天井コレクション特急編

 普段から鉄ちゃん(鉄道ファン)な私ではありますが、この「鉄ちゃん」と呼ばれる人々は3種類に分類されるそうです。

  1. 鉄道に乗ることが好きな『乗り鉄(のりてつ)』
  2. 鉄道車両を撮影する事が好きな『撮り鉄(とりてつ)』
  3. 鉄道模型やジオラマ等を制作したり走らせるのが好きな『模型鉄(もけてつ)』

写真はボケているものが多いですし、鉄道模型も一応衝動買いしたものが一つありますがそれ以降は購入しておりません。そのところから見てもお分かりかと思いますが、私はこの分類だと『乗り鉄』に分類されるようです。しかし、私はどちらかというとちょっとマイナーな部類が好きだったりします。そう考えると『乗り鉄』でもないかもしれません。当ブログにも記載しておりますが、パタパタとか駅の照明とか、他の鉄道ファンが絶対に注目しないような部分をジックリと調べ、一人密やかに笑みを浮かべている場合が多い気がします。…そんな人間でも『鉄ちゃん』と呼ばれていいのでしょうか。今回も少し己の行動に疑問を感じながらもマイナーな分類を攻めてみます。それはコレです。

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(ムーンライト九州号で使用されているリゾート用14系客車車内)

…わかりますか?コレだけ見ると「何を撮りたいんだろう」と思われる方も多いかと思いますが、もう少し御覧ください。今回はこの写真の上半分、照明とクーラー機器が鎮座している鉄道車両の『天井』の機能美をドンっと紹介してまいります。

 まずは皆様に前提として「鉄道車両の天井を構成する三大要素」というものをご説明申し上げます。…堅苦しい言い回しではありますが、要は「電車の窓から上の部分に必ずあるもの」です。先ほど紹介いたしました客室の写真をよく御覧ください。このスペースには必ず「照明」「空調」「網棚」が存在しております(昔、週刊少年ジャンプが主題としていた『努力・友情・勝利』というモノに近いフレーズではありますが気にしないでください)。この3つがどのように設置されているかでその車両の雰囲気を決定付けるものになるのではないかと私は考えます。まだJRが国鉄だった時代に作られた車両というのは、国鉄であろうと私鉄であろうと実に機能性を重視した設計をしています。そのため三大要素を構成する物質は造形美というものを全く無視しているのが特徴です。先ほど紹介しましたリゾート用の14系客車は正にその時代に作られたものであり、その頃より多少は手を加えられているとはいえ無粋な形の空調とオーソドックスな照明、そして唯一リフォームされたであろう網棚が構成された天井を見ていますと、どことなく味気なさというのが出てきています。

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(新たに設置された展望室には独特の照明を設置)

この『味気なさ』というのを比較するには新幹線を見ればわかります。東海道新幹線が開業してから早幾年。その時からニュー新幹線として100系が登場するまでの24年間もの間細かいところを改良しながらも製造していた0系と現在一線級で働いている700系の室内を比べてみましょう。まずは0系、現在数々のリフォームを加えられながらも山陽新幹線でのみ走行しているこの車両。高度成長期最新と言われてきたテクノロジーと、過去からの鉄道技術の積み重ねによって作り上げられたのはいいのですが、今となってはちょっとノスタルジーを感じる車内となっています。

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(空調の通気口が時代を感じさせる。山陽新幹線の0系は2列づつの座席配列)

一方の700系。こちらは最新の車両ですので、さどかし素晴らしいデザインなんだろうと思われる方も多いかと。しかしまぁこの700系の室内はちょっとビジネスライク。空調も従来の鉄道と違い網棚下に取り付けられているためにシンプル極まりない状態になっています。ただコレも見る人が見るとものすごいデザインだったりするんですね。

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(網棚の下にある突起が空調)

実はこの新幹線にはかなり厳格な規定というものが存在しています。本来なら鉄道車両と同じやり方で作ればいいのですが、高速で移動する鉄道の場合従来のやり方で行うと若干不具合が出てきます。高速で移動することを第一とする新幹線の場合、高速走行の為に設計を従来の鉄道と違って大幅に変えていたりしています。その結果天井の造形も他の鉄道車両と違い一風変わったデザインになっている…ワケです。

