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2006年6月25日 (日)

夜行列車へ乗る前に

 「夜行列車に乗る際、一体何を持ち込めばいいでしょうか?」

…実はこの質問、結構あります。何せ夜行列車は他の「夜行バス」や長時間拘束される国際航空便とは違った部分がかなりあります。それらに適した用意(特に市販されているグッズ)をしていくと、役に立たない場合が多いんです。

 では、夜行列車に必要なものとは一体なんなのか?…コレを解き明かすには夜行列車の特徴を把握するところからスタートしなければいけません。夜行列車は駅に滞在する時間が短い(トイレが使い辛い夜行バスと比べて、客室にトイレが備わっている為に休憩の時間を取らなくてもいい)分だけ、座席に滞在する時間が長くなります。この「座席」を快適な状態にする持ち物があると、ちょっと余裕が生まれてくると思いませんか?

 長距離を移動する交通機関に乗ると、必ず「足」に何らかの影響を及ぼします。そこで、室内では靴を脱いでおくということを私はお勧めしています。その際使用するのが「段ボール」。これを床に敷いておくと、そのまま素足をおくことができます。また、段ボールを敷くことで従来足元から響いてくる振動が幾分解消されます。もちろん段ボールですから、使用後は駅の資源回収用ゴミ箱に捨てる事が出来ます。段ボールが面倒なら新聞紙でも構いませんが、新聞紙の場合だと吸水性に優れすぎているために、時々蒸れた靴下がくっ付いてしまうという場合があります。段ボールの場合だとある程度段ボール自身に重さがあるので、ソレがありません。

 それに段ボールだと、最悪こういう状態になった場合、寝具としても使うことが出来ます。

Pict0029 (昨年のムーンライト九州にて・指定席を奪われて棚に寝る人)

もちろん「全席指定」の列車に指定席券を購入せず乗り込んで、こういうことをするのはルール以前の問題ですので、お止め頂きます様申し上げておきます。…でも座席を占領されてたりすると、残念ながらこういう状況になるんですよねぇ。

 ただ、これだけではいわゆる「エコノミー症候群」と呼ばれる症状を回避する事は正直難しいと思われます。エコノミー症候群は同じ姿勢を取り続けた際に、足の膝等に滞った血液が固まり、その固まりが血栓となって各臓器届いてしまい、結果身体に悪影響を及ぼす病気です。この病気を回避する為にも車内にいる際は歩けるようにして頂きたい。そこであったら便利なのが「使い捨てのスリッパ」。これがあると先ほどの段ボールの床からトイレなどに移動する際、容易に移動することが出来ます。もちろん無ければ無いでいいですが、あると結構便利だったりします。もちろん「歩く」だけでなく、保温効果もありますので、冬場に乗る際はあると足元が暖かくなってかなり有効かと思われます。

 もちろんこれだけではなく、「お茶」「お水」等のソフトドリンク類、「カロリーメイト」等のポケットサイズの食べ物も事前に購入しておく事をお勧めします。昔は車内販売があったのですが、今はほとんどありません。駅のホームに売店や自動販売機が無いところもたくさんあります。これらの商品をちょっとだけ手元に置いておくと、不意の運行抑止などで拘束されてもある程度は安心して過ごせます。またお酒などを持ち込まれる方が時々いらっしゃいますが、この場合夜中は楽8しいかもしれませんが朝方になると一気に邪魔者へと変化しますので、ほろ酔い程度で終わる量を持ち込まれるのをお勧めしておきます。

…個人的にはタオルが1本(特にコンビニ等で発売している『長いタオル』)あると夜半の汗対策など色々と使えますし、大き目のビニール袋があればゴミも回収できて気持ちよく列車を降りることができますから、持っていたほうがいいのではないかと思うのですが、そこは個人の判断でお願いしたいと思います。それにこういうのが手間だ!という方は寝台席を利用される事をお勧めします。そこには一日分の寝具(浴衣ですが)や布団などが用意されていますし、列車によっては車掌さんから「お泊りセット」を購入する事が出来ます。でもこの場合、私はちょっと味気ないなぁと思ってしまいますので、できれば皆さんで創意工夫をしていただけたらいいと思います。

参考として毎年夏に私が夜行列車に乗るときの荷物(3泊4日分・一泊車中泊含む)を記載しておきますのでご参考にどうぞ(黒太字は旅のセット、赤太字は夜行用)。

半袖Tシャツ・パンツ・タオル:日数分(4セット、うちタオル1本は現地調達)、

長袖シャツ:1枚、時刻表(大判):1冊、

メモ帳代わりのシステム手帳:1冊(ここに必ずきっぷを入れておく)、

携帯電話・デジカメの充電器、:各1個、水(500CCサイズ):1本

ソフトドリンク類:2リットルサイズ2本(必ず水とお茶)

