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2008年6月29日 (日)

風邪なので模型の話でも

 私事で恐縮ですが、先日風邪をひいてしまいました。人生初の40度台を経験してしまい、自室の布団の中で「ああこうして人は西へと旅立っていくのか」と考えてしまいました。しかし、私は生きております。社会の片隅、自室の布団の上で何とか生きながらえております。

 そんな高熱を出していても自室で楽しめる鉄道趣味、それは『鉄道模型』ではないでしょうか。

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…しかしながら残念なことに私、鉄道模型に関しては全くの素人さんです。唯一持っている模型は友人に唆されて買ってしまったNゲージの285系さんだけ。

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(意外と配布数が少なかった285系のパンフレット)

実は私、この285系さんの大ファンでして、幾度となく彼の勇士をこの目に焼き付けています(どうでもいい話ですが、大阪から東京へ向かう際高速バスを使うよりサンライズさんの方が指定席でも寝転がることができて腰痛持ちの私からすれば大助かりだったりします)。このNゲージも店頭のショーウインドウに飾られている商品を見て、思わず衝動買いをしてしまったほど。いやはや罪なヤツです。ただこの模型にはあまり知られていない部分が一つあります。それは「誇張」という技法です。

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(誇張の一例、眼だけアニメっぽくしてみた。こんな人間はいないがアニメの場合この目の大きさでもすんなり受け入れられる。いや、それにしても怖いな>右側。)

「誇張」と言われてピンとこない人が大半ではないかと思います。でも実際の人間の顔とアニメのキャラクターを比較してみると「誇張」の意味がわかるのではないかと。アニメや漫画の場合、実際の顔の一部分を誇張して顔を表現しています。これと同じように模型の場合実際の色を模型に塗るとかなり重い印象を受ける場合が多いそうです。なので模型に色を塗る場合、実際の色よりも若干明るめの色を塗って改善しているそうです。

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さて、鉄道模型では「誇張」というのはどうなっているのか。その答えを見つけるべく兵庫県は尼崎までやってまいりました。駅前は再開発の真っ最中、これから大きく発展を遂げるこの街のショッピングセンターに鉄道好きな人間が集まるであろう場所があります。

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そう、関西に鳴り物入りで登場した「ホビスタ」さんです。いわゆる「鉄子ブーム」の際に乗り遅れじ!とばかりに開業した当時は盛況でしたが、現在はその波も落ち着いて今後どういう展開を見せてくれるのかなぁ…といったところ。

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(左:HOゲージのジオラマ、右:Nゲージのジオラマ)

館内には大きなHOゲージやNゲージのジオラマが用意されており、鉄道好きにはたまらん空間となっています。そのジオラマの「誇張」として使用されているのが小さい人形です。

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(左:HOゲージ用の人形、右:Nゲージ用の人形)

まるで米粒に字を書くかのような繊細さで塗られているこれらの人形、我々はこの人形やこの人形がいる建物などを見て「ああこの電車はこういう大きさなんだなぁ」と認識していきます。ただあまりにもこれらの人形は小さすぎて本当に人間と同じ大きさなのかいささか不安だったります。

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そこでNゲージ用の人形から一人取り出し、模型のそばに置いてみました。アップで見ると洒落たキレンジャーという感じですが、実際のところはホストさんではないかと思われます。確かに並んでみると人形さんの恰幅の良さだけが見られますが、ここから彼のサイズを測定していきましょう。

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定規は真後ろの285系さん。前出のパンフレットには扉の寸法が横に記載されており、ここから人形の身長を慎重に割り出していきます。

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真横から撮影するとちょうど肩幅がドアと同じ。ということは肩幅は70センチ、身長はその矢印を90度回転して計測すると約190センチ。いやはやこのホストさん、結構なお体でございますなぁ。顔がキレンジャーでなければ引く手あまたではないかと。

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しかしながらどうも他の人も同じ肩幅。どうやら鉄道模型に使われている人形さんは横を広くすることで存在をアピールしているようです。地味ですけれど、意外と認識されるために考えているんだなぁといったところでしょうか。

…来週はもっと頑張ります。

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2008年6月22日 (日)

半期に一度の反省会

 先日文字通り「勢い」で掲載した『駅のベンチで彼女にアウディ』がデイリーポータルZさんの投稿コンテンツ「コネタ道場」に掲載されました。「もう一息」とは言え、掲載して頂けただけでも嬉しいです。…ただ、この項目に使う画像を編集している時にちょっと気づいたことがあります。