 新幹線がこうならば、在来線の特急はどうなんだ?という話になるのが世の常でございます。実際冒頭で御覧頂きました14系の客車、実はあの車内が国鉄の中で最も標準的な特急の車内だったりするわけです。じゃあ今はどうなのでしょうか?関西圏では最もポピュラーな在来線特急「サンダーバード」用車両681系・683系を見てみましょう。

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(左:681系・通称サンダーバード、右:683系・通称(?)パンダーバード)

 製造された年月が違うので、683系では網棚の下に照明が用意されていない等細部の違いはあるものの、全般的にシンプルで万人受けするようなデザインとなっています。ただ先ほどのリゾート用14系と比較するとかなりレベルが向上しているのがよくわかります。14系はどちらかといえば「乗客を輸送すること」に重点を置いているのに対し、681系は「乗客」を「お客様」という立場で捕らえ、「お客様をおもてなしする」ということに重点を置いています。いくら蛍光灯のカバーで和らげていても蛍光灯を見える位置に配置している以上は直接的な光であることに変わりありません。あえて間接照明にしたことと、蛍光灯を昼光色を用いることによって暖かな雰囲気を醸し出す事に成功しています。

 ただ、

 ただですよ。

…やっぱりJR九州はすごかった。

前回紹介した885系の「全部フローリング」というもの以上の衝撃が客室にはありました。『つばめリレー号』等に使用されている787系の車両の室内がかなりすごいです。前回もこの車両に用意されているボックスシートという特殊な座席を紹介いたしましたが、今回は普通車の座席を御覧頂きましょう。

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(一見すると飛行機っぽい。間接照明だとあまり気づかないデザインというのも素敵)

こちらも間接照明を取り入れていますが、サンダーバードと比べると間接照明そのものが見事主張しているではありませんか。ハイドラック式の網棚と協調するデザインとして巧みに組み込んだ結果、視覚的にすっきりとしたものになっています。またハイドラック式の網棚にすることで荷物が落ちるのではないかという乗客の不安を解消。美しさと機能性を兼ね備えた次世代型の愛される鉄道車両となっています。(この部分は加藤みどり口調で)

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(左:885系・883系ソニック、右:883系の車内)

この後投入された883系、前回ご紹介しました885系の室内もまたこの流れを引き継いだ間接照明とハイドラック式の網棚によってデザインされています。この2系統は「振子型」と呼ばれ、高速で曲線を通過できるシステムを搭載する為車体の大きさに制約を持っている車両なのですが、それを一切感じさせていません。新しく作られた車両だけでなく、既存の車両をリニューアルした際もデザインを少し変えているだけで快適な車内へと作り変えています。これぞデザインの魔力。

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(783系の車内。左:普通車、右:リニューアルされた「みどり」用グリーン車)

…見てお分かりかと思いますが、照明の形状と壁紙を変えただけ。これだけで雰囲気も一気に変わるなんてすごい。しかしリニューアルといえば787系「つばめリレー号」の3号車を忘れては困ります。この3号車、前回の記事でご紹介しました「ボックスシート」があるだけでなく、九州新幹線が開業するまではビュッフェ(軽食などを提供する施設)を設置していた車両だったのです。ビュッフェは残念ながら九州新幹線開業による「つばめリレー号」の乗車時間の短縮によって過去のものになり、その場所は客室乗務員が車内販売を用意する準備室兼売店と客席にリフォームされました。それがこちらです。

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元々この場所は『つばめのへそ』という『お前鳥類のクセして臍(へそ)ってどうよ?』的意味合いで設計・設置された場所でした。長時間移動する際の気分転換として立ち寄れるスペースを作るというデザイナーの考えが具現化したこの場所には、たくさんの方々が訪れていたそうです。ちなみにこの特徴的な半円状の天井、一枚の金属を丁寧に半円状にしたもので、この車内に設置する際わざわざ作られていた構造物の一部を取り去って取り付けたそうです(余談ではありますが、それだけの為に1,000万円もの金額が余計に掛かっているというから驚きです。ちなみにこれだけ豪華でも制作費用は他の電車とほぼ同じ)

