ちょっとお硬いお話を一席
このところリアルに忙しいひと時を過ごしておりまして、すっかり鉄道の事でヘンな事を考える余裕がありませんでした。まぁソレはソレ。忙しい事はいい事です。でもって、8月中は思いっきり暇になりましたので、こうしてまた皆様の前で色々と書こうと思ってります。
今回は何時もと違って「ちょっとお硬い話」をさせて頂こうと思っております。ですので、久しぶりに記事を分割してみました。読みたいなーって思う方は是非「続きを読む」をクリックしてくださいませ。
今回のお硬い話というのは「高速ツアーバス廃止へ」という国交省の指針に関してです。
昨今「高速ツアーバス」で発生した事故に関する報道を受けて、様々な検討を国交省の皆さんはしていたらしいです。でもって、記事から推測するに
「移動だけってソレ旅行じゃないんじゃね?」
……と、改めて国交省が考えたんでしょう。もちろん「高速ツアーバス」というのは旅行業法の法律で定められた範囲で設定されていましたので、今までは「旅行」という状態でした。「旅行」はある程度緩く設定できるという利点があるので、ガッチガチに固められてコストのかかる「路線バス」よりかはお安く料金を設定できます。もちろん事業者としては「安く仕入れて高く売る」が基本。あの事故が発生する前から結構値段を叩かれてたりする話は幾らでも聞いたことがありますので、今回の出来事は国交省としては当たり前なことをしただけの話です。
でも、コレによって思いっきり「抜け道」が出来ちゃったと私は思いました。
つまり、国交省は「移動だけはダメ」と言っちゃったわけです。それならば、「移動」に何らかのアクティビティを追加すれば、その時点で「移動」ではなく「旅行」だと言い逃れができるんです。
皆さんも折り込みの広告等で一度は「日帰りバスツアー」なんて旅行を目にした事があるのではないでしょうか。朝、どこかに集まってバスに乗り、観光地へ出向いて美しい景色を見まくり、美味しい料理に舌鼓を打ちまくり、そしてお土産を買い過ぎてヘトヘトになって自宅に戻り
「あー、やっぱり家がいちばんよねー」
というあの「日帰りバスツアー」。このやり方をそのまま「高速ツアーバス」に取り込んじゃえばいいんです。深夜にどこかに集まってバスに乗り、早朝目的地域のシティーホテル(大体ツアーバスが設定される都市ってシティーホテルが必ずあります)に到着。そこで「朝食バイキング」をみんなで食べて、その後解散という形にすればもうそれだけでモーマンタイなわけです。
ちなみにホテルにとって朝食
もちろんこういうツアーを発売したら「オイオイ、片道だけで旅行ってそんなワケねぇよセニョリータ」なんていう国交省のナイスガイもいらっしゃることでしょう。そうなったら「往復」発売するって形をとりますね。んでもって大半「自由行動」の時間にしたり、「片道分のキャンセル料金(及び払い戻し)」を設定しておいて、お客様から自発的に「旅行はココで取りやめね」と言わせるように仕向けます。
そうすると、国交省も客の我儘には文句を言えませんよ。「私達は旅行を提供しているのに、途中でみんなキャンセルするんですYo!」とシラを切ればいいだけの話なんですから。
……まぁ、幾ら御国が押さえつけようとしても「安く移動したい!」っていうニーズはどうしても潜在的にあります。そこに文句を言ったって仕方が無いと思うんです。固定化するだけで改善するとは思えません。そこを改変するよりかはもっと別のところで改変をしていく事も必要じゃないかと思うんですな。
ともかく、今回の改編でツアーバスが無くなるとは考えないでいいでしょう。旅行代理店がどういう手を打つのかじっくり見守りたいと思います。ええ、見守るだけですが。
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