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過去幾度となく私はレルコンに出ています。まぁ書いている人間が出てくるのは必然だろうかと思うのですが、問題なのはその姿。

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オレ、この頃太ったなぁ。

…いや昔からだという突っ込みはさておき、マジメな話太っちゃってます。レルコンを始める前に撮影した画像と前回「駅のベンチで彼女にアウディ」を取材した際に撮影した画像を抜き取って比べてみましょう。

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…明らかに肉が付いて一回り大きくなっています。うーん、どうしてなんでしょう。去年も一昨年も食生活はそんなに変わっていませんし、運動量が減ったということはありません。なのにどうしてこの皮下脂肪。

あまり公表したくはないのですがこんな体格ですが一度20キロ前後痩せたことがあります。そこから若干戻ったとはいえこんなに変化しているとは当の本人も気づいていませんでした。やばいよ、コレ本当にヤバイよ。

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(左から順に2006年8月、2006年10月、2008年)

ただ問題なのがズボン。何故かコイツだけサイズが一緒だったりします。ジーパンのくせにある程度伸縮性があるという多機能なヤツですから、もしかしたらジーパンが事前に体とフィットするように調整している可能性があります。でもあの顔のような状態だとジーパンだってえらいことになります。ああ、なんていいやつなんだ>ジーパン。

…というわけで、これから何となくダイエットを始めていこうと考えております。岡田斗司夫さんのように地球上から人間一人消すレベルは無理にしても、せめて体重を3ケタから2ケタにすることを目標に精進してまいります。あえて「**キロ痩せた」とは申し上げませんが、レルコンではこれから幾度となく私の写真が出てまいります。そこでダイエットが順調かどうかをチェックしてください。

…さぁ、どうなる私の体(笑)。

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2008年6月15日 (日)

駅のベンチで彼女にアウディ

 見えているようで見えていない、感じているようで感じていない。知らぬ間に発見することを止め、当たり前だと認識してしまうことがよくあります。今回は駅構内にある重要な器具「ベンチ」にスポットを当ててみましょう。

まず最初に典型的な「駅のベンチ」をご覧戴きましょう。

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球場や競技場の指定席などで多く使われているこのデザイン、破損した際に行われる交換の容易さや部品の調達度、そして座り心地が可もなく不可もなくといった「ちょっとした休息目的のために座る」ベンチです。

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近鉄電車さんのターミナル駅となっている鶴橋駅と難波駅ではこの種類を多様しています。椅子の数を増やすタイプのベンチを導入することで観光客に対応するだけでなく、座る以外の機能を排除した設計ゆえ通勤時間帯の利用客が移動できる空間を生み出しています。

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また待合室でも同じスタイルのものを設置。これはプラスチック素材のメンテナンスのし易さだけでなく、コスト性や座った際の安定感に着目した結果なのでしょうか。その点を重要視しているのは実に近鉄電車さんらしいです。

 次に紹介するのは「あぜ道型」。

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先ほどの汎用的なベンチの部品を取り入れつつ、各利用者の空間を阻害しないよう席と席の間にあぜ道型のテーブルを設置。個人のテリトリーを守りつつ、ちょっとした荷物を置けるようにと工夫されているのがこのタイプではないでしょうか。このスタイルは90年代に回収された駅によく設置されています。

 続いてはちょっと変わった形の「ダークダックス型」。

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椅子の右側だけに手すりが付けられています。この形状から私は歌謡グループ『ダークダックス』が歌う姿を連想してしまいました。「あぜ道型」とは違い、狭い空間でありながらも個人のスペースを確保したい、そういう考えがこのベンチには見受けられます。

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関西でこのタイプは南海のなんば駅で多く使われています。高野山や和歌山経由で四国へと向かう方々だけでなく、関西空港への玄関口としての使命を得た南海なんば駅。

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従来のような「あぜ道型」では利用客へのキャパシティが不足する、かといってスタンダードなものとなると国際的な雰囲気が漂わない…。そこはやはりデザインに拘る南海電車さん、新たなデザインとしてこれらのベンチを導入したのでしょう。

