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2008年12月23日 (火)

テツにまみれる

(※12月24日23時50分:一部表現を変更しました)

 いつもお世話になっているデイリーポータルZさんの「デイリー道場」で、「今年やり残したことをやる」というお題が出ている。先週私は今年書いた記事を振り返ってみた。そこで思ったのが「鉄道イベント」に参加していないということだ。コレは大変だ、急いで参加しなきゃ。

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鉄道のイベントといえば「車庫の一般開放」「新路線・新車」「さよなら運転・廃線」に分類される。その中で一番盛り上がってしまうのが「さよなら運転・廃線」。つまり明日から見れなくなる、乗れなくなるというものだ。この盛り上がりは一種異様で、鉄道ファンの間ではそのイベントに出る人の事を「葬式鉄」と呼び、軽蔑する人達がいる。

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12月は何故か「お別れ」がキーワードとなるイベントが私の回りで沢山あった。0系新幹線もそのうちのひとつ。当日は0系新幹線よりも大切な人を西方浄土へ送り出すため、見送ることができなかった。ただ新大阪駅に立ち寄ってイベント前のちょっとした風景をこの目で見ることができ、後に親戚宅でその模様をニュースでじっくりと見た。遠くなる姿に私はそっと語りかけた。ありがとう新幹線。

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(当日の新大阪駅はテツだらけで、国賓以上の警備体制だった)

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その日から6日後、レルコンでは高い頻度で登場している「京阪電車」でも同様の「さよなら運転」イベントが開催された。今回はこのイベントに参加している「テツ」になろう。そうだ、私はこれから「テツ」になるんだ。

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さよなら運転の主役は京阪電車の1900系。私がレルコンで最初に書いた「京阪電車・匠の技」でも取り上げた由緒正しい車両だ。実際には京阪中之島線の開通時に運用から外れていたのだけれど、この車両が12月20日をもって正式に引退する。

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(ちょっと過去の写真を探してもこれだけ出てきた)

この1900系は思えば実に京阪らしい車両だった。新しく作られた車両と元からあった車両を同じ系統に、特急型として作られたが一般型へと運用を変更、その際にドアを新しく一つ追加、冷房化する際に車体を補強したら思った以上に費用がかかった…等々、調べれば調べるほど京阪を如実に感じられる面白い車両だ。そんな京阪を代表する1900系がいよいよラストランとなる。

そこで冒頭の写真に戻る。

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少し前に三脚を直そうとして貨物列車と接触した人身事故があった。そのことから安全面を考慮し、駅構内で脚立を利用しての撮影を禁止したのだろう。実際こういう「さよならイベント」の際は脚立がトラブルの火種となる場合が多い。京阪を代表する車両が引退するイベント故、トラブルを避けるためのルールを明示しておくのは有効な手段なのかもしれない。

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実際に枚方市駅へ向かうと、既に「テツ」はホームにいた。到着した時にはもうイベント列車が走りだそうとしていた頃なので、ホームは「何故カメラを抱えた人がこんなにいるんだ」という不思議な空気が漂っていた。これに違和感を感じてはいけない。何故なら私はこれから「テツ」になるからだ。

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(個人的には9000系のリフォームも捨てがたい)

今回はこの枚方市駅だけでなく、京阪電車を撮影する人々、つまり「撮り鉄」な人が集合する駅に移動してみることにする。そこで私は完璧な「テツ」へと変貌を遂げるのだ。

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(車中流れる風景にはどこかに「撮り鉄」がいた)

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まずは大阪市内にある「森小路駅」。

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この駅は京阪の複々線では特異的な配線となっている。他の駅は各駅に停車するタイプが走行する線路(B線)にだけホームが設置されているが、この駅だけは通過列車も走る線路(A線)にもホームが設置されている。

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その為迫力ある写真を間近で撮影することが可能。同様の形状である守口市駅ではホーム端に業務用の施設が設置されていて見栄えが悪い。しかも駅の京都側には速度制限があるため迫力ある写真を押さえるにはこの森小路駅が最適なのだ。

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現に私が森小路駅に辿り着くと、ホームの端寄りには撮影する人がいた。しかし絶好のポイントとはいえ駅の規模が小さいことが遠因となってか思ったほど多くはなかった。流石にきちんと節度を守って行動している。素晴らしきかな「撮り鉄」の皆様。

…しかし、この現場で私が「テツ」になるというのは他の人々に大いなる迷惑がかかる。狭いホームに巨体は邪魔なだけだ。そこで私は出町柳方面へ向かう各駅停車へ乗り込み、一路西三荘駅を目指した。

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森小路駅から引き返し、西三荘駅へ向かう。過去「駅のベンチで彼女にアウディ」という項目で取り上げたこの駅も撮影ポイントとして有名だったりする。駅に到着すると既に「撮り鉄」の皆様が準備の真っ最中。

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西三荘駅は他の駅と違い、ホームの幅に余裕がある設計となっている。しかもこの日は土曜日。最寄にあるパナソニックの本社へやってくる人も多くなく、ファンと駅員さんの間に流れがちな殺伐とした空気も感じられず、鉄道への愛に満ち溢れていた。そうか、これを「アットホーム」というのか。

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(大阪行ホームも「撮り鉄」な方々が満載)

その時私は気になったことがあった。何故か軽い疎外感が私の中にあった。過去幾度となくこういうイベントがあったが、その時よりも疎外感を肌で感じてしまう。西三荘駅ではなく古川橋駅の方がよかったのか。

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(車内から見た古川橋の写真)

どうしてだろう、なんでだろうと思いながら私はラストランを見送った。

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最後の走行を見送った「撮り鉄」な人々は即座に撤収作業を始める。いつも思うことだけど、世間の人達が想像するよりもマナーが良く、そして手早く撤収をする。この潔さをこの目で見て、そして気づいた。私はまだまだ「テツ」としてはひよっ子なのだということ。「鉄道」は一つの趣味ではなく「道」、「剣道」や「柔道」の様に自己を鍛練し、極めて行くものではないのかということ。来年は弛んだ心(および体)を引き締め、精進していこう。そう私は心に決めた。

 

最後に今回のイベントを企画してくださった京阪電車の皆様(しかも最後の列車には登場当時のような化粧を施すという実に芸が細かい!)には心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

<オマケ>

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最後に私の尊敬する「てっちゃん」の写真を。絶対オレ怒られる。

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