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2007年7月10日 (火)

あの日の願いを確かめる

 『望みを叶えるために、突き進め』という歌が流れ出した2003年、京阪電車交野線に神話を元にした列車が走り出しました。朝のラッシュ時に走行するK特急<おりひめ>と直通準急<ひこぼし>、その両者が出会うと言われているのが五節句のひとつ「七夕」であります。

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(天野川を渡っていく<彦星>仕様の1900系)

K特急<おりひめ>と直通準急<ひこぼし>は両者とも平日のみの運行ということもあって今年はどうなるんだろう?と思っていたら、きちんとそこら辺は京阪電車さん考えてらっしゃる。天野川を渡る列車に<彦星>というプレートを付け、臨時に私市駅へ停車させている<織姫>と5回もランデブーさせるという小粋なことをしてくれました。粋ですなぁ。

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 で、これに付随するかのように京阪電車さんでは京阪線全ての駅に笹を配置し、願い事を書く短冊を配布して飾り付けてもらおうというイベントを実施しておりました。しかし今回残念なことに曇天。織姫様も彦星様も残念ながら地上を覆う梅雨雲によって七夕当日願い事を知ることは不可能となってしまいました。そこで今回は織姫様と彦星様に成り代って、地上の人々は一枚の短冊にどのような願いを書き記したのか(勝手に)調査してみました。

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(京阪特急の停車駅ご案内)

調査方法はいたってシンプル。駅に飾られた短冊を調査し、駅事にどのような願い事が書かれているのかを分析します。本来ならば全ての京阪電車の駅をリサーチするのが最もなのですが、流石にソレは一日で済みません。今回はあえて調査対象を「特急の停車駅」に限定し、そこから分析をしてみます。それでは早速参りましょう。

1:淀屋橋駅

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笹は駅の改札外、京阪交通社さんの真横に置かれていました。自由に付けられるようになっていましたが、残念なことにメインターミナルでありながらも立地が悪かったせいか短冊の数は少なめ。それでも大阪の商業の中心地ということもあって、どの様な願いが多いのかと思いながら見てみますと、『鉄道会社に内定』『大学合格』等ありがちな願いの中に

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(『**さんにもう一度逢えますように』)

この短冊へ書き込まれた願いには長い道のりがあったのでしょう。織姫と彦星が一年に一度逢えるその時に、叶えて欲しい願いが『逢えますように』…。何故か初っ端からやられてます。泣きそうになりましたよ、この方のささやかな願いに。

2:北浜駅

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北浜といえば大阪証券取引所。大阪の経済の中心地であります。ですがやっぱり昨今の関西経済没落を象徴するかのように短冊の数は少なめ。この駅を利用する人にとって、願いというものは叶えて貰うのではなく自らの手で勝ち取るものなのかもしれません。書いてある願い事も『一生安泰』『宝くじが当たりますように』等といった自己中心的なものが中心。そのせいなのか置いてある立て看板も七夕をアピールせずに

Amano32 来週山鉾巡航が行われる『祇園祭』を大々的にアピールしてました(それでいいのか?)。

3:天満橋駅

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昨今この天満橋駅は京阪電車さんが行っている試みのおかげで結構ハイソサエティな香りが漂い始めています。しかしそこは官庁街の入り口、近くに日本経済新聞の社屋があるということもあってお願い事もかなりお堅い。

ただそのお願い事は自らの手で掴み取るものだと思うのは私だけでしょうか。

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4:京橋駅

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大阪環状線と学研都市(JR東西線)線、長堀鶴見緑地線といった交通の要所、その流れで京阪電車さんの中では最も乗降客が多いということで有名な京橋駅の場合、その乗降客数を見込んでか改札内に3本、改札外に1本の笹が用意されていました。

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この駅の周囲は庶民的な飲食店が並んだ実に大阪らしい場所、その流れもあってか願い事も実態に即したものが多いのが特徴です。また駅の構内には京阪系列のホテル、周辺には恋人達の止まり木がたくさんあるということで、独り身には結構辛い願い事ばかり。

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コレですよ、こんなのが一杯あるわけです。思わず山羊を連れてきて恋愛関係の短冊喰わせてやろうかと思ったほど。

5:枚方市駅

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このところ汚職やら失態やらである意味有名になってしまった枚方市のランドマークとして利用されている枚方市駅、今回は『七夕サミット』の開催地ということ、京阪本線としては『七夕伝説』の中で最も中心的な扱いを受けています。その為笹の数は2本用意。枚方市ではこの七夕イベントが駅前だけでなく市中一体も七夕で盛り上がっております。

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(左:歩道橋に飾られた吹流し、右:恋人の聖地として何時の間にか認定された路地)

短冊は以外にも学業を精進させたいという願いが多かったです。枚方市は有名な学校がたくさんある街、その流れから学生さん達がこぞって願っている様子。ココで願うよりも勉強した方がいいと思いますけど

6:樟葉駅

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 ちょっと前に商店街形式から大型ショッピングモールとしてリニューアルオープンした『KUZUHAMALL』さんがあり、関西では屈指の高級住宅街(らしい)の樟葉駅、ただ駅の規模と反比例するかのように駅改札内に置かれていた笹は一本のみ。実際にこの目では確認していませんが、KUZUHAMALLさんの方で結構大々的に七夕イベントを開催していたようです。その影響か短冊へ書かれた願いはマイナーな願い事が中心。

