というわけで、まずは神戸市営地下鉄さんの三宮駅へ。ちょうど撮影したのがゴールデンウィークまっただ中の5月4日。いつもとは違う浮かれ気分なこの街を離れ、この日の大半をこれから電車で過ごします。鉄な人間からすればなんて贅沢な一日なのでしょう。
(残念というか当然というのか、今回も基本自分撮りです)
(シンプルな乗り場への案内と駅の券売機表示、そしてパタパタ)
この駅から滋賀県の浜大津駅まで「ノーラッチ」で行きます。もちろん行先案内版にも券売機の価格表示にも「浜大津」の「は」の文字はありません。その疑問を解消するために堂々とラッチの中へ入っていきます。
(左:改札機も全部ピタパ対応、右:通り抜けてやっちゃった感一杯)
まずは神戸市営地下鉄さんの三宮駅から新神戸駅を経由して北神急行さんに乗り入れ、谷上駅まで移動します。
(地下鉄なう、ちょと寂しい)
地下鉄なのでトンネルなことは当たり前なのですが、新神戸駅から先は地下鉄ではなく普通の鉄道。ただ景色が変わりませんので「新しい路線に乗っている!」という気分にはなれません。
(着きました)
……というわけで谷上駅に到着しました。
ちなみにこの谷上駅、元々は神戸電鉄さんに乗り換える、または北神急行さんに乗り換える際は一旦ホームから階段で下りた先にある「中間改札口」を利用しなければいけない構造となっていました。
(その跡地は何となく判る。地上とホームにもその痕跡がぼんやりある)
現在は隔てていた改札口も無くなり、ホームも広げて同じホーム上で乗り換えることが可能となりました。これだけ乗り継ぎしやすい構造となっているのに、ホームには乗客の姿がありません。寂しい感がいっぱいあります。

(ちなみに神戸電鉄さんは同一ホームに上下線が停車します。これも便利)
(アンティークな神戸電鉄。最近こういう電車が好きになった)
さてここからは神戸電鉄さんに乗り換え、電車は次の乗りかえ駅である新開地駅へと向かいます。
(緑豊かな風景・勾配のきつい線路……ここはハイソな街、神戸市です。)
都会的な谷上駅を抜けると、そこはまるで「神戸市」だとは思えないような緑豊かな風景。しかも電車は電車では考えられないような勾配を登ったり下りたり。これだけでもひとつのアトラクションとして成立するのではないでしょうか。
(気づいたら新開地駅)
途中不覚にも寝入ってしまい、気づいたら新開地駅の一歩手前。また地下線内に入っていました。過去当レルコンでもご紹介した「高速そば」がある新開地駅、この駅もコンコース内に中間改札口がありました。
(あった事はあったが、もうその痕跡すらない)
(どの梅田かきちんと書いているのが神戸高速の特徴)
この駅からいよいよ阪神さんへとバトンタッチします。途中トイレ休憩をはさんで降りるとナイスタイミングで阪神特急が到着。この電車に乗ってまずは阪神三宮駅へ。
(この人やっぱり面白い顔してるなぁ)
本来ならばこの特急電車に乗って尼崎駅まで移動し、そこで乗り換えた方が早く到着します。ですが西大寺駅方面へ向かう場合、三宮駅始発の快速急行に乗り換えた方が早く到着します。
(長距離の移動なので座ることにした。三宮で近鉄はまだまだ違和感がある)
快速急行は高い確率で近鉄さんの車両を使用しています。私の中では流れゆく風景と近鉄さんの車両にまだ違和感を感じてしまいます。でもその違和感こそ「線路が繋がったんだ」という証明でしょうか。
ここからはこの旅一番の長時間乗車です。



神戸から西宮、尼崎から大阪と過ぎゆく車窓を眺めていたらいつの間にか夢の国へ。どうしてこんなに眠たくなるのだろうと自問自答しつつ、気づけば大阪難波駅。振り向けば名古屋行きのアーバンライナーさんが出発していくところでした。
電車は東大阪の街中を駆け抜け、生駒山脈を駆け上がります。車窓には大阪平野が広がり、そこの街に建つコンクリートジャングルが文明を感じさせます。こうして見ると大阪も結構都会なんだなぁ……とシミジミしてしまいます。ここ、夜なら夜景が美しいのでしょう。その後「石切さん」でおなじみの石切駅を過ぎると再度長いトンネルが続きます。
長いトンネルを抜けたその先にあるのは大阪のベッドタウン生駒駅。これで一気に兵庫県と大阪府、そして奈良県をひとつの列車で制覇することに成功しました。ちなみにこの「ノーラッチの旅」、阪神なんば線が開通するまではもうひとつ違うルートが存在していまして、実際に行う場合この「生駒駅」が多いなる課題となっていました。
(青のルートが開通前のルート)
上記の阪急線を経由するこのルートでは図面上「けいはんな線」がこの生駒駅で奈良線と繋がっているので、すんなりと移動出来そうに見えます。しかし残念なことにこの生駒駅には「中間改札口」があります。

