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2007年3月18日 (日)

ふたつの宇治駅

(2007年3月19日午前0時25分、タイトルを変更しました)

 意外と知られていないことですが、お茶の名産地として有名な『宇治』、宇治金時の宇治がある京都府宇治市には二つの『宇治駅』があります。

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(左:宇治駅の位置を知らせる地図、右:宇治川)

宇治川という川を挟んで退治しているJRと京阪の駅、昨今のニュースではJR宇治駅のタクシー乗り場に『小型』『中型』という文字が道路上に書かれていたというニュースがありましたので、知名度という視野から見るとJRの方に軍配があるように思えます。今回はこの2つの『宇治駅』をちょっと見てみましょう。

 先ずはニュースにも紹介されましたJR宇治駅のタクシー乗り場から。

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(消しているとはいえしっかり残っている)

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(中型タクシー乗り場と書かれた場所はタクシー降り場)

…確かにプロが書いたんじゃないか?と言わんばかりの書きッぷり。これはこれですごいことです。今回本当はこのタクシー乗り場だけを取材する予定だったのですが、実際に取材をしますとそれ以上に『宇治駅』の姿に興味をそそられてしまいました。先ず最初にJR宇治駅の周囲をご覧下さい。

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…宇治市というのは閑静な住宅街だというイメージがあったのですが、駅舎から駅前広場に降り立った際目に写るのはアミューズメントパークみたいな装飾の数々。ある意味『パラダイス』一歩手前です。こんな装飾が沢山ある宇治駅周辺ですが、駅舎自体は結構地味な構造になっています。

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周囲が観光色豊かな状態になろうとしているのに対して、駅舎自体は『宇治らしさ』をほのかに漂わせる堅実的なデザインとなっています。この外観と同様に駅舎の中も実に堅実です。

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…所々に緑茶の「緑」をデザインとしてあしらっただけで、色覚的に『ああ、宇治だねぇ』と想像できるものに仕上げています。よく言えば堅実的、違った視線から見ると面白みにかける駅舎だと思います。一方の京阪と言えばどういう駅舎かと申しますと…

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…和の要素が一切ありません。コンクリートで構成されたちょっとモダンな洋風建築となっています。『なんだ、これじゃあ面白くも何も無いじゃないか!』というのはまだ早すぎます。京阪宇治駅はこれだけではありません。先ほどの地図を今一度ご覧下さい。

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京阪宇治駅の真横にはJRの奈良線が走っているのが判るかと思われます。この路線の配置が京阪宇治駅の駅舎を新築する際一番の問題となった箇所だったと思われます。しかしこの配置が京阪宇治駅の最大の特徴として生かされることとなったのです。

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改築前はこの洋風建築だった部分に駅の機能を全て設置していました。その為乗車する際は一旦JRの路線を潜って移動、改札を通ってもまだ乗車するには距離がありました。過去一度だけ利用させていただいたことがあったのですが、その時はどうしてこういう構造にしたのかちょっとだけ納得できない構造でした。

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しかし、新しく建てられた京阪宇治駅の駅舎の場合、あえて役割を分割しました。プラットホームと改札口、そしてエントランスの部分を明確に分けたのです。従来の駅業務を行っていた場所にショッピングスペースを設置。ホームの場所を後退させ、空いたスペースに新たなる駅の業務スペースを設置しました。その結果利用する人は構造上長い距離を歩かなければならないことに対して苦痛を感じることなく歩くことができるようになりました。

…ま、これだけならどこにでもある話。見せ場はここから。この駅業務を行う場所というのが先ほどのデザインとは打って変わった施設となっております。それがコチラ!

 

 

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…どうでしょうか、この円を多用したデザインの数々。コンクリート製の味気ない駅舎は多々ありますが、コンクリートの風合いを見事に生かしきったデザインはあまり見たことがありません。この駅を利用する際、駅の構造上どうしても閉塞感がある直線的なデザインが連続するようになります。単調になって退屈感を増してしまうところに出てくる丸の姿に思わず目がひきつけられる事でしょう。建築のデザインなどにこだわる人々には『日本人は建築に円を使いこなせない』等と仰る方もおられるかと思われます。しかし、それはあくまでその建築物を単体で見た際に思ったことであり、駅舎のトータルバランスとして考えるとこの円形が連続する駅舎はそんなに悪くないと思います。

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この京阪宇治駅、南海電車の『ラピート』をデザインした建築家が設計をした…と言うとなぜか納得する人が多いというのは何故なんでしょうねぇ。

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