とまれコレクション
電車でGO!をやっている人ならお分かりだと思いますが、電車は急に止まりません。急にブレーキをかけたとしても、平気で滑走していきます。電車を高速走行の状態から定位置で止めるとなると相当の訓練が必要となります。今回はその止まる目標、「停止標識」のお話です。
停止標識、これの正式名称は「停止位置目標」だそうです。よくホームの屋根の下や端に置かれているバツ印の標識がコレにあたります。
JRの場合、ひし形にバツ印を電車や気動車の様に自立して運行できる車両用、四角形にバツ印を客車などをけん引する機関車用として使われています。
両数や車種によって停車位置が異なる場合、標識の中に両数が書かれ、その標識はどの車種用なのか補足する看板が追加されています。
(新幹線の場合、形式によって運転席の場所が違うので標識の場所も変わります。ちなみにVは「V編成」、500系の8両編成用停車位置)
…まぁこれだけ見ると単純だなぁと言う感じがしますが、そこはやっぱり私鉄王国関西。関西の大手私鉄5社は各々の考え方があるからか、この停車標識にも千差万別実に多彩な形状を施しています。それではさっそく見て参りましょう。
1:阪急電車さん
白い看板がホームと反対側に設置。編成によって停車位置が違う場合、その両数を記載して対応。
2:阪神電車さん
看板というより棒。こちらも編成によって停車位置が異なるため数字が添付されている。
3:南海電車さん
阪急電車さんと同じスタイルだが、共通する停車位置の場合バツ印が添付されている。両数も車種も多様ではあるが、すべて同じ形状の中に記載されている。
4:近鉄電車さん
レール中央に真っ赤な板を配置。停車位置が共通する場合は何も書かれていないが、個別に分かれている場合は数字が記載されている。
5:京阪電車さん
原則としてホームと反対側に阪神さんと同じような棒状の板が。停車位置が共通の場合はバツ印がその場所に書かれている。
…さて、これだけだとアレなのでちょっと変わったものをいくつか紹介します。まずは頭端式ホームの場合。
関東では上野駅に代表される「ターミナル」を代表するような形状の場合、線路の両脇が既にホームとなっていますのでその場所に設置すると運転手側からは見えにくい状態になってしまいます。このような場合は関西地域だと近鉄電車さんのように線路中央に標識を置いているケースが大半を占めています。
ただしJR西日本さんの場合はどちらでも見やすいように屋根から標識をぶら下げて対処しています。結構親切です。この他にJR西日本さんは停車位置に結構バリエーションを持たせています。JR東西線の停車位置は停止する確実性を高めたデザインとなっています。
停車位置を知らせる看板があることはあるのですが、実際運転席から最終的に確認することは難しい位置にあります。そこで壁に数字を書き込むことで運転席の扉から確認できるようになっています。
(試行錯誤の末、数字ではなく色彩と図形だけで表現している個所も)
この他に地上部分でも運転手さんに見やすく分かりやすい位置にまで棒を伸ばし、停止位置をアピールするものもあります。
…これだけ色々と種類があるわけですから、そりゃあ相互乗り入れは簡単に行えるものではありません。そして、こんなもので終わると「なんだそれ」と言われてしまうのが世の常です。そこで今回はアド街風の映像を作ってみました。どうぞご覧下さいませ。
…まぁこんな映像を作っているから更新が遅れるんですな。
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