アルコール類:ビールなら500cc4本、清酒なら500cc1本。

乾き物類:ポテトチップス系統を2袋ほど(地域性があるもの)。

 

…それにしても、参考になるんでしょうかコレ。

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2006年6月23日 (金)

夜行列車のススメ

 前回は大変見苦しい場面をお見せしてしまい、申し訳ございませんでした。今回からは心を入れ替えて(?)コンシェルジュらしいところを見せていけたらと思っております。

 さて、そろそろ季節は夏。梅雨空の合間に見える青空、まるで我々を旅へと誘うかのような透き通った空間に心を奪われそうになっている方々も多いかと思われます。旅と言えば飛行機や新幹線で行楽地!…なんていいかもしれません。仲間が集まってワイワイとキャンピングカーを借りてキャンプなんていうのもいいかもしれません。しかし、今年の夏はあえて「日常の中の非日常」を味わうという旅は如何でしょうか。

 …「鉄道で非日常なんてあるのか?」なんて声も聞こえてきそうですが、実際に存在しています。夜の帳が下りた頃、普段利用している駅のホームからあまり聞きなれていない地名が聞こえてきたことがありませんか?時刻表を見ていると日付が変わる頃、ひっそりと運行を始める列車。そう、「夜行列車」です。私が幼少の頃、「ブルートレイン」という寝台専用夜行列車が一大ブームになった時があります。あの時から早幾年、時代は交通機関に対して高速化や個性を求めるようになり、その要求に答えられなくなった「ブルートレイン」はダイヤ改定の声を聞く度、その歩みを止めてまいりました。

 しかし、まだまだ「夜行列車」は可能性を秘めていると私は考えています。現に時間帯によってはまだまだ選ばれる交通機関に成り得ると思っています。また従来の価値観とは違った視点で見つめ直すと、これほど興味深いものはありません。

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 乗るとそこはいつもの日常とは違う世界。見慣れた車窓が徐々に旅景色へと変貌を遂げます。何気なく通過していく駅も、夜明けも、列車の揺れも、レールの繋ぎ目の音も、心にズシリと響いてきます。…ああ、文章書いてたら旅出たくなった。

さて、今回からはちょっとした短期連載という形ではありますが、夜行列車に必要なもの、あれば便利なものを私の経験を元に書き連ねていこうと考えております。夜行列車のみならず、サイコロの出た目に沿って夜行バスに乗るあの方も、やられる前に是非ご一読しておく事をお勧めいたします。

お時間がございましたら、御笑覧くださいませ。

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2006年6月16日 (金)

福を探しに

 少し恐縮ですが、個人的なお話をひとつ。この間買った「ドリームジャンボ」、見事7等当たりました!!…っていうか、10枚買ってれば必ず当たる賞ですね。こんな事を「幸せ」としないといけない位にちょっと最近私の周りに不幸が連続して起こっています。毎日毎日小公女ポリアンナ(だったっけ?)みたいに「よかった探し」をする毎日…。どうせならもっと大きな「幸福」を探しに行こうじゃないか。そう思いつき、私はその名もズバリなところへ「福を探しに」行ってまいりました。

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…はい、もうコレだけでどこに行ったのかわかる人はわかるでしょう。西九条と言えば現在近鉄難波駅へ向けて延伸工事をしている「阪神西大阪線」の<<とりあえず>>の終着地であります。今のところ大都市の中でありながらローカル、こういう空気って何となくホッとするのは私だけでしょうか。

Huku06 Huku05

…ただ、この駅の東側(JRを挟んだところ)では現在延伸工事が急ピッチで進められています。これから先この雰囲気がどのように変化していくのかがちょっと楽しみだったりします。現に阪神も合併する事になっちゃいましたし、この路線に活路を見出すのではないかと思われます(もちろん勝手な推測ですが)。

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それではお待たせしました。今回の目的地、阪神沿線の方々と鉄道ファンの間では有名な、読んで字の如く「福」があるあの駅です。

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…そう、「福」。なんて潔い名前なんでしょうか。この駅には「福」にまつわる素晴らしいものがたくさんあるに違いありません。青い鳥を探すチルチルとミチル(城ではない)の様に私は青い電車に乗って「福」駅へと向かいます。

