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2010年10月31日 (日)

スカートの流儀

普段、何気なく乗っている鉄道車両。ボンヤリと乗っていると気づかないのですが、一度気づいてしまうと毎回何気なく気になってしまう。今回はそんなお話です。

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今回取り上げますのは鉄道車両を構成する上で意外と欠かせない「スカート」。

……本来ならば今回のお話の枕として「ある有名人との2ショット写真」が冒頭にあったのですが、諸般の事情で割愛させて頂きます。まぁその方がシャバに出てきて、私が何となく覚えていたら掲載しようかと思います。

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本題に戻りまして、「スカート」でございます。この装置正式名称は「排障(はいしょう)装置」。実務的には異物を電車の車体下に入りこませないようにガードする為に設置されています。近年はデザイン上のアクセントとして組み込まれ、鉄道車両といえば「スカート」があるのが当たり前になってきています。

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元々は「カウキャッチャー」と呼ばれる結構大層な設備でした。昔の車両にはそれを再現したものが設置されていますが、実際には電車の前には「電車が来るぞー」と叫んでいた人がいたと聞きます。その話を聞いた時、カウキャッチャーの役割は本来の役割というより、ちょっとしたお飾りみたいだと思ったのは私だけでしょうか。

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もちろんこのスカートが無くても鉄道車両は走行できます。家の近くを走る電車にはスカートが無い!と焦らなくても大丈夫です(事故を起こした時大変なだけです)。

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ただこの「排障装置」、2段構えになっている事に気づく人は意外といません。

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先頭車両の運転席側の車輪、この前に小さな突起物があります。これが「排障器」と呼ばれる装置で、鉄道車両には必ず搭載されています。

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JRの高速で走行する近郊型車両や特急用車両ではこの装置が大きな形状となって設置されています。一方の私鉄は特急車両であっても小型の装置が取り付けられています。

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二段重ねで安全を確保しよう。これだと多い日も安心……じゃないけど、そういうことにしておきましょう。

さて、この「スカート」。よくよく見ると幾つかの系統に分けられるようです。少し分類して行きましょう。まず初めに基本形である「実直型」。

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付け方が素直。最低限の直線だけで構成されたスタイル。大抵新造時に装備していなかった車両にスカートが付けられる場合こういう形状になりやすいです。元々設置する空間を設定していませんので、付けられる空間に無理やりくっつけたようになっています。ちょっとした匠なら即リフォームの対象でしょうね。

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その匠によるリフォームっぽいデザインがJR西日本さん201系。元々の装備品を取り外して強化型にしたそうです。たしかにこのデザインは強そうです。

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もちろん国鉄型の車両だけでなく、私鉄にもその系統は存在しています。こちらの場合は一本の鉄で仕上げるのではなく、幾重にも支柱と鉄板を組み合わせたタイプ。武骨っぽく見えますが、なかなか頼れるデザインではありませんか。

次に意外と多いのが「セパレート型」。

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電気連結器などの設備が連結器下にあり、機器の都合上大型のスカートを配置しにくいために左右別れた、もしくは別れたように見せているタイプがこのタイプに該当します。

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併結が多い路線区を走行する車両の場合、煩雑な作業を簡便化するためには電気連結器を付けなければいけません。付けられる位置はどの車両も同じ場所にしなくてはいけませんので、デザインするとどうしてもこういう形状になりやすいです。

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既存の車両でも機器の都合によってはセパレート型のようになってしまう場合もあります。実直型が多い近鉄電車の中で、阪神線への乗り入れ対応型車両は機器の都合でスカートを切り取っています。幾分不格好に見えるのは気のせいでしょうか。

そしてここ最近増えているのが「鉄仮面型」。

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スカートが正面だけでなく左右にも伸びて構成されているものが「鉄仮面型」です。機器の都合上で車体正面に空間が無い場合、デザインと強度を両立させるためスカートを側面まで伸ばして付けられています

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京阪さんの3000系はこの鉄仮面タイプの発展系とよばれるスカートとなっています。しかしよく見るとデザイン上連結器の下の部分、スカートの真ん中の部分が切り分けられるようになっています。

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このタイプはセパレートタイプへの準備対応もしやすいので、鉄仮面型と称しつつもセパレート型へ対応できるようなつくりになっているケースが多いです。近鉄さんのシリーズ21は特にその形状から推測できやすいデザインとなっていますね。

そして忘れてならないのは「車体一体型」です。

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車体のデザインとして完全に同化しているものが該当します。在来線の特急型車両の多くは武骨なものではなく、しゃれたデザインとなっているケースがほとんど。

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車輪の前には排障機があるのでデザイン性に富んでいても影響はありませんが、空気抵抗などの影響がある新幹線ではこの部分が特に重要視されており、明らかに一体化されています。昔の武骨なデザインもよかったのですが、コレは仕方ないです。

……さて、ここまで説明してみましたが、いかがでしたでしょうか。明日から出勤通学の際、フイに気になってるはず。こういうところにも鉄道を支える人々の細やかな配慮があるんだと気づいて頂ければ幸いです。

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