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2009年7月 5日 (日)

迷札巡り

Pict004501(改札出たら即ブックオフ・鶴橋駅にて)

過去当ブログでは「駅中ビジネス」というタイトルで一風変わった改札口を取り上げたことがあります。

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(大抵の改札口は人が大勢行きかっている・写真は天王寺駅)

従来人が行きかう「改札口」なのに一切感じさせない雰囲気と、侘しく動く自動改札機で構成された謎の空間。明らかに鉄道事業者も存在意義に迷っている改札口を私は「迷札(めいさつ)」と命名しました。

今回は普段気にしてみることのない「迷札」を巡りつつ、「迷札」とは一体どういう経緯で出来上がっていくのかをご説明してまいりましょう。

ひとつのパターンは「グループ会社への支援」。

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(左:大阪駅GARE口、右:天王寺駅Mio口)

関西圏では大阪駅の「GARE(ギャレ)」や天王寺駅の「Mio(ミオ)」といったJR西日本さんの系列専門店街が有名ですが、これらの施設には改札口が設置されていることは意外と知られていません。

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(左:大阪駅GARE口、右:天王寺駅Mio口)

私鉄や新たにできる大型商業施設では「商業施設への集客」を目的としたコンコースを設計していますが、これらの駅では旧態依然の改札を活用することなく、新たに改札口を取り付けています。改札口を設置してそちらから利用者を誘導しようという考えです。

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(左:改札だとアピールする看板。右:券売機より利用されているガラス戸奥のATM)

ただ新たにできた改札口より元々の改札口から移動した方が便利なケースが大半で、商業施設側だけでなく鉄道事業者側も存在をそれほど熱心にアピールしていない場合が殆どです。結果「知る人ぞ知る」施設となり、「迷札」へと変化していきます。

もうひとつのパターンが「駅の構造」。

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(左:京阪淀屋橋駅東1号改札口付近、右:改札口とホームの位置)

これは京阪電車さんの淀屋橋駅のように「駅のホームから駆け上がると即自由通路に繋がる」というケースが大半を占めています。淀屋橋駅は駅構内が細長い構造となっていますので、法律的に避難経路を確保しなくてはいけません。避難経路を常時使用するとなると必然的に改札口を設置せざるを得ない状態となります。

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尚、このケースでは平日と休日の利用目的や利用者数が違うケースが多いようです。実際に同じ構造の阪急電車さんの河原町駅では階段そのものを非常用としてですので平日以外利用しない改札口は必然的にきっぷ売り場が無い等の簡素化が進み、「迷札」へと変化していきます。

この説明で「迷札」がどのようなものであるかとお分かりいただけましたでしょうか。それ意外にも「迷札」は日本中いたるところに見かけることが可能です。それではしばし「迷札」を巡っていきましょう。

最初に紹介するのはJR西日本さんの天王寺駅です。

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先程「風雲!コネタ城」にて「天王寺駅の天女は束縛されている」と採用された天王寺駅。大阪のコアな色合いが強いこの駅には先程の「Mio口」だけでなく、かなり趣のある「迷札」がひっそりと皆さんをお待ちしています。

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(どどーん。)

天王寺駅には「Mio」以外に「ステーションプラザてんのうじ」という商業施設が併設されています。その「ステーションプラザてんのうじ」から阪和線ホームへダイレクトに移動するために設置されているのがこの「ステーションプラザ改札口」です。

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(左:アクセントとして光るのは三色のポールサイン、右:無人を証明する注意書き)

「迷札」ゆえ無人、そして「ステーションプラザ」に移動できるのにどことなく漂う不安な空気。写真の左側に不自然な形で増築された係員スペースと、無人化のために設置された改札機。これぞ「迷札」の基本形といったところ。

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改札を出ると食料品売り場とファッション用品売り場へ向かう階段が行く手を遮ります。階段も「迷札」の味わいを上げる最高の調味料。改札口に設置されている自動券売機は通常とは違ったまるで社員食堂の食券を売るようなタイプ。最近流行のICカードを差し込む場所すらありません。このステーションプラザ改札口は我々に「迷札」の基本とはどういうものかを教えてくれています。素晴らしい。

 

続いては新幹線駅の「迷札」です。

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(そろそろ新大阪駅だけで写真集が作れそうだ)

レルコンでは幾度となく取り上げている新大阪駅です。今回取り上げるのは在来線を管轄する「JR西日本」さんの改札。ひっきりなしに人が行きかうこの新大阪駅に、あまりにもひっそりと鎮座している「迷札」があります。

