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2008年1月24日 (木)

黄色い線の内側をさぐる。

 当レールウェイコンシェルジュでは時々「社会派」っぽい項目が登場していることにお気づきでしょうか。つばめのかぶり物を被って徘徊したり、駅で寝転んだり身銭を切って高級ホテルに泊まったりしているちょっとヘンなブログではありますが、時には真面目になって色々なことをお伝えしております。今回はちょっと真面目にお話をさせて頂きます。

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皆さんはこの黄色いブロックを見たことはありませんか?公共施設や歩道などに設置されている『点字ブロック』というものです。正式名称は『視覚障害者誘導用ブロック』といい、バリアフリーの普及に伴い公共施設のみならず一般の商店などでも設置されることが多くなりました。

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(左:阪神岩屋駅、右:阪急梅田駅)

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(左:点状ブロック、右:線状ブロック)

点字ブロックは注意を表すための点で構成された『点状ブロック』と、進行する方向を示す『線状ブロック』の2つで構成されています。駅の構内でよく見かけるのは『点状ブロック』、列車が進入してくるプラットホームに多く設置されているのがよく見受けられます。

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(左:阪神甲子園駅、右:JR東海・東海道新幹線京都駅)

 この点字ブロックの色合いのおかげで駅構内で流れるアナウンスも若干変化がありました。今までなら「白線の内側にお下がりください」と言うべき場面では「黄色い線の内側で」と注意喚起されるようになりました。しかしながらこの点字ブロック、よく見ると各鉄道会社によって形状が異なっています。今回は鉄道事業者が設置した点字ブロックを見てまいりましょう。まずはJR京都駅。

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(左:JR西日本京都駅、右:JR東海京都駅)

施工時期や設置環境など違いはありますが、ほぼ同じ形状の『点状ブロック』を使用しています。ただ違うのは同じ点字ブロックでありながらも色が若干違います。JR西日本さんの方は例えるならばレモン色っぽい黄色、JR東海さんの方は山吹色っぽい黄色。どちらも水彩絵の具の12本セットを買ったら必ず付いてくるそんな微妙な違いです。

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(左:阪急高槻市駅、右:阪神岩屋駅)

 いまやすっかりグループ会社となってしまったかつてのライバル、阪急電車さんと阪神電車さんのを比べてみますと、阪神さんの方はJR西日本さんと同じ形状なのに対し、阪急さんの『点状ブロック』は粒の数が若干多め。おやおや阪急さんはこんなところにも大サービスしてらっしゃるのか…と思ったところ、私は衝撃的なことを発見してしまうのです。

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(左:阪神春日野道駅、中:阪神岩屋駅、右:阪神久寿川駅)

これらはすべて同じ阪神電車さんの駅構内及び駅付近にて撮影されたものです。各々に使われている点字ブロックの形状が違いすぎています。最も新しい時期に改装された春日野道駅では『点状ブロック』に一本だけ直線、すなわち『点状』と『線状』が組み合わさった点字ブロックを用いています。それ以前に改装された岩屋駅では同時期に改装されたであろう駅前広場と駅構内を結ぶ点字ブロックの規格が微妙に違っています。そして最後の久寿川駅の出入り口周辺はまるで『点状ブロック』の見本市状態。

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(左・中:阪神青木駅、右:阪神甲子園駅降車ホーム)

設置場所にも驚かせるのが阪神さんです。阪神青木駅に設置されている『点状ブロック』はホームの柱へぶつかることを避けるために柱に沿っています。あの甲子園球場でおなじみの阪神甲子園駅では降車用ホームだけに従来よりも小さい点状ブロックが設置されているだけ。…これだけでビックリしてはいけません。将来的に乗り入れる近鉄電車さん、この京都駅の点字ブロックが今までの考えから超越したものとなっています。それがコチラ。

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(近鉄丹波橋駅)

なんだこの微妙な『線状ブロック』の形は!

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(左:近鉄京都駅コンコース、右:丹波橋駅、手前が近鉄管理、奥が京阪管理)

どうも近鉄さんでは一時期『線状ブロック』に特殊なものを使っていたようです。しかし実は特殊な形状として取り上げたこの点字ブロックも実は正しい点字ブロックなのです。それならば一体どうしてこんなにも多種多様な形状が生まれてしまったのでしょうか?

 1967年、点字ブロックは初めて岡山で設置されました。目の不自由な方にとって情報を足の感触だけで伝えるというこの点字ブロックは瞬く間に全国へと普及していきました。ですが、普及していく一方で点字ブロックの「統一された規格」というのはありませんでした。

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(どれも点字ブロックだが、JIS規格外。特に左は手作り感が強い)

 その為点字ブロックを作った各々の会社が「こうすればいいのではないか」と善意で想定してしまいその結果、点字ブロックの形状は2001年まで統一されないという事態になってしまいました。現在はJIS規格によってある程度揃えられるようになりましたが、それまでは目の不自由な方に混乱を与えかねない状態となっていたようです。

 これからはある程度統一される方向になると思われますが、こういうところはもっと最初の方に統一できていたらなぁ…と撮影しながら思いました。

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