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2011年4月19日 (火)

ぼくのかんがえたけいはんでんしゃ(プロローグ)

 東日本大震災の衝撃に隠れてしまったが、西日本の鉄道にも今回の東日本大震災は大きな影を落とす事になった。

たった一つの部品が供給されないだけで、電車の運行が止まるという事態。これは予想していなかった。まさしく想定外だ。

電車は電気で動く。その電車の大半は「直流」という電気で動いている。直流電気は電車の構造、特に駆動部分を作る際に最も最適なモーターを作る事に適していた。

そのモーターにどうしても必要だったのが「直流電動機ブラシ」という部品。この部品は直流モーターの制御をするにはどうしても外せない。しかし、この部品は容易な構造故に摩耗が激しく、定期的な点検や清掃や交換がどうしても必要になる。

その部品を作る最大手の工場が、今回の大震災で被災した。しかも、あの原発の制限エリア内に工場があった。作りたくとも作れない状態に陥ってしまったのだ。

『作れないのならば、別の場所で作ればいい。』

確かにその言葉は正しい。ただ、この「直流電動機ブラシ」を用いる車両はなかなか作られていないのが現状だ。直流モーターより効率性が高く、保守性にも優れた「VVVFインバータ制御」という新しい技術がお目見えした結果、登場する鉄道電車の大半がVVVFインバータ制御の車両となっている。

なので、部品を作る会社からすれば新しい工場を建設しても将来に明るい展望が無い。かといって作らなければ今の電車は次々と動かなくなっていく……。現在は最大手以外の会社の奮闘や関係各所の協力があり、部品はある程度生産できる目途がついたということで電車の運行は通常通りとなったが、安定供給という面から考えると少し不安の残る結果となってしまったのだ。

西日本の鉄道会社には『古い物を大切に使う』というケチ……いや、工業製品に対する大いなるリスペクトがある。ただ、リスペクトするだけでは公共交通機関は成立しない。リスペクトしつつ、新たなステージを目指さなければいけないだろう。

……前置きが長くなりました。今回は久々の妄想シリーズです。

今回問題となりました『保守部品不足による運休』。西日本ではJR西日本さんや近鉄電車さんで多く行われました。近鉄さんは保有している車両の約3割、JR西日本さんでは保有している電車の半分で「直流電動機ブラシ」を用いているそうです。

Sakura04

その中でも群を抜いているであろう会社があります。そう、当ブログでよくネタにされる京阪電車さんです。京阪さんはただでさえ「物持ちのいい会社」と定評があり、古い車両の見えるところや見えないような細かい点にまで様々に手を加えています。

その車両を制御方法で分類すると以下のグラフのようになりました。

Rw356

鉄道に詳しくない方でも「VVVF」という名称は聞いたことがあるのではないでしょうか。この「VVVF」という制御方法以外に「界磁添加励磁制御」「抵抗制御」 という制御方法があります。この「界磁添加励磁制御」「抵抗制御」という方法に「直流電動機ブラシ」が使われています。

Rw358

系統別に分けますと、全体の68%が「直流電動機ブラシ」を使用した車両です。その割合はJR西日本さんよりも多くなっています。そのせいか事前に多くの部品をストックしていたようで、今回の影響をJR西日本さんや近鉄さんより受けなかったようです。

Rw280 (京阪さんの古い電車代表格、左:2400系、右:1000系)

しかしながら幾ら保守に定評のある京阪さんだとしても、今回の問題は何らかの対策を練らなければいけない事態になったと気付かされたのではないでしょうか。

ま、平たく言えば新車を導入しろって話です。

Rc226 (京阪さんの最新鋭車両、3000系)

「新車を導入しろ」といっても、鉄道車両は大体一両1億円ちょっと。一般人がいくらロト6を買って、運良く満額で当たったとしても3両買えたら御の字。TOTOBIGが当たっても5両位しか買えません。

Ic14 (この電車は京急さんからのおさがり)

なので地方私鉄の場合は大手私鉄で使われていた古い車両を手直しして再利用するケースが多く見受けられます。

そこで、今回は出来る限り費用をかけずに京阪電車の車両を置き換えるように考えてみましょう。(続きます)

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