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その名は「地下鉄連絡口」。実際に新大阪駅には大阪市営地下鉄の御堂筋線が乗り入れており、道案内にはどの場所に行っても「こちらですよ」と行き先を示してくれています。この看板もそれなのか…と思いきや

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(どどーん。)

どうでしょう。この部分だけ見るとまるでどこかの地方駅を思わせる佇まい。新大阪という関西地域を代表する駅の改札口とは思えません。

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新幹線との乗り換え口の真横に「地下鉄連絡口」があります。「地下鉄連絡口」と言っておきながら、誰も地下鉄に乗り換えるために使用することはなく、ほぼ新大阪駅で働いている方々だけが業務量の連絡口として使用しているようです。

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「迷札」の要素である「無人」もきっちり兼ね備えています。しかもこの改札口にはステーションプラザ口では置いてあった券売機すら置いていません。

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この改札口に至るまでは結構な長さの階段を歩かなくてはいけません。エスカレーターなどの文明の利器が一切無いところも「迷札」の雰囲気を向上させています。ちなみにこの地下鉄連絡口はJRおでかけネットによると「段差なしで移動できる改札口」とのこと。

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階下ではしつこい位に「きっぷのお持ちでない方」への注意喚起を促しています。それはまるで来る人を拒む結界のようです。それならばいっそのこと閉鎖すればいいのでは?と思われるかもしれませんが、どうもこの「地下鉄連絡口」は淀屋橋駅の「迷札」同様駅構内の構造上どうしても配置しておかなくてはいけない改札口ではないかと考えられます。

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こちらの改札口を降りたところには「メディオ新大阪」という名前のショッピングセンターがあります。このショッピングセンターは高架下という条件下に設置されたため、かなり入り組んだ構造となっています。日常ではあまり活躍できない改札口も、何らかの災害が発生した場合の避難経路として使用する…、そんな構造になっているみたいです。

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(こういう風に撮影すると、ものすごく寂しい場所に見えるのは気のせいでしょうか)

 

最後にご紹介するのは「京都駅」にある「迷札」です。

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(左:京都駅西口、右:烏丸口の提灯。祇園祭の鉾や山の名前が書かれている)

新幹線が行き交い、在来線の特急も頻発している人と人との交流地点である京都駅、時期が時期だけに祇園祭の装飾も施され、近未来の駅舎の中にどこか日本情緒を漂わせているこの駅舎にも「迷札」が潜んでいます。

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(ど、どーん?)

それがこの「地下中央口」です。京都駅は新大阪駅同様幾度となくレルコンに登場していますが、この地下中央口は「京都駅のメジャーでないところ巡り」で一度登場しています。

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(過去の写真から再掲 左:京都駅地下中央口、右:デリバリーサービス窓口)

ただそれはあくまで改札外、しかも利用する際のおトクな情報として取り上げただけで、今回は改札がメインテーマ。早速ご覧戴きましょう。

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…あれ?どこにも「迷札」の雰囲気は感じ取れないじゃないか!と疑問符が皆様の頭の上にぽっかりと浮かんだのではないでしょうか。「迷札」の雰囲気が全く無い普通のどこにでもありそうな改札口です。しかしこれは悲しき出来事の後に「迷札」へと変わってしまった特異的な例なのです。

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(左:何も映らないLEDのパタパタ、右:中央改札口を改札外から)

元々この場所には「京都シティエアターミナル」という名前の施設がありました。関西空港開港直後に「駅で航空機にチェックインできる」という施設として大々的にアピールされていたものです。

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(左:長く暗い廊下、右:改札口には上下エスカレーターがある)

9・11のテロをきっかけに航空機の保安基準が変わり、機内に預ける荷物を空港以外で検査することができなくなったこと、そして折からの関空利用客数の低迷などがあり、「京都シティエアターミナル」は閉鎖。結果人がなかなか訪れることのない改札口、「迷札」と化してしまいました。

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(一応山陰線ホームには出口の案内がある。しかしあまり使用されていない)

現在も稼働はしていますが、「迷札」ですので改札口に人は常駐していません。ただ要人の移動にはよく使用されているようで、ノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんは奥さんをこの改札口で迎えています。人気のなさが役に立った一例ではないでしょうか。

まだまだ「迷札」はたくさんあります。これからも暇を見つけては訪ね、その趣を感じてまいります。

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