「けいはんな線」から奈良線に乗り継ぐ際、どうしてもこの改札口を通ることとなります。制度上この改札口で「途中下車」ということとなるため、どうしてもこの駅から先には進めないということになります。
(中間改札口ではどのルートが便利かきちんと紹介している)
また「けいはんな線」を利用する事によって運賃が高くなったり、所要時間が延びる事があり、どうしてもこの中間改札口で案内する必要がありました。そのため、他の駅では無くなりつつある中間改札口が生駒駅では残るようになったみたいです。
(そして大和西大寺駅へ)
しかし今はその障壁はありません。三宮から走ってきた快速急行は心地よい走行音を奏でながら、大和西大寺駅へと到着。
平城遷都1300年祭、わかりやすく例えれば「せんとくん」がマスコットをやっているイベントの最寄駅として案内されているこの駅、ただでさえ狭いホームに乗客の方々がワンサカ。ここは祭か?と思わせるほど。
本来ならばこの駅に最近作られた駅ナカ施設の「Time's Place Saidaiji」で休憩を取ろうと思っていましたが、人が多すぎてそれどころではありません。急きょ予定を変更して先を急ぐ事にします。
(よく考えたら普通電車より優等電車の方が本数多いってどうなんだろ)
大和西大寺駅から丹波橋駅までは近鉄の代名詞「近鉄特急」で移動します。正直、三宮駅からここまで乗車していた快速急行が近鉄電車でしたので、「普通の近鉄電車に飽きた」ところ。15分おきに一本走っている近鉄特急を選ぶのは当然と言ったところでしょうか。
残席僅かの特急券をホームの券売機で買ったところ、見慣れぬ記号が付随されてました。そう、これが近鉄特急名物の「二階建て電車」のしるし。
(
(車内に観葉植物まである!すごいぞ近鉄特急)
(二階建ての電車に乗ったら天下を取った気分になるのは私だけ?)
有料の電車、しかも一区間だけ乗車するだけで軽くテンションが上がります。それが二階建ての座席だともっとテンションが上がります。いいですねぇ、こんなことでテンションアップできる大人って。
(さよならビスタカー)
快適な時間は僅か20分、しかしその間に幾重にも普通車両を追い抜いた近鉄特急を丹波橋駅で下車し、各駅停車を乗り継いでいよいよ洛中へと攻め入る事になります。ここからは同一ホームによる乗り換えが連続します。
同一ホームでの連絡は時間との勝負です。写真撮影もそこそこに丹波橋駅から各駅停車で竹田駅、竹田駅からは京都市営地下鉄さんに乗り換えます。
(烏丸線の車内。軽くデジャブ―)
竹田駅から乗った京都市営地下鉄烏丸線は近鉄電車の車両でした。30分前まで乗っていた車両とほぼ同じ景色が目の前に広がります。……これぞ近鉄電車マジックといったとろでしょうか。
(烏丸御池・御陵:もう疲れがピーク)
竹田駅から烏丸御池駅まで烏丸線で、烏丸御池駅から御陵駅まで東西線の車両で移動します。京都市役所前で乗り換えようと思ったのですが、どうせならと本来の乗り換え駅である「御陵駅」まで先回りです。多種多様の電車を楽しみたい!という私のわがままでもあります。
(疲れると写真がどうしても上手に撮れないワケで)
御陵駅からは京阪電車さんの京津線へ。ここは「電車が走る風景」でご紹介したので詳しいことは割愛しますが、地下鉄から登山電車、極端なカーブをすり抜けた先に現れる併用軌道といった風景はテーマパークのアトラクションとしても成立する位の強烈なコンテンツです。
(そんなこんなで浜大津駅、二府三県完全制覇ナリ)
浜大津駅に到着したのは16時。4時間近く私は電車に揺られていたということになります。過去長距離列車等で長い時間揺られていたということはありましたが、今回のように幾度となく乗り換えをする乗り継ぎは初めてでした。ただ今回は「ピタパがきちんと計算してくれるかどうか」という疑問を解消するべく始めた旅。

果たして計算してくれるのか否か。その答えはこの改札口が知っている、私は改札口までエスカレーターで上がり、そして青に輝く筺体にピタパを、そっと静かに置いた。
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