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2006年7月29日 (土)

パタパタを愛でる

そう、パタパタ。
私がまだ幼少の頃、「鉄」としての自覚が全く無かった時の話です。父親の田舎へ帰る際、新幹線に乗り込もうとした時ふと見上げるとそこにはパタパタと音を立てて次の列車の行先を表示する装置がありました。それは私が初めてパタパタに出逢った瞬間でもあります。

変わるたびに響くパタパタという音。次に現れる列車はなんだろうと思わせるドキドキ感。旅情を味わうには最適のアイテムです。今回はこのパタパタを取り上げてみます。

さてこのパタパタ、「反転フラップ式案内表示機板」という長い名称の他に開発者の名前から『ソラリー式』と呼ばれたり、よく使用していた番組の名前から『ベストテン式』と呼ばれることがあります。でも一般的にはパタパタと言った方が通じますので、今回はパタパタという名称で統一させて頂きます。
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(一般的なパタパタ・京阪枚方市駅で撮影)

●パタパタ前夜

 このパタパタ、爆発的に広まったのには諸説あります。それまでは文字の後ろから光を当てる行灯式、透明な幕に行先を書いた回転幕方式のものがありました。それらに比べて見やすい、一台で多種多様な行先を案内できる、そしてこのパタパタの規格が空港における行先表示板の国際統一規格と指定されたという話…まぁ色々ありますが、とにかく日本の駅では90年代まで爆発的に普及をしていったワケです。

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(現役で活躍する阪急千里線関大前駅の行灯式パタパタ・阪神本線尼崎駅の回転幕式パタパタ)

●パタパタ危機

 しかし盛者必衰の理を表すとはよく言ったもの。最近ではLED(発光ダイオード)の登場も相まって、今や一部のファンの間からは『風前の灯』『絶滅危惧種』とも呼ばれているそうです。確かに新しい行先が出来るたびに一枚一枚作っていくのは手間ですし、LEDならパタパタしなくてもスイッチ一つで一瞬のうちに新しい行先を表示できます。例えば私が初めて出逢った『パタパタ』があった新大阪駅。こちらも今やLEDだらけ。在来線の管轄がJR西日本、新幹線の管轄がJR東海だという事も相まって今やココはLEDの見本市状態になっています。

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(JR西日本は導入時期が早かったため一般的な「2色」のLEDを使用)
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(一方のJR東海は品川駅開業時期と共に見やすい「3色」のLED式に。乗車位置を示すものも3色LED)

ただこのLEDも進化の過程で様々な亜流方式が生まれ、尚且つ新たな方式の登場によって駆逐されるかもしれません。一つがコストの問題。2色のLEDは安価(らしい)のですが、3色のLEDはまだまだお求めにくいお値段だったりします。またLEDでは表示数を超えたものに関してはシステム上一括して表示する事が出来ないという欠点もあります。
Pict00631 (微妙に半角っぽくなっている「新快速」の文字)

●異種パタパタ技バトルロイヤル

 またコレに追い討ちをかけるようなシステムも登場しています。それは意外と関西では知られていなかった「モニター」。昔は南海なんば駅などに設置されていたのを見たことがありますが、何時の間にかこれらのシステムは現在近鉄大阪阿部野橋駅の東口にヒッソリと確認するだけとなっています。
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(近鉄大阪阿部野橋駅東口に設置されているモニター型パタパタ。10年前はもっと書体がカクカクしてた)

これにはもちろん設置場所が小さい上に多種多様の情報を入れなくてはいけないという諸問題を解消させる為に設置されているわけですが、別の意味合いでモニターを用いて行先を表示している場所があります。それが阪急梅田駅の3階入口にある行先表示板です。

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…なんと大型なモニター。コンサート会場みたい。

 
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「神戸線ー!盛り上がってるかー!」(ウオー)「宝塚線ー!お前たちの心は燃えているかぁー!」(ウオー)「京都線ー!他の路線に負けんなよー!」(ウオー!)「ジミに佇んでる千里線もガンバレー!」(ウオー

こちらは「ラガールビジョン」と呼ばれる大型画面で、行先の表示だけでなく沿線の観光案内も大きく表示できる非常にマルチなものとなっています。…しかしまぁでかいです。、もちろん大きいモニターだけではありません。試験的ではありますが市販されている30インチ前後の液晶モニター製を使ったパタパタが大阪市営地下鉄の千日前線に設置されています。

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(時計までこの中に設定されているところが細かい)

●パタパタ最後の戦い

 それでもまだパタパタは活躍の場を狭めることはありません。逆に進化している場所だってあるのです。今やパタパタ最後の砦とも言われている南海電車。大阪なんば駅を起点とし、じゃりン子チエやふたりっ子の舞台として登場した大阪の下町の風情をくぐり抜け、霊場高野山や泉北ニュータウン、美しき山々と豊かな海が心を癒す和歌山や、関西の空の玄関でもある関西国際空港へと向かうこの路線。実はどこもかしこもパタパタだらけ。

Pict00811 (これぞパタパタ)

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 アッチにパタパタコッチにパタパタ、寂しげな場所にもパタパタ、窓口にもパタパタ…。南海電車はこのなんば駅だけではなく、その他の駅にも満遍なくパタパタに列車の行先、2色のLEDに停車駅と各々の特性を生かしたパタパタを取り入れています。これぞ美しい「パタパタ」。列車が旅立てばパタパタ、やってくればパタパタ、ああパタパタパタパタ。

もぅ、最高。

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(正しいパタパタのあり方・近鉄南大阪線大阪阿部野橋駅にて)

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