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関西地域ではそれなりに勇気のいる大変なお願いも飾られていました。よく願いましたねぇ…。後でこの人ボッコボコになってなければいいんですけど。

7:中書島駅

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いよいよココから京都府(正確には橋本駅から京都府)。洛南地域の代表、駅の傍には坂本竜馬が定宿としていた『寺田屋』があるという中書島駅。宇治線へ乗り換えるお客様で常に賑わっている駅にもちゃんと笹が設けられています。ただ飾られている短冊よりもインパクトがありすぎたのがこの駅に設けられている『メッセージボード』。

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…本来ならばメッセージのみを記載すればいいものなのに、何故か妙な絵が追加されちゃってます。ちょっとアップで見てみましょうか。

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(どことなくヤオイ系の同人誌っぽい匂いもする)

織姫と彦星が天の川で出会うというシチュエーションより、『ガ○ダムS○○Dのキ○とカ○リin宇宙空間でラブラブ(オゥイエィ)』と言ったほうが正しいと思われます。まさか中書島駅でこういうイラストを拝見できるとは思いませんでした(コレって駅員さんの趣味なんでしょうかねぇ)

8:丹波橋駅

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京阪沿線の人間からすれば「京都駅へ行く」ために利用するのが丹波橋駅。東福寺駅で乗り換えたり、七条駅で降りて京都駅まで歩くという手段もありますが、ほとんどの人が丹波橋駅で乗り換えることを選択します。ちょっと昔まで近鉄電車と京阪電車が相互乗り入れしていたという歴史があるというのも遠因しているのではないかと推測します。で、肝心の短冊はといいますと…

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家が売れるように、JALのアテンダントさんになりたい等かなり本気の願い事が多いです。その反面笑いを取りにいった願い事も多かったのも印象的でした。

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果たして織姫と彦星はこの願い事を見てどう考えたのでしょう。それにしても「リボーン」ってギャグマンガでしたっけ?このところジャンプ読んでないから判らないんですよ。

9:七条駅

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さぁいよいよ洛中へと入ってまいります。それにしても今回の項目、長いですな。七条駅の笹は大阪方面の改札口に一本飾られていました。特急の停車駅としては乗降客が少なく、ある意味不遇な待遇を受けた駅となっています。そのことを反映してかやっぱり短冊の数は他の駅と比べても少なく、笹も若干元気が無いように見えました。

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しかし、その点をカバーするかのように笹には装飾がたくさん付けられています。市販の七夕セットに付いていそうな飾りや折り紙を輪にしたり、張り合わせたりして作られた飾り、そして

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手作りおけいはん光臨。

…どうも京都方面になると手作りの絵が増える傾向があるようです。

10:四条駅

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(駅表を撮影するのを忘れていました。残念)

京都の繁華街として有名な河原町、時代をタイムスリップしたかのような風情が残る祇園、そしてカップルが等間隔に座っていることで有名な鴨川がそばにある四条駅。阪急河原町駅との乗換駅でもあるためか結構な乗降客を誇っています。笹はコンコースの端に目立たぬ様配置されておりました。

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人がたくさん集まる駅だということもあって笹には結構な数の短冊が飾られています。願い事に関しては全般的に真面目なものが多かったのですが、コレはやはり置かれていた場所自体が南座へと通じる場所だったことが一因かと思われます。そして四条駅では最高齢の方の願い事が書かれていました。

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(人と逢いたいという願いは年輪を重ねても変わらぬ願いなのでしょうね)

11:三条駅

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以前京津線と連絡し、現在は京都市営地下鉄東西線と連絡している三条駅。広々としたコンコースの中には閉鎖された御土産物屋さんと施設を有効に利用するための休憩所が構内に設置されています。この駅には2本の笹が用意されており、乗換駅ということもあって沢山の短冊が飾られていました。

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(左:『凶暴熊と付き合えますように、右:どすこい!!)

ただこの駅はラッシュ時と昼間、平日と休日の利用客数に差があることが遠因したのか笑いを取りに行く短冊が多かったのが印象的でした。私に学がないからかもしれませんが『凶暴熊』って仲良くなれるものなのでしょうか。

12:出町柳駅

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さて、最後となりました。叡山電車と連絡する洛北への玄関口、出町柳駅でございます。京阪の伝統なのか終着駅でありながらも簡素な構造、これから線路をもっと延ばすぞ!と言いたげな構造になっています。…長かったですねぇ。ご苦労様でございます。

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笹が改札内に設置されたということ、終着駅であるということ、笹の設置数が一本しかない等様々な要因が重なり、今まで見てきた各駅に飾られていた短冊の総集編みたいな状態になっています。真面目なお願いもあれば考えさせられるようなお願い、そして今後が気になるお願いもありました。それがコチラ。

 

 

 

 

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…この方が無事改札口を出られたことをお祈りして今回はお開きとさせて頂きます。御清聴長丁場ではございましたが、誠に有難うございました。

(一応注釈・この笹に飾られた短冊は交野市にある機物神社に奉納されるそうです)

 

<オマケ>

私もお願いを短冊にしたためてみました。果たしてこの願い、叶うのでしょうか。

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