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2006年6月 2日 (金)

けいはんな線・恐怖は身近に

 今回は鉄道を形成するのに最も重要な「駅」、ステーションに関するコネタ…と言いますか、駅に関するちょっと怖いお話を一席。

普段何気なく利用している場所。そこには我々をかつて無い世界へと陥れる物体が隠されている場合があります。その物体が不意に牙をむいて我々を襲うとしたら、皆様はどうお考えになられるでしょうか。物体の存在を怒るのか、己の不運を嘆くのか、悪魔を糾弾するのか、それとも神の捌きであると受け入れるのか…。それは人其々でしょう。しかし、先人の知識者達の知恵と尊い犠牲と引き換えに我々はその恐怖へと陥れる物体を知りえる機会を得ることができるのです。先人の命をかけて我々へ伝えられるメッセージ、それは…。

  

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 (・д・)

「高圧電気通電中」と書いて、「こわいでんきがながれています」…。すごい読み方です。こんな読み方を指導するのは『民明書房』発行の教科書ぐらいでしかやらないでしょう。もちろん、この看板に書かれている「高圧電気通電中」は「こうあつでんきつうでんちゅう」と読みますし、このフリガナは無闇にホームへと降りないようお子様向けに書かれたものです。実はこの標識、近鉄電車の「けいはんな線」という路線の駅全てに置かれたものなんですね。

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(撮影場所の近鉄けいはんな線学研奈良登美ヶ丘駅)

実はこの「けいはんな線」、近鉄の他の路線とはちょっと違った点があります。いわゆる普通の近鉄電車なら天井の上にある「架線」という場所から「パンタグラフ」と呼ばれる物体を通じて電気を供給されて動きます。ですが、「けいはんな線」の場合はちょっと特殊でした。この路線が計画された段階で大阪市営地下鉄の中央線へ乗り入れるようにする方針が出されたため、地下鉄と同様の「第三軌条」という規格で設備を作る事になったのです。この「第三軌条」というのは、「架線」の代わりとなる「電気が流れるレール」を地上に設置し、そこから特殊な装置(といってもレールの上に小さな鉄の板を触れさせるだけですが)を用いて車両に電気を供給します。この方式を用いる事で地上設備がコンパクトになり、コストも安く地下鉄を作る事が出来ます。しかし、この方式は同時に地上へ電車を動かす為に必要な高圧の電気も流すことになります。他の近鉄電車の線路の様に物が落ちたからと言ってホイホイと勝手に地上に降りてしまうと、例えレールに触れていなくても放電した電気によって感電死してしまうことがあります

ですので、この路線では物が落ちたとしても自らの手で取りに行く事はせず、必ず駅員さんに連絡して取ってもらうようにしましょう。たとえ近くに落ちたとしても、電車がいなくても、ホームから人が線路へ降りたことが確認されると、駅員さんはその路線の通電を全部落とします。走っている電車は非常停止、たった一つの荷物のためにアナタ数万人の人々へ迷惑をかけることだけでなく、その非常停止で発生した損害費用を支払わなければいけません。それがイヤなら素直に駅員さんを呼びましょう。…もちろん、この路線だけでなく、駅のホームから物を落とした場合は第三軌条であろうと架線であろうと必ず駅員さんに報告して取ってもらうようにしましょう。電車はアナタの命を奪う為に走っているわけではありません。…そうですよね?

以上、「書いていることには従え!」でした。

  

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(この絵が何となく陽気なんだよなぁ。それさえ改善できればいいのに。) 

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