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この阪神西大阪線、淀川の堤防よりも下の部分に線路があるという全国的に珍しい路線だったりします。そのために水害対策として堤防と同じ高さにまでかさ上げが出来る「水防扉」というのを設置しています。一部メディアでは「この水防扉が作動すれば阪神西大阪線は運休しなくてはいけない!」なんて指摘されていますが、そもそもこの水防扉が作動する水害、淀川が氾濫するぐらいまで水がある場合、大阪市内のみならず関西一円の大規模水害になっていると思うのは私だけでしょうか?…そんなことを思いつつ、電車は一路「福」駅に到着します。

 

Fuku09_1  …思いっきりバリアフリー対応。

福駅は2面2線(線路一つにホームが一つ)、各々のホームに改札口が設置されている「昔ながらの私鉄駅」です。現在は尼崎方面へ向かうホームのみに駅員さんが常駐しておられます。どうしてこの駅が「福」というおめでたい駅名になったかと申しますと、

Huku10_3 …そうなんです。この周りの地名がその名もズバリ「福」なんですね。いたるところ「福」だらけ。小学校も「福小」ですし、よく見ると「寿会館」というめでたすぎる会館もあるわけです。これはさどかし周囲もめでたいに違いない…そう思った次の瞬間!

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…どうですか、この「めでたき名前の店舗」たちを。駅前に降り立った瞬間、私は思わず笑みがこぼれてしまいました。和をもって幸せとなる「居酒屋和幸」、詩を歌う島の横に咲き乱れる向日葵、焼肉を食べて喜ぶことによって福を得る焼肉屋、そしてこの場所が最も良い場所だと自ら主張する「一番」という名前の居酒屋…。文字通りこの「福駅」の周辺は幸せばかりであります。場所柄工場地帯だとばかり思っていた私の考えが間違っていました。…しかし、「福」なのだから、「福」という地名なのだからもっと、もっと吹くがあるに違いない。どこかの探検隊の様に徒党を組むことは出来ませんが、まだまだ「福駅」周辺にはもっともっと福がある、言葉では言い表せない確信を感じた私は、福駅の駅前を捜索することにしました。探す事わずが数分、それはいきなり私の目の前に現れたのです。

 

…私は遂に!「福駅」の傍に「福」がたくさんあることを目撃することに成功したのです!その一部始終を貴方の目にもお見せいたしましょう、こちらがその証拠写真です!

 

 

 

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ユニクロ西淀川店やん。確かに服(ふく)いっぱいやけど。

 

 

如何でしたか?今週の「ナイトスクープに出てくる桂小枝に憧れて」。まだまだJAWS(ナイトスクープの制作会社)の人から言わせれば甘いと思います。が、よくよく考えたらコンシェルジュがどうして探偵をやるんだって話です。これからは真っ当にコンシェルジュ道を極められたらいいと思います。

  Pict0114_3 (探偵学校もあるみたいです)

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2006年6月14日 (水)

都電荒川線の事故に関して

 いつも「レールウェイコンシェルジュ」を御覧頂きまして、誠にありがとうございます。

昨日(6月13日)都電荒川線梶原・栄町間にて「正面衝突」という決して起してはならない事故が発生いたしました。「鉄道を愛する人間」の一人として、今回の事故に遭遇してしまった乗客の皆様にお見舞いを申し上げます。

そして、今回の「正面衝突」という鉄道事業者として単純且つ最も愚かな事故を起こした東京都交通局に対し、「鉄道運輸のプロ」としてきちんとした原因の究明と再発防止策の検証と徹底をお願いしたいと思います。

 

レールウェイコンシェルジュ あすやん。

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2006年6月10日 (土)

梅田の中心で

 私鉄は必ずと言っていいほどターミナル駅に集客施設を設けております。今回はその集客施設の中でちょっと変わっているところ(というかお店)をご紹介しましょう。

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最近特に鉄道とは違う理由で有名に『なってしまった』、阪神電車の梅田駅でございます。駅の構造は阪急さんやJRさんと比べるとちょっとこじんまりとしている設計になっていますが、この駅にはもう世界規模で有名な「あの」専門店がある場所が併設されています。それが、「阪神百貨店」のスナックパークであります。

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名物の「いか焼」をはじめ、お好み焼きに焼きそば、最近何故か注目されている「ミックスジュース」も取り扱っている日本一のフードコートであります。…ですが、このところ「スナックパーク」にちょっと異質な店が登場して関西一円の食通達を「ある意味」驚かせています。それが「讃岐きしめん・大吉」さんというお店なんですね。

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もう名前からして「突っ込んでくれ」という関係者からの叫びが聞こえてきそうですが、ただまだまだ突っ込むところがあります。それがこの「讃岐きしめん」の「名物メニュー」…