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でも関西空港へ向かう特急ラピート用のホームにある椅子は何故かちょっと豪華なんですが。アレでしょうか、ビジネスクラスの人が使えるラウンジみたいなもんでしょうか。…一度でいいから利用してみたいですなぁ。

 この「ダークダックス型」の欠点はテーブルが無いためにちょっとした小物を置くスペースが無い、一方の「あぜ道型」はテーブルという空間があるものの、「ダークダックス型」のような手すりが無いためお年寄りが席を立つ際支えが見当たらなくてちょっと大変。これらの欠点を補うためにこれらの様式を組み合わせたのが次に紹介する「あぜ道ダックス型」です。

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バリアフリーの要素を「あぜ道型」に組み込んだのか、「ダークダックス型」の欠点を改善したのかはわかりません。意外と座面の幅が広いだけでなく、私のような体型でも難なく座れるように一方の手すりを取り除いた設計。このタイプはJR西日本さんのホームでよく見られます。

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JR西日本さんのベンチの様にあえて不釣り合いな個所を設けるパターンもあれば阪神西九条駅の改装された待合室のベンチみたいに同じパターンを2つ連続したものもあります。こちらの場合は「ダークダックス型」というより「狩人型」「ザ・たっち型」「工藤兄弟型」といった方がいいのかもしれません。

  …さて、ここまでは比較的スタンダードなものを紹介してまいりました。ココでちょっと変わっているバージョンをご紹介しましょう。

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画像に掲載されている駅名をご覧頂ければ一発でお分かりになられるかと思いますが、この写真は阪急電車の高槻市駅に設置されているベンチです。先ほどの分類からするとベンチの形状は「あぜ道型」から派生したものと考えられます。

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形は同じであっても色が違う…そこで止まってはいけません。 よーくベンチの「あぜ道」部分をご覧ください。

 

 

 

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阪急さん、ベンチの広告はすべて清酒白雪さん(正式には小西酒造さん)に統一されているみたいです。調べますと阪急さんと清酒白雪さんは色々とご縁があるようで、そこから広告として出しているみたいです。

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(もちろん待合室の椅子も清酒白雪さん、いやコレいくら広告費払うんだろう)

 

…色々と駅のベンチをご紹介したとはいえ、やはり駅のベンチといえばこういう形状を私は思い浮かべてしまいます。

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そう、仕切りも何もない長い状態。昔ながらのベンチというものです。比較的京阪電車さんにはこの手のベンチが多く残っていますが、それでもやはり風雪に長く耐えるよう塗装されて味気ないものへと変わっています。しかし、比較的新しく作られた駅にはまだ塗装されずに残っている木のベンチがあると聞きます。

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京阪電車の西三荘駅、種別で言えば区間急行と各駅停車のみが停車するというかなりマイナーな駅です。

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しかしながら駅前にあるのは「ナショナル」や「パナソニック」、「水戸黄門」でお馴染みの松下電器の本社。少し前まで到着の案内で「西三荘、松下前です」というキャプションがついていたほどの大企業が駅前にあります。 その西三荘駅のベンチと言えば

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どうですか、この堂々とした木の風合!美しいではありませんか!駅の階段部分に挟まれて設置されたベンチは最低限の改造を受けて待合室に転用されています。

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この待合室に使われているベンチだけでなく、他の屋外に設置されているベンチも長いです。…が、どれだけ長いのか写真だけでは判断しにくいです。何か定規の代わりになるものはないのか…、考えに考え勢いでこんな写真を撮ってみました。

 

 

 

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私を定規の代わりとすると、一つのベンチで大体16人座れます。この長いベンチも京阪らしいといえば京阪らしいです。ベンチにも色々と種類がありますし、ベンチひとつを見るだけで地域の特徴や駅舎が建てられた時の時代背景、そして各鉄道会社の方向性が明確に見えてきます。車両やダイヤだけでなく、近くの駅のベンチも一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

<オマケ>

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タイマー撮影に手間取って急いではいけない。コケるぞ。

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2008年6月 7日 (土)

エコの大罪

   今月は環境月間ということもあってかテレビ番組などでエコロジー関連の特集を多く見受けます(このところのエコに関しては色々と言いたい事が山ほどあるのですが、レルコンとはあまり関係有りませんので割愛します)。エコロジーと言われて必ず『善玉』チックに扱われるのが鉄道です。