…で、皆さんもお感じではありませんか?「特急はいいけどその他の車両はどうなんだよ?」ということ。忘れておりません、通勤編は次回!(長いので)

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2006年8月22日 (火)

JR九州がすごい

(2006年8月30日・誤字を修正いたしました。水戸岡鋭治様には多大なるご迷惑をお掛けしました事をお詫び申し上げます。)

 旅先から帰ってきました。個人的な事情(旅から帰ってきたらいきなりぎっくり腰になってしまいました)で更新が遅れましたことをお詫び申し上げます。

 さて、この旅先でのヒトコマ。今回も鉄分補給を名目に今や鉄道ファンの間では有名になりすぎている「JR九州」さんの鉄道列車をジックリと堪能してまいりました。いやあ、在阪の人間からすれば九州地域にお住まいの皆様が羨ましいなぁと思うことしかりでございます。元々このJR九州さん、発足当時には新幹線を所有しておらず、尚且つ所有していた車両の大半が製造後15年以上も経過した状態。誤解されることを承知で申し上げると国鉄車両の『姥捨て山』みたいなところがありました。その状態を改善すべく、JR九州さんは古い特急電車を真っ赤に塗ってリニューアルしたり、新しい特急車両を他のJRグループに先駆けて導入するなどかなり積極的な行動に出ています。

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(左:リニューアルされた485系特急車両。右:その時導入された783系)

その時の情熱があったからでしょうか、このJR九州さんは次々と新たに車両を作っては投入していきます。しかも車両たちは鉄道界では唯一といわれている国際デザインコンペティションの『ブルネル賞』を幾度となく受賞しています。その受賞理由は車内を見ればわかります。それがコチラ

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…どうですか?これだけ見ると鉄道の車内っぽくないでしょう?この場所はボックスシートと呼ばれる指定席で、きちんとみどりの窓口で指定すれば座れる座席ですただオシャレなカップル喫茶っぽい気がするのは気のせいでしょうか。 もちろんこれだけではありません。885系という特急車両には普通の特急車両では考えられないような驚きのギャラリースペースが鎮座しています。

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(885系ソニック用編成のギャラリースペース。左側のイラストの場所には身障者用のトイレスペースが設置されている。イラストはこの車両のデザインを行った水戸岡鋭治さんの作品)

…ね、スゴイでしょ?ただこの車両の魅力はこれだけではありません。この車両の本当のコンセプトは『自然』。だからいたるところに自然素材を活かした車内になっているんですね。例えばデッキと室内を仕切る壁はガラスに和紙を挟んだもの、座席は牛皮。

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(左:運転席と客席を仕切るのもガラス。しかも液晶ガラスになっているのである操作をすると一面真っ白になって見えなくなる。右:牛皮の座席・ちなみにこの座席は普通席)

牛皮で座席だなんて高いんでしょうね…なんて思われた方も多いはず。意外や意外、牛皮というのは元から付いている多少の傷を気にしなければ普通座席用の布地とほぼ同じお値段なんだそうです。傷がついていない部分だけを使おうとするから、革製品などはお高くなるのだそうです。これだけではありません、この885系の一番の特徴が『室内全てフローリング』、つまり床がすべて天然木で仕上げられているのです。

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(ちょうど室内中央が市松模様になっている)

 もちろんこの木材は不燃加工を施されており、鉄道車両に適応できるものになっております。本来効率という面から考えると室内を構成する物質には木材や和紙、ガラスは選択肢の中に入ってきません。が、室内の部品をそのまま自然に帰すことを前提に考えた結果、このような室内になっていった…とこの車両をデザインされた水戸岡鋭治さんは仰っています。私も概ね水戸岡さんの考え方に共感します。(けれども最近登場したキハ220系ってどうなんでしょうね、あのブサイクなデザイン。初めて見た時『サナギマン』かと思いましたよ)

この他にもあっと驚かせる工夫がこの車両には隠されているのですが…、あえて全てを説明する事はやめておきます。皆様ご自身の眼でお確かめくださいませ。

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(博多駅近くのビル工事現場に張られていたJR九州の特急達のポスター。素敵)

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2006年7月 8日 (土)

アルタイルとヴェガ

 7月7日