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…もう、何がなんだかわかりません。まだ「讃岐きしめん」は「名古屋と香川の間にある大阪で発祥したメニューです」なんて言えばなんとか納得できます。そこに印度からの使者到来なワケです。「カレー讃岐きしめん」 って…。まぁ、カレーですからどういう味かは想像できますので、今回はこの「讃岐きしめん大吉」さんの一番お手ごろなメニューの「かけ讃岐きしめん(税込み289円)」を頂いてみることにします。

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きちんと「きしめん」の流儀に乗っ取って、暖かいお出汁の上に花がつおがひらひらと舞い降りています。見た目は「讃岐」ではなく「尾張」。麺も冷凍を使っているとはいえ、最近の冷凍うどんはそこらへんの手打ち麺よりも美味い場合がありますし、茹で上がったきしめんをそのまま使うとなると品質上色々問題があります。さぁ、色々と御託を並べるのはそれぐらいにして、この「讃岐きしめん」さんを頂いてみましょう…。

Pict0115 <イメージカット> 

Munku<イメージカット>

 

 

 

…まぁ、こんなもんでしょう。

Umeda07<ちょぼ焼は僕を裏切らない>

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2006年6月 2日 (金)

けいはんな線・恐怖は身近に

 今回は鉄道を形成するのに最も重要な「駅」、ステーションに関するコネタ…と言いますか、駅に関するちょっと怖いお話を一席。

普段何気なく利用している場所。そこには我々をかつて無い世界へと陥れる物体が隠されている場合があります。その物体が不意に牙をむいて我々を襲うとしたら、皆様はどうお考えになられるでしょうか。物体の存在を怒るのか、己の不運を嘆くのか、悪魔を糾弾するのか、それとも神の捌きであると受け入れるのか…。それは人其々でしょう。しかし、先人の知識者達の知恵と尊い犠牲と引き換えに我々はその恐怖へと陥れる物体を知りえる機会を得ることができるのです。先人の命をかけて我々へ伝えられるメッセージ、それは…。

  

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 (・д・)

「高圧電気通電中」と書いて、「こわいでんきがながれています」…。すごい読み方です。こんな読み方を指導するのは『民明書房』発行の教科書ぐらいでしかやらないでしょう。もちろん、この看板に書かれている「高圧電気通電中」は「こうあつでんきつうでんちゅう」と読みますし、このフリガナは無闇にホームへと降りないようお子様向けに書かれたものです。実はこの標識、近鉄電車の「けいはんな線」という路線の駅全てに置かれたものなんですね。

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(撮影場所の近鉄けいはんな線学研奈良登美ヶ丘駅)

実はこの「けいはんな線」、近鉄の他の路線とはちょっと違った点があります。いわゆる普通の近鉄電車なら天井の上にある「架線」という場所から「パンタグラフ」と呼ばれる物体を通じて電気を供給されて動きます。ですが、「けいはんな線」の場合はちょっと特殊でした。この路線が計画された段階で大阪市営地下鉄の中央線へ乗り入れるようにする方針が出されたため、地下鉄と同様の「第三軌条」という規格で設備を作る事になったのです。この「第三軌条」というのは、「架線」の代わりとなる「電気が流れるレール」を地上に設置し、そこから特殊な装置(といってもレールの上に小さな鉄の板を触れさせるだけですが)を用いて車両に電気を供給します。この方式を用いる事で地上設備がコンパクトになり、コストも安く地下鉄を作る事が出来ます。しかし、この方式は同時に地上へ電車を動かす為に必要な高圧の電気も流すことになります。他の近鉄電車の線路の様に物が落ちたからと言ってホイホイと勝手に地上に降りてしまうと、例えレールに触れていなくても放電した電気によって感電死してしまうことがあります

ですので、この路線では物が落ちたとしても自らの手で取りに行く事はせず、必ず駅員さんに連絡して取ってもらうようにしましょう。たとえ近くに落ちたとしても、電車がいなくても、ホームから人が線路へ降りたことが確認されると、駅員さんはその路線の通電を全部落とします。走っている電車は非常停止、たった一つの荷物のためにアナタ数万人の人々へ迷惑をかけることだけでなく、その非常停止で発生した損害費用を支払わなければいけません。それがイヤなら素直に駅員さんを呼びましょう。…もちろん、この路線だけでなく、駅のホームから物を落とした場合は第三軌条であろうと架線であろうと必ず駅員さんに報告して取ってもらうようにしましょう。電車はアナタの命を奪う為に走っているわけではありません。…そうですよね?

以上、「書いていることには従え!」でした。

  

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(この絵が何となく陽気なんだよなぁ。それさえ改善できればいいのに。) 

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