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確かにLRTに代表されるようなシステム作りや二酸化炭素を他の交通機関と比較したら排出しない、低エネルギーで大量輸送ができる等々利点はたくさんあります。しかしながらその利点の一方で鉄道は採算コストが高いという点はあまり知られていないような気がします。

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近年よく聞かれる「夜行列車の運行取り止め」や「地方ローカル線の廃止」。これらは運航することで生まれる利益より費用がかかりすぎる事が一端となっています。もちろん鉄道会社も単に指を咥えて時が過ぎていくのを待つのではなく、様々な努力をしています。そこで今回はコスト面をどのように解消しようとしているのか見ていきましょう。

まずはこの2枚の写真をご覧ください。

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一見違うように見えるこの車両、実はどちらも同じ『113系』と呼ばれる近郊型の車両です。JR西日本さんは経営努力の一環として国鉄時代がら受け継がれてきた車両をリフォームすることで車両を長持ちさせる方針を取っています。窓の構造を整備しやすい形状に変えるだけでなく、客室内を時代のニーズに合った形に変化させています。

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大阪環状線を走行している『103系』と呼ばれる車両にも同じような手法が用いられています。こちらもリフォームすることを前提としていますが、その一方で大型の窓を採用することで窓に使う窓ガラスの量を削減、メンテナンス性を向上させた構造となっています。

…ただこれだけ見ると「JR西日本はなんてケチな会社なんだ!」と思われるかもしれません。でも古いからといって蔑むのは間違った考えだと私は考えます。その運行する路線の事情を考慮せず新型車両を運行すれば自ずと故障や運行障害等が多く発生することに繋がってしまいます。その地域に応じたやり方が一番だと思います。

さて、その一方で私鉄はどういうやり方でコスト面を解消しようとしているのでしょうか。こちらの写真をご覧ください。

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この2つは近鉄電車さんと阪急電車さんの代表的な車両です。一見すると「だから何?」という言葉で終わってしまいますが、実は近鉄電車さんと阪急電車さんにはこれと同じような形の電車がたくさんあります。鉄道ファンならわかりますが一般的な方だとどれがどれやらわからないハズです。電車の形状をある程度統一することで部品を共用でき、大量仕入れすることでコストを下げていくという技法を取っているようです。

もちろん近鉄さんや阪急さんは各々自社系列の鉄道車両製造会社を持っているから作りやすいやり方で作った等様々な要因が考えられますが、私はあえて統一したのではないかと考えています。その考え方が最近の電車にも取り入れられています。

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JR西日本さんが所有している207系、こちらの妻面側の窓は真横の窓と同じ構造になっています。どちらも同じ寸法で同じく換気用として上下することができる窓です。そう考えだすと一見違う車両でも実は同じ部品を用いているのではないかと勘繰りたくなるのは人の常。

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例えばJR西日本さんが導入している321系と207系、どちらも用途が通勤用なので運用面も似通っています。両者とも外観は違うように見えますがよくガラスの部分を見てみますと…

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ほぼ同じ形状をしているではありませんか。ただでさえ電車の先頭部分というのは損傷しやすい個所です。なので新しい車両を導入する際に新しい形のガラスを用いるのではなく、あえて今までの車両と同じ形状のガラスを採用したのではないかと考えられます(まったく違う車両だと思わせる、デザインの力はすごいです)。

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そう考えると近郊型の車両もありえるのではないでしょうか。特にJRになってから導入された221系と223系は用途も同じであり、なおかつ両方とも多数。共通化していればコストが下がって万々歳なハズです。

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ただ223系の場合は下の部分が狭くなっているのに対し、221系は流線形のフォルムを強調するかのように上の部分を狭くしています。もしかしてこの部分を上下逆にすれば…!さっそく検証してみましょう。

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写真に入っている窓の部分を切り出し、同じ寸法に仕立て直します。そして221系の画像を上下逆転し、輪郭だけを取り出します。今回はこの輪郭と223系の写真を組み合わせて本当かどうか確認します。さて、どうなることでしょうか!

 

 

 

 

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…怪しい。この状態では怪しすぎます。それならばいっそのこときちんと合わせてみましょう! 

 

 

 

 

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…ぜんぜん違いました。いやあ、予想と現実は全く違うものなんですねぇ。まぁ製造時期が221系と223系の間はかなり離れていたということもあって新たな形状にしたのではないかと考えられます。まぁそんなにうまい